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気づき

149 バイト除去, 2017年2月16日 (木) 16:38
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<font size="+1">[http://researchmap.jp/masatoshiyoshida 吉田 正俊]</font><br>
''生理学研究所 発達生理学研究系・認知行動発達研究部門''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年2月27日 原稿完成日:2016年月日 原稿受付日:2013年2月27日 原稿完成日:2016年2月15日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/keijitanaka 田中 啓治](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
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英語名:awareness
類語・同義語:意識、consciousness類語・同義語:意識、アウェアネス、consciousness
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 なにか対象に気づいている、という意味での「気づき」を心理学的に研究するためには、気づきと知覚情報処理とが乖離する現象を取り扱うのが一つのストラテジーである。以下、[[視覚]]心理学での知見を紹介するが、同様な現象は他の感覚、たとえば[[聴覚]]、[[触覚]]などでも見られる。
 たとえば、閾下知覚(implicit perception)では、気づきがまったく見られないのにも関わらず、刺激情報を処理している。閾下知覚の例の一つとして、マスクによるでは、気づきがまったく見られないのにも関わらず、刺激情報を処理している。閾下知覚は、マスクによって気づきが抑えられた刺激が[[プライミング効果]]を持つこと(masked priming)<ref><pubmed> 6617135 </pubmed></ref><ref><pubmed> 6617135 </pubmed></ref>が知られる。などで示されている。
 また、知覚的には非常に[[サリエンシー]]が高いものかなかな気づくことが出来ないという現象として、が高い刺激になかなか気づくことが出来ないという現象として、[[変化盲]](Change blindness)<ref><pubmed> 15639436 </pubmed></ref>や[[不注意盲]](Inattentional blindness)<ref><pubmed> 10694957 </pubmed></ref>(いわゆる「(不注意盲の例として「[[バスケット・コートのゴリラ]]」(動画1))などが知られている。
 また、物理的にはまったく同一の刺激に対して、あるときは気づくがあるときは気づかない、という条件を誘導することが可能である<ref><pubmed> 16006172 </pubmed></ref>。このような条件を誘導するためには大きく分けて二つの方法がある。
==脳内メカニズム ==
 上記の「気づきの視覚心理学」での知見は脳内メカニズムの解明にも活用された。たとえば、上述の意味的プライミング効果(semantic priming)を用いることで、文字刺激の気づきの有無が脳内のさまざまな領域の活動を変えることが明らかになっている 上記の「気づきの視覚心理学」での知見は脳内メカニズムの解明にも活用された。このため、上記の多重安定性の知覚および閾値近辺での知覚の条件を用いて、ある刺激に気づいているときと気づいていないときとの違いに対応した脳内活動を検出するという試みが数多く為されてきた。たとえば、多重安定性の知覚についての機能イメージングについてはGeraint Reesらの総説でまとめられている<ref><pubmed> 9783584 19540794 </pubmed></ref>。閾値近辺での知覚については、たとえばHeegerらによる初期視覚野の応答についての機能イメージングの仕事がある<ref><pubmed> 11426233 12627164 </pubmed></ref>。
 上記の多重安定性の知覚および閾値近辺での知覚の条件を用いて、ある刺激に気づいているときと気づいていないときとの違いに対応した脳内活動を検出するという試みが数多く為されてきた。たとえば、多重安定性の知覚についての機能イメージングについてはGeraint Reesらの総説でまとめられている<ref><pubmed> 19540794 </pubmed></ref>。閾値近辺での知覚については、たとえばHeegerらによる初期視覚野の応答についての機能イメージングの仕事がある<ref><pubmed> 12627164 </pubmed></ref>。  動物を用いた実験で単一神経活動記録を用いてこのような気づきの神経相関を見つけ出した仕事も複数ある。 動物を用いた実験で単一神経活動記録を用いてこのような気づきの神経相関を見つけ出した仕事も複数ある。その主な結果をまとめると、
* 両眼視野闘争の条件を用いて、動物が左右の眼どちらに提示したものが見えているかを報告させる課題を行っているときに[[側頭連合野]]からの神経活動を記録すると、神経活動は何が見えているかに対応して活動を変える<ref><pubmed> 9096407 </pubmed></ref>。
* [[第一次視覚野]]のニューロンの集団活動は、検出課題の成功(気づきがある)と失敗(気づきがない)とによって、視覚応答の比較的遅い成分(潜時が100 ms以上のもの)に違いが見られる<ref><pubmed> 11224548 </pubmed></ref>。
* マスクによるプライミングを用いた課題によって、マスクにより刺激を気づきの閾値ぎりぎりにおく実験手法を用いた課題によって、[[前頭眼野]]([[frontal eye field]]: [[FEF]])の応答が、検出課題に失敗した試行のニューロンの応答が、検出課題に失敗した試行(気づきがない)では検出課題の成功した試行(気づきがある)と比べて活動が低下する<ref><pubmed> 10195223 </pubmed></ref>。
* 閾値近辺の触覚弁別課題において、内側[[運動前野]]の応答が、検出課題に失敗した試行(気づきがない)では検出課題の成功した試行(気づきがある)と比べて活動が低下する一方で、初期[[体性感覚野]]ではそのような差が見られない<ref><pubmed> 16286929 </pubmed></ref>。

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