「両眼視野闘争」の版間の差分

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===両眼視野闘争などによる無意識の研究===
===両眼視野闘争などによる無意識の研究===
両眼視野闘争などは、無意識の視覚処理の研究にも使われている。例えば、ある一定の光(太陽など)を数秒以上見つめ続けたあとに白い壁などに目を向けると、その刺激の残像(afterimage)が見える。連続フラッシュ抑制を用いて、残像をつくり出す刺激を一切意識にのぼらせなくても残像は生じる。これは、網膜のレベルで残像が生じており、網膜レベルのプロセスが意識の内容には関係がないからである。ただし、残像を誘発する刺激がフラッシュ抑制等によって意識的に知覚されなかった場合は、その強度が弱まる<ref name=ref28 /><ref><pubmed>16537384 </pubmed></ref>。このような研究は他の残効(aftereffect)に関しても行われている<ref>'''R Blake, S He'''<br>Visual adaptation as a tool for studying the neural correlates of conscious visual awareness.</br>  ''In C. Clifford & G. Rhodes (Eds.), Fitting the mind to the world (pp.281-307). Oxford University Press.'': 2005</ref>。網膜で生じる残像とは異なり、顔残効などの高次の視覚処理メカニズムが重要だと考えられているような残効{ Leopold et al., 2001}では、残効を及ぼす顔が意識的に知覚されない場合には消失する[46,47]。このほかにも、運動による位置ずれ[48]、運動残効[49]、傾き残効[50]、誘導運動[51]、Craik-O’Brien-Cornsweet錯視[52]などといった錯視現象と意識的知覚の関連が調べられている。
両眼視野闘争などは、無意識の視覚処理の研究にも使われている。例えば、ある一定の光(太陽など)を数秒以上見つめ続けたあとに白い壁などに目を向けると、その刺激の残像(afterimage)が見える。連続フラッシュ抑制を用いて、残像をつくり出す刺激を一切意識にのぼらせなくても残像は生じる。これは、網膜のレベルで残像が生じており、網膜レベルのプロセスが意識の内容には関係がないからである。ただし、残像を誘発する刺激がフラッシュ抑制等によって意識的に知覚されなかった場合は、その強度が弱まる<ref name=ref28 /><ref><pubmed>16537384 </pubmed></ref>。このような研究は他の残効(aftereffect)に関しても行われている<ref>'''R Blake, S He'''<br>Visual adaptation as a tool for studying the neural correlates of conscious visual awareness.<br>  ''In C. Clifford & G. Rhodes (Eds.), Fitting the mind to the world (pp.281-307). Oxford University Press.'': 2005</ref>。網膜で生じる残像とは異なり、顔残効などの高次の視覚処理メカニズムが重要だと考えられているような残効<ref><pubmed>11135650</pubmed></ref>では、残効を及ぼす顔が意識的に知覚されない場合には消失する<ref><pubmed>15629711</pubmed></ref><ref><pubmed>21047756</pubmed></ref>。このほかにも、運動による位置ずれ<ref><pubmed>16022879</pubmed></ref>、運動残効<ref><pubmed>18831601</pubmed></ref>、傾き残効<ref><pubmed>17141615</pubmed></ref>、誘導運動<ref><pubmed>19185516</pubmed></ref>、Craik-O’Brien-Cornsweet錯視<ref><pubmed>22059072</pubmed></ref>などといった錯視現象と意識的知覚の関連が調べられている。


===注意による両眼視野闘争のコントロール===
===注意による両眼視野闘争のコントロール===
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