「眼優位性」の版間の差分

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英: ocular dominance
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<font size="+1">[http://researchmap.jp/yhata 畠 義郎]</font><br>
''鳥取大学''<br>
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大脳皮質視覚野のニューロンの多くは左右どちらの眼に光刺激を与えても反応する性質(両眼反応性)を示すが、どちらの眼からの入力に対してより強く応じるかは、ニューロンによって異なる。両眼に等しく反応するものから、片方の眼へのみ応じるものもある。このようなニューロンの眼に対する反応選択性を眼優位性と呼ぶ。
英語名:ocular dominance


背景
同義語:(英)eye dominance
 
{{box|text= 大脳皮質視覚野のニューロンの多くは左右どちらの眼に光刺激を与えても反応する性質(両眼反応性)を示すが、どちらの眼からの入力に対してより強く応じるかは、ニューロンによって異なる。両眼に等しく反応するものから、片方の眼へのみ応じるものもある。このようなニューロンの眼に対する反応選択性を眼優位性と呼ぶ。}}
 
==背景==
 2つの眼で捉えた視覚情報は脳において1つの統合された視覚イメージを作る。その仕組みは、古来、多くの科学者、哲学者の興味の対象であった。それぞれの眼球を出た視神経は視交叉で融合し、すぐ再び左右に分離して視索となる。この時、視神経軸索の一部は交叉して対側の脳に向かい、残りは同側に向かう。そして、左右の網膜の、視野上で対応する部分に由来する情報は、脳の同じ部位に収束する。このような部分交叉のアイデアはアイザック・ニュートンが最初に提唱したとされている(Sweeney, 1984)。
 2つの眼で捉えた視覚情報は脳において1つの統合された視覚イメージを作る。その仕組みは、古来、多くの科学者、哲学者の興味の対象であった。それぞれの眼球を出た視神経は視交叉で融合し、すぐ再び左右に分離して視索となる。この時、視神経軸索の一部は交叉して対側の脳に向かい、残りは同側に向かう。そして、左右の網膜の、視野上で対応する部分に由来する情報は、脳の同じ部位に収束する。このような部分交叉のアイデアはアイザック・ニュートンが最初に提唱したとされている(Sweeney, 1984)。
 両眼からの入力が収束することで両眼に反応するニューロンが生まれるが、それは大脳皮質一次視覚野で初めて観察される。個々のニューロンの両眼反応性の程度は一様ではなく、両眼に等しく反応するものから、どちらかの眼にのみ反応するものまで様々であり、その程度を眼優位性と呼ぶ。
 両眼からの入力が収束することで両眼に反応するニューロンが生まれるが、それは大脳皮質一次視覚野で初めて観察される。個々のニューロンの両眼反応性の程度は一様ではなく、両眼に等しく反応するものから、どちらかの眼にのみ反応するものまで様々であり、その程度を眼優位性と呼ぶ。
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