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Niimiryosuke (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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17行目: | 17行目: | ||
==いろいろな反応時間== | ==いろいろな反応時間== | ||
[[ファイル:RTfprtmt.png|frame|反応時間と運動時間(MT)、先行期間(FP)。運動時間も含めて反応時間と呼ぶこともある。]] | [[ファイル:RTfprtmt.png|frame|'''図1.''' 反応時間と運動時間(MT)、先行期間(FP)。運動時間も含めて反応時間と呼ぶこともある。]] | ||
反応時間測定では、手指ボタン押し反応を用いることが多い。 | 反応時間測定では、手指ボタン押し反応を用いることが多い。 | ||
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</ref> | </ref> | ||
のような動作に比較的時間のかかる反応では、刺激提示から運動開始までを反応時間、 | のような動作に比較的時間のかかる反応では、刺激提示から運動開始までを反応時間、 | ||
運動開始から終了までを運動時間(movement time, | 運動開始から終了までを運動時間(movement time, MT)と呼んで区別することもある(図1)。 | ||
短距離走のスタートのような全身の運動による反応については、全身反応時間(whole body reaction time)と呼ぶ。 | 短距離走のスタートのような全身の運動による反応については、全身反応時間(whole body reaction time)と呼ぶ。 | ||
例えば、刺激が提示されたらできるだけ速く跳び上がらせ(垂直跳び課題)、刺激提示から両足が地を離れるまでの時間として測定する。 | 例えば、刺激が提示されたらできるだけ速く跳び上がらせ(垂直跳び課題)、刺激提示から両足が地を離れるまでの時間として測定する。 | ||
152行目: | 152行目: | ||
===分布の非対称性=== | ===分布の非対称性=== | ||
[[ファイル:RTdistributions.png|thumb | [[ファイル:RTdistributions.png|thumb|360px|'''図2.''' 反応時間の分布と変数変換]] | ||
反応時間の分布は、種々の時間長データと同様、正の歪度を示す非対称形になる(図2)。 | |||
反応の速さには限界がある一方、非常に遅い反応も一定数生じるためである。 | 反応の速さには限界がある一方、非常に遅い反応も一定数生じるためである。 | ||
歪度の大きさは実験内容に大きく依存し、指数分布様の極めて非対称な場合から正規分布様のほぼ対称な場合まで様々である。 | 歪度の大きさは実験内容に大きく依存し、指数分布様の極めて非対称な場合から正規分布様のほぼ対称な場合まで様々である。 | ||
257行目: | 257行目: | ||
===先行期間(foreperiod, FP)=== | ===先行期間(foreperiod, FP)=== | ||
典型的な実験では、まず予告刺激(warning signal)を提示し、数秒程度の先行期間(foreperiod, FP)の後に反応すべき刺激(反応刺激、response | 典型的な実験では、まず予告刺激(warning signal)を提示し、数秒程度の先行期間(foreperiod, FP)の後に反応すべき刺激(反応刺激、response stimulus)を提示する(図1) | ||
<ref name=ITI> | <ref name=ITI> | ||
被験者の反応から次の試行の予告刺激までの間、すなわち、試行と試行の間にも時間間隔がある。こちらはITI(inter-trial interval)と呼ばれる。通常、ITIは一定とする。 | 被験者の反応から次の試行の予告刺激までの間、すなわち、試行と試行の間にも時間間隔がある。こちらはITI(inter-trial interval)と呼ばれる。通常、ITIは一定とする。 | ||
432行目: | 432行目: | ||
===刺激・反応適合性=== | ===刺激・反応適合性=== | ||
[[ファイル:RTcompatibility.png|frame|空間的刺激・反応適合性(spatial S-R compatibility)の例]] | [[ファイル:RTcompatibility.png|frame|'''図3.''' 空間的刺激・反応適合性(spatial S-R compatibility)の例]] | ||
刺激の特性と反応の特性が適合的なときは、非適合的なときより反応が速く正確になる。 | 刺激の特性と反応の特性が適合的なときは、非適合的なときより反応が速く正確になる。 | ||
446行目: | 446行目: | ||
。 | 。 | ||
よく研究されているのは空間的適合性である(図3)。 | |||
例えば右側の刺激に対しては右のボタンで、左の刺激に対しては左のボタンで反応する方が、その逆の組合せよりも速い。 | 例えば右側の刺激に対しては右のボタンで、左の刺激に対しては左のボタンで反応する方が、その逆の組合せよりも速い。 | ||
これは視覚 | これは視覚 | ||
614行目: | 614行目: | ||
==測定と分析の実際== | ==測定と分析の実際== | ||
[[ファイル:RTresponseboxes.jpg|thumb|実験用反応ボタンの例]] | [[ファイル:RTresponseboxes.jpg|thumb|'''図4.''' 実験用反応ボタンの例]] | ||
===器具=== | ===器具=== | ||
628行目: | 628行目: | ||
今日では、コンピュータのキーボードのキー押しを反応とし、コンピュータ内蔵のタイマーでその時間を測定することが多い。 | 今日では、コンピュータのキーボードのキー押しを反応とし、コンピュータ内蔵のタイマーでその時間を測定することが多い。 | ||
簡単なプログラムや既成の実験用ソフトウェアによって測定できる。 | 簡単なプログラムや既成の実験用ソフトウェアによって測定できる。 | ||
高い精度が求められる実験では、専用の反応装置(図4)と刺激提示装置が用いられる。 | |||
口頭反応は、音圧が一定の閾値に達した時か、最初のピークに達した時を反応とする。 | 口頭反応は、音圧が一定の閾値に達した時か、最初のピークに達した時を反応とする。 | ||
651行目: | 651行目: | ||
<ref name=Ratcliff1993 /> | <ref name=Ratcliff1993 /> | ||
。 | 。 | ||
変数変換には、対数変換や逆数変換が用いられる(図2)。 | |||
反応時間の逆数は反応速度の指標とみなすことができる。 | 反応時間の逆数は反応速度の指標とみなすことができる。 | ||
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