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ヒスタミンは、1907年に[[wj:アドルフ・ヴィンダウス|Windaus]]とVogtによって化学的に合成された<ref>'''Windaus A, Vogt W'''<br>Synthese des Imidazolyl-athylamins.<br>''Ber. Dtsch. Chem. Gess: 1907, 40:3691–3695''</ref>[1]。その後、[[wj:ヘンリー・ハレット・デール|Dale]]らにより様々な生理作用を持つことが示されたが、ようやく1927年になって、[[哺乳動物]]の種々の組織に含まれることが明らかにされ<ref><pubmed>16993860</pubmed></ref>[2]、実際に生体内で働いている物質であることが判った。[[ヒスチジン]]由来の[[アミン]]という意味でヒスタミンと命名されたが<ref><pubmed>16993411</pubmed></ref>[3]、組織(histos)由来のアミンから命名されたという説明もある(Goodman-Gilmanの教科書<ref>'''Brunton LL ed.'''<br>Goodman & Gilman's the pharmacological basis of therapeutics, 12th edition<br>''McGraw-Hill Medical: 2011''</ref>[4])。 | ヒスタミンは、1907年に[[wj:アドルフ・ヴィンダウス|Windaus]]とVogtによって化学的に合成された<ref>'''Windaus A, Vogt W'''<br>Synthese des Imidazolyl-athylamins.<br>''Ber. Dtsch. Chem. Gess: 1907, 40:3691–3695''</ref>[1]。その後、[[wj:ヘンリー・ハレット・デール|Dale]]らにより様々な生理作用を持つことが示されたが、ようやく1927年になって、[[哺乳動物]]の種々の組織に含まれることが明らかにされ<ref><pubmed>16993860</pubmed></ref>[2]、実際に生体内で働いている物質であることが判った。[[ヒスチジン]]由来の[[アミン]]という意味でヒスタミンと命名されたが<ref><pubmed>16993411</pubmed></ref>[3]、組織(histos)由来のアミンから命名されたという説明もある(Goodman-Gilmanの教科書<ref>'''Brunton LL ed.'''<br>Goodman & Gilman's the pharmacological basis of therapeutics, 12th edition<br>''McGraw-Hill Medical: 2011''</ref>[4])。 | ||
== | == 生合成 == | ||
[[ファイル:Histidine decarboxylase.svg|サムネイル|'''図1. ヒスタミン生合成''']] | [[ファイル:Histidine decarboxylase.svg|サムネイル|'''図1. ヒスタミン生合成''']] | ||
[[イミダゾール骨格]]に[[エチルアミン]]の側鎖を有する構造である。[[ | [[イミダゾール骨格]]に[[エチルアミン]]の側鎖を有する構造である。[[哺乳動物]]のほとんどすべての組織に含まれる。[[アミノ酸]]であるL-ヒスチジンから、[[L-ヒスチジン脱炭酸酵素]](L-histidine decarboxylase: HDC)による脱炭酸反応により生合成される。 | ||
ヒスタミンは、[[細菌]]、すなわち海洋性ヒスタミン産生菌及び腸内ヒスタミン産生菌でも、ヒスチジンからHDCにより合成される。魚を食べた時に、魚肉中で繁殖した細菌により合成されたヒスタミンを体内に取り込み食中毒(じんましん等)を起こすことがある。ヒスタミンは一般には腸管から吸収される量は少ないものの、一部は吸収されることによる。 | ヒスタミンは、[[細菌]]、すなわち海洋性ヒスタミン産生菌及び腸内ヒスタミン産生菌でも、ヒスチジンからHDCにより合成される。魚を食べた時に、魚肉中で繁殖した細菌により合成されたヒスタミンを体内に取り込み食中毒(じんましん等)を起こすことがある。ヒスタミンは一般には腸管から吸収される量は少ないものの、一部は吸収されることによる。 |