「視覚性トップダウン型注意とボトムアップ型注意」の版間の差分

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==ボトムアップ型注意とトップダウン型注意==
==ボトムアップ型注意とトップダウン型注意==
[[image:topdownbottomup1.png|thumb|300px|'''図1.ボトムアップ型注意とトップダウン型注意''']]
 注意には2種類のメカニズムが存在すると考えられており、刺激検出課題<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Posner, 1980)や視覚探索課題<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref> <ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Egeth and Yantis 1997; Theeuwes, 2010)を用いた研究によって注意メカニズムの性質を考える上で重要な知見が与えられてきた。
 注意には2種類のメカニズムが存在すると考えられており、刺激検出課題<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Posner, 1980)や視覚探索課題<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref> <ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Egeth and Yantis 1997; Theeuwes, 2010)を用いた研究によって注意メカニズムの性質を考える上で重要な知見が与えられてきた。


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==ボトムアップ型注意の神経基盤になると考えられる文脈依存的な周辺抑制==
==ボトムアップ型注意の神経基盤になると考えられる文脈依存的な周辺抑制==
[[image:topdownbottomup2.png|thumb|300px|'''図2.文脈依存的な周辺抑制''']]
[[image:topdownbottomup3.png|thumb|300px|'''図3.刺激特徴に対する注意を用いた行動課題''']]
 V[[1野]]、V[[2野]]、V[[4野]]、MT野などの視覚野では、ニューロンの[[受容野]]内に視覚刺激が呈示されることによって視覚性応答が生じる。通常、受容野外に視覚刺激を単独で呈示しても(受容野の定義から)視覚性応答が生じることはない。しかしながら、受容野内に刺激を呈示しながら、受容野外に別の刺激を同時に呈示すると、受容野外刺激によって視覚性応答が修飾されることが見出されている<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Allman et al., 1985)。新たに見出された周辺の受容野構造と区別するため、従来から報告されていた受容野は古典的受容野(classical receptive field)と呼ばれる。
 V[[1野]]、V[[2野]]、V[[4野]]、MT野などの視覚野では、ニューロンの[[受容野]]内に視覚刺激が呈示されることによって視覚性応答が生じる。通常、受容野外に視覚刺激を単独で呈示しても(受容野の定義から)視覚性応答が生じることはない。しかしながら、受容野内に刺激を呈示しながら、受容野外に別の刺激を同時に呈示すると、受容野外刺激によって視覚性応答が修飾されることが見出されている<ref name=ref><pubmed></pubmed></ref>(Allman et al., 1985)。新たに見出された周辺の受容野構造と区別するため、従来から報告されていた受容野は古典的受容野(classical receptive field)と呼ばれる。


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==ニューロン活動に生じるトップダウン型注意の効果==
==ニューロン活動に生じるトップダウン型注意の効果==
[[image:topdownbottomup4.png|thumb|300px|'''図4.ボトムアップ型注意とトップダウン型注意の相互作用''']]
 視覚性のトップダウン型注意は注意を向けるべき対象が特定の空間位置(spatial attention)、もしくは特定の刺激特徴(feature-based attention)であるかに応じて2種類に大別することができるが、ニューロン活動レベルで初めて明確に示されたのは空間性注意の効果である。
 視覚性のトップダウン型注意は注意を向けるべき対象が特定の空間位置(spatial attention)、もしくは特定の刺激特徴(feature-based attention)であるかに応じて2種類に大別することができるが、ニューロン活動レベルで初めて明確に示されたのは空間性注意の効果である。


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