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[[アセチルコリン]]AChなどの神経活動制御因子は遅延整流性カリウム電流を抑制することで、閾膜電位付近の興奮性を高め、発火頻度やシナプス入力に対する応答性を制御する。[[ムスカリン性ACh受容体]]の活性化に共役したカリウム電流がよく研究されており、この電流はムスカリン muscarinから[[M電流]]と呼ばれている。神経系においては、主にKv7.2(KCNQ2)/Kv7.3(KCNQ3)から構成されているイオンチャネルがこの電流を担っていると考えられている。 | [[アセチルコリン]]AChなどの神経活動制御因子は遅延整流性カリウム電流を抑制することで、閾膜電位付近の興奮性を高め、発火頻度やシナプス入力に対する応答性を制御する。[[ムスカリン性ACh受容体]]の活性化に共役したカリウム電流がよく研究されており、この電流はムスカリン muscarinから[[M電流]]と呼ばれている。神経系においては、主にKv7.2(KCNQ2)/Kv7.3(KCNQ3)から構成されているイオンチャネルがこの電流を担っていると考えられている。 | ||
このイオンチャネルの活性には[[細胞膜]]の内側に存在しているリン脂質PIP<sub>2</sub> | このイオンチャネルの活性には[[細胞膜]]の内側に存在しているリン脂質PIP<sub>2</sub>との結合が必要であり、Gq共役型のGPCR、例えばM<sub>3</sub>アセチルコリン受容体の刺激は[[ホスホリパーゼC]]を活性化し、膜のPIP<sub>2</sub>を減少させることでチャネルの活性を抑制すると考えられている。 | ||
CA1錐体細胞の樹状突起から計測される持続性のカリウム電流は電気生理学的な特性や薬理学的な特性(4-アミノピリジン(4-AP)よりもTEA感受性が高い)からHVA型のKv2サブファミリーであると考えられている(図5)。この電流は活動電位の中の膜電位で活性化される。神経細胞の高頻度発火の際にはこの電流が活性化し活動電位間の膜電位を過分極させる。 | CA1錐体細胞の樹状突起から計測される持続性のカリウム電流は電気生理学的な特性や薬理学的な特性(4-アミノピリジン(4-AP)よりもTEA感受性が高い)からHVA型のKv2サブファミリーであると考えられている(図5)。この電流は活動電位の中の膜電位で活性化される。神経細胞の高頻度発火の際にはこの電流が活性化し活動電位間の膜電位を過分極させる。 |