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事象関連電位は[[知覚]]や[[認知]]処理に対応して出現し、これらの処理の過程を検討するための有用な指標として、心理学や神経科学分野で頻繁に用いられてきた。一つの課題の中では複数の波の振れが観察され、この振れのことを一般的には成分と呼び、多くの成分には特定の名前が付けられて検討されることが多い。例えば[[oddball課題]]と呼ばれる課題で得られる刺激呈示後300msあたりに頂点を持つ極性がプラス(陽性)の成分は[[事象関連電位#P300|P300]]と呼ばれる。また、単語処理に関わる成分で有名なものは[[事象関連電位#N400|N400]]と呼ばれる成分である。ここでいうPやNはそれぞれPositiveとNegativeを表しており、振れの極性を表している。すなわち、極性が陽性(+)ならPではじまる成分名を、陰性(-)ならばNではじまる成分名を持つ。PやNの後に続く数字はその成分が見られる潜時を表すことが多い。つまり、P300というのは刺激提示後300ms近辺に頂点を持つ陽性成分ということになる。また、振れが現れる順番をとってP1やN2などと名をつけることもある。N2というのは2番目に現れた陰性成分という意味である。各成分はそれぞれ固有の頭皮上分布と課題に対する反応を持ち、これらの成分の振る舞いを検討することによって認知処理を推測していくことになる。新しい課題を用いて事象関連電位を検討する場合にはまずターゲットをどの成分において検討するのかを決めておくと、効率よくデータを解釈することができるだろう。 | 事象関連電位は[[知覚]]や[[認知]]処理に対応して出現し、これらの処理の過程を検討するための有用な指標として、心理学や神経科学分野で頻繁に用いられてきた。一つの課題の中では複数の波の振れが観察され、この振れのことを一般的には成分と呼び、多くの成分には特定の名前が付けられて検討されることが多い。例えば[[oddball課題]]と呼ばれる課題で得られる刺激呈示後300msあたりに頂点を持つ極性がプラス(陽性)の成分は[[事象関連電位#P300|P300]]と呼ばれる。また、単語処理に関わる成分で有名なものは[[事象関連電位#N400|N400]]と呼ばれる成分である。ここでいうPやNはそれぞれPositiveとNegativeを表しており、振れの極性を表している。すなわち、極性が陽性(+)ならPではじまる成分名を、陰性(-)ならばNではじまる成分名を持つ。PやNの後に続く数字はその成分が見られる潜時を表すことが多い。つまり、P300というのは刺激提示後300ms近辺に頂点を持つ陽性成分ということになる。また、振れが現れる順番をとってP1やN2などと名をつけることもある。N2というのは2番目に現れた陰性成分という意味である。各成分はそれぞれ固有の頭皮上分布と課題に対する反応を持ち、これらの成分の振る舞いを検討することによって認知処理を推測していくことになる。新しい課題を用いて事象関連電位を検討する場合にはまずターゲットをどの成分において検討するのかを決めておくと、効率よくデータを解釈することができるだろう。 | ||
事象関連電位の計測に関してはこれまでの研究からどのように計測するべきかという方法論が確定しているといっても言い過ぎではない。[[w:Society for Psychophysiological Research|Society for Psychophysiological Research]] | 事象関連電位の計測に関してはこれまでの研究からどのように計測するべきかという方法論が確定しているといっても言い過ぎではない。[[w:Society for Psychophysiological Research|Society for Psychophysiological Research]]が2000年に発表した「ヒトの事象関連電位を認知研究に利用するためのガイドライン」では事象関連電位計測、解析、結果の解釈まで網羅的にまとめられており、このガイドラインの通りに計測や解析を行えばまず間違いはない。また、入戸野<ref>'''入戸野宏'''<br>心理学のための事象関連電位ガイドブック<br>''北大路書房'' 2005</ref>は事象関連電位研究において必要となる知識が詳しい説明とともに網羅されており、事象関連電位研究を行う前には一読しておくことを薦める。最近では事象関連電位解析はオープンソースのフリーソフトで行われることが多くなってきた。その中でもよく使われているのは[[wj:カリフォルニア大学サンディエゴ校|カリフォルニア大学サンディエゴ校]]が提供しているEEGLABであるが、開・金山<ref>'''開一夫・金山範明(編)'''<br>脳波解析入門<br>''東京大学出版会'' 2016</ref>ではその使用法や理論的背景を初学者にもわかりやすく概説しており、参考になる。 | ||
== 発生のメカニズム == | == 発生のメカニズム == | ||
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==== C1 ==== | ==== C1 ==== | ||
もっとも初期にみられる成分は後頭部に刺激提示後65-85msに現れる陰性成分である。Jeffreys<ref name=jefferys><pubmed>4646539</pubmed></ref>は後頭中心部に見られる陰性成分を[[C1]]と名付けている。この陰性成分の頭皮上分布は刺激の網膜上の位置に対応し、その特性から[[一次視覚野]]([[V1]])の活動を反映していると考えられている<ref name=gomez><pubmed>7803199</pubmed></ref> <ref name=clark>'''Clark VP, Fan S, Hillyard SA.'''<br>Identification of early visual evoked potential generators by retinotopic and topographic analyses.<br>''Hum Brain Mapp'', 2, 170-187. 1995</ref> <ref name=russo><pubmed>11835601</pubmed></ref>。 | |||
==== P1 ==== | ==== P1 ==== | ||
C1の後に観察されるのは刺激提示後70-130ms付近に現れる陽性成分P1である。[[P1]]成分も極初期の視覚処理を反映していると考えられるが、V1よりは高次な[[有線外皮質]](extrastriate cortex)に起源をもつと考えられている。Hillyard et al. | C1の後に観察されるのは刺激提示後70-130ms付近に現れる陽性成分P1である。[[P1]]成分も極初期の視覚処理を反映していると考えられるが、V1よりは高次な[[有線外皮質]](extrastriate cortex)に起源をもつと考えられている。Hillyard et al.<ref><pubmed> 9770220</pubmed></ref>によれば、この成分は[[選択的注意]]の影響を受け、注意によってその振幅が増強する最初の成分であるが、近年の研究ではP1より前のC1成分にすでに注意の影響が表れるという報告もある<ref><pubmed>18321874</pubmed></ref>。 | ||
==== N1 ==== | ==== N1 ==== | ||
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聴覚刺激によって惹起される成分は聴覚誘発電位と呼ばれる。もっとも早く観察されるAEPは[[聴性脳幹反応]](ABR)と呼ばれる。聴性脳幹反応はクリック音提示から10-12ms後に観察される7つの電位で構成される。聴性脳幹反応は個体間の変動が少なく、[[麻酔]]や[[睡眠]]の影響をほとんど受けず、比較的簡単に脳深部の電気活動を得られるため[[wj:臨床検査|臨床検査]]に用いられることがある。異常が発生するとこれらの成分は潜時が遅れたり消失したりし、障害によってその挙動は変化する。従って聴性脳幹反応の変化からその障害を推定することが可能である。聴性脳幹反応に続く10-50ms区間ではいくつかの成分が観察される([[N0]]、[[P0]]、[[Na]]、[[Pa]]、[[Nb]])。 | 聴覚刺激によって惹起される成分は聴覚誘発電位と呼ばれる。もっとも早く観察されるAEPは[[聴性脳幹反応]](ABR)と呼ばれる。聴性脳幹反応はクリック音提示から10-12ms後に観察される7つの電位で構成される。聴性脳幹反応は個体間の変動が少なく、[[麻酔]]や[[睡眠]]の影響をほとんど受けず、比較的簡単に脳深部の電気活動を得られるため[[wj:臨床検査|臨床検査]]に用いられることがある。異常が発生するとこれらの成分は潜時が遅れたり消失したりし、障害によってその挙動は変化する。従って聴性脳幹反応の変化からその障害を推定することが可能である。聴性脳幹反応に続く10-50ms区間ではいくつかの成分が観察される([[N0]]、[[P0]]、[[Na]]、[[Pa]]、[[Nb]])。 | ||
発生源は側頭葉にある聴覚領域の[[ヘッシェルの横側頭回]]や[[視床]]ではないかと考えられている。刺激後100-200msには大きな陰性と陽性の成分が観察される。N1やP2と呼ばれるこの成分はNaatanen & Picton | 発生源は側頭葉にある聴覚領域の[[ヘッシェルの横側頭回]]や[[視床]]ではないかと考えられている。刺激後100-200msには大きな陰性と陽性の成分が観察される。N1やP2と呼ばれるこの成分はNaatanen & Picton<ref><pubmed>3615753</pubmed></ref>によれば6種類の下位成分によって構成される<ref>'''諸富隆・沖田庸嵩'''<br>事象関連電位 宮田洋(監修) 藤沢清 柿木昇治 山崎勝男(編)<br>新生理心理学1巻 北大路書房 104-123. 1998</ref>。これらの成分は刺激強度や周波数の増加といった刺激の物理的特徴に対して敏感に反応するという点で、内的な要因によって変化する後述のミスマッチ陰性電位とは区別して考えられている。なお、これらの成分は視覚刺激によって惹起するN1やP1成分とは別物である。 | ||
=== ミスマッチ陰性電位 === | === ミスマッチ陰性電位 === | ||
mismach negativity; MMN | mismach negativity; MMN | ||
Naatanen et al. | Naatanen et al. <ref><pubmed> 685709</pubmed></ref>は、高い音と低い音を1:9の割合でランダムに被験者に呈示した。被験者は時折呈示される低頻度音でも高頻度音でもないターゲット音に対して反応することを求めた。この様な課題はoddball課題と呼ばれる。すると、低頻度刺激呈示条件では高頻度呈示条件に比べて、刺激提示後200ms近辺で陰性の成分が観察され、この成分はミスマッチ陰性電位と名付けられた。<u>(編集部コメント:「すると、」が若干おかしいような気がします)</u> | ||
ミスマッチ陰性電位は刺激に対して注意を向けているか向けていないかに関係なく惹起され、自動的で受動的な脳の定位反応成分と考えられている。ミスマッチ陰性電位は聴覚刺激のみで反応するわけではなく、視覚刺激の逸脱に対しても反応し、各感覚モダリティーに特異的に観察されると考えられる。ミスマッチ陰性電位に関しては、先行刺激の[[記憶痕跡]]との照合過程を反映するという説や[[予測コード]]との照合のエラーを反映するという説などが提唱されているが、現状ではまだ議論があるところである。 | ミスマッチ陰性電位は刺激に対して注意を向けているか向けていないかに関係なく惹起され、自動的で受動的な脳の定位反応成分と考えられている。ミスマッチ陰性電位は聴覚刺激のみで反応するわけではなく、視覚刺激の逸脱に対しても反応し、各感覚モダリティーに特異的に観察されると考えられる。ミスマッチ陰性電位に関しては、先行刺激の[[記憶痕跡]]との照合過程を反映するという説や[[予測コード]]との照合のエラーを反映するという説などが提唱されているが、現状ではまだ議論があるところである。 | ||
=== P300 === | === P300 === | ||
[[P300]]([[P3]]と呼ばれることもある)はもっとも有名な事象関連電位成分といってもいいかもしれない。Sutton et al. | [[P300]]([[P3]]と呼ばれることもある)はもっとも有名な事象関連電位成分といってもいいかもしれない。Sutton et al. <ref><pubmed>5852977</pubmed></ref>によって発見されたこの成分は、一般的にはoddball課題で観測され、検討されることが多いが、内的な判断を求めるほとんどの課題で観察される。 | ||
P300は頭頂中心部で最大になり、潜時は300msから900msくらいにまで延長することもある。一般的に潜時は課題が簡単であれば短くなり、課題が難しく判断に時間がかかるほど長くなる。Makeig et al. | P300は頭頂中心部で最大になり、潜時は300msから900msくらいにまで延長することもある。一般的に潜時は課題が簡単であれば短くなり、課題が難しく判断に時間がかかるほど長くなる。Makeig et al.<ref name=ref1><pubmed>15208723</pubmed></ref>では、P300はボタン押し反応の直後にピークを迎えているのが見て取れる。このことからP300は「刺激評価時間の指標」としてよく使用される。ボタン押しなどの直接の反応を求めなくても、P300の潜時を見ることで処理の終了を知ることができるからである。P300がどのような認知的処理を反映するのかは諸説あるが、一時形成された[[作動記憶]](ワーキングメモリ)内の情報の更新や注意の割り当てなどを反映すると考えられている。 | ||
ただし、P300は複数の領域から発生している活動の複合波であって、単一の処理だけを反映していると考えるのはおそらく正しくない。一般的にP300と呼ばれるのは[[P3b]]と呼ばれる頭頂中心部の陽性成分であるが、これよりも若干早い潜時で前頭部で最大になる[[P3a]]という成分があることは古くから知られていた | ただし、P300は複数の領域から発生している活動の複合波であって、単一の処理だけを反映していると考えるのはおそらく正しくない。一般的にP300と呼ばれるのは[[P3b]]と呼ばれる頭頂中心部の陽性成分であるが、これよりも若干早い潜時で前頭部で最大になる[[P3a]]という成分があることは古くから知られていた<ref><pubmed>9499703</pubmed></ref>。さらにMakeig et al.<ref name=ref1 />は[[wj:独立成分分析|独立成分分析]](ICA)を用いて、P300が観察される潜時帯には少なくとも8つの陽性成分が存在していることが明らかにしている。 | ||
P300は多くの課題で観察され、頭皮上の広い部位から計測されるが、それは一つの活動源から発生した活動が体積伝導で計測されたものだけではなく、複数の活動源から発生した成分が重畳している可能性があることを考慮にいれる必要があるだろう。 | P300は多くの課題で観察され、頭皮上の広い部位から計測されるが、それは一つの活動源から発生した活動が体積伝導で計測されたものだけではなく、複数の活動源から発生した成分が重畳している可能性があることを考慮にいれる必要があるだろう。 | ||
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Late Positive Complex; LPC | Late Positive Complex; LPC | ||
記憶や感情、言語処理など高次な処理を行うような課題で観察される長潜時の陽性成分は後期陽性複合と呼ばれる。その潜時からP600と呼ばれることもある。Rugg | 記憶や感情、言語処理など高次な処理を行うような課題で観察される長潜時の陽性成分は後期陽性複合と呼ばれる。その潜時からP600と呼ばれることもある。Rugg<ref><pubmed>2381316</pubmed></ref>によれば後期陽性複合の振幅は記憶における相対的熟知度を反映する。 | ||
例えば、記憶実験では学習項目に含まれない新刺激(NEW)は含まれていた旧刺激(OLD)と比較して小さな後期陽性複合を惹起させる。Van Petten et al. | 例えば、記憶実験では学習項目に含まれない新刺激(NEW)は含まれていた旧刺激(OLD)と比較して小さな後期陽性複合を惹起させる。Van Petten et al.<ref><pubmed> 23972089 </pubmed></ref>によれば、この成分は意味やエピソードといった情報を長期記憶から取り出し、[[ワーキングメモリ]]内での情報を統合するのを反映するとされる。この考え方は前述のP300の解釈とよく似ており、後期陽性複合を時間的に遅れて惹起したP300であると捉える考え方である。実際、後期陽性複合は多くの点でP300と共通点を持つ。感情研究においては画像や単語刺激などに対して事象関連電位を計測すると、感情価を含まない刺激と比較して感情価を含む刺激では後期陽性複合振幅は大きくなる。これは、感情価を含む刺激の方が含まない刺激と比較してより多くの注意資源を割り当て、より多くの処理を行うためであるからと考えられる<ref><pubmed>15102130</pubmed></ref>。この解釈でも同様に後期陽性複合をより遅く、そして長く発達したP300であると捉えている。 | ||
一方で、[[言語]]研究では後期陽性複合はよりアクティブな役割が想定され、特に[[統語]] | 一方で、[[言語]]研究では後期陽性複合はよりアクティブな役割が想定され、特に[[統語]]的(文法的)な処理に重要な役割を果たしていると解釈されている<ref><pubmed>16139558 </pubmed></ref>。このように後期陽性複合は統一的な解釈によって説明されるよりもむしろ、その研究分野に合わせて説明されることが多い。従って、後期陽性複合を理解し解釈するためにはその研究分野でどのように解釈されているかを事前に充分調べる必要があるといえるだろう。また、P300と同様、後期陽性複合は多くの成分の複合波であることも考慮に入れる必要がある。 | ||
=== N400 === | === N400 === | ||
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P300やミスマッチ陰性電位は刺激の持つ物理的な逸脱に対して惹起するが、N400では刺激の持つ意味的な逸脱に対して惹起する。 | P300やミスマッチ陰性電位は刺激の持つ物理的な逸脱に対して惹起するが、N400では刺激の持つ意味的な逸脱に対して惹起する。 | ||
Kutas & Hillyard | Kutas & Hillyard<ref><pubmed>7350657</pubmed></ref>は被験者に対して文を構成する7つの単語を1秒間隔で次々に呈示し、(例 It was his first day at work.)その時の事象関連電位を計測した。すると意味的に逸脱した単語を呈示すると(例 He spread the warm bread with socks.)最後の意味的に逸脱した単語に対して刺激提示後400ms近辺で頂点を持つ大きな陰性成分が観察され、この成分はN400と名付けられた。 | ||
N400は意味的逸脱だけでなく世の中に対する一般的な知識における逸脱にも惹起されることが示されている<ref><pubmed>15031438</pubmed></ref>。またこの成分は単語を単独で呈示した際にも観察され、[[反復プライミング]]や[[意味プライミング]]によってその振幅は減少する。このことからN400に関してはいくつかの機能的仮説が提唱されている。ひとつは単語の意味表象に対するアクセスを反映するという仮説と意味的な[[文脈統合]]に関係するという仮説である。しかし、P300と同じようにN400は複数の信号源から発生する複数の成分からなる複合波であり、複数の処理と対応していると考えるのが妥当である。 | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | |||
Squires NK, Squires KC, Hillyard SA. (1975). Two varieties of long-latency positive waves evoked by unpredictable auditory stimuli in man. Electroencephalogr Clin Neurophysiol., 38, 387-401. | Squires NK, Squires KC, Hillyard SA. (1975). Two varieties of long-latency positive waves evoked by unpredictable auditory stimuli in man. Electroencephalogr Clin Neurophysiol., 38, 387-401. | ||