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Tomomi Shimogori (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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[[ファイル:ShimogoriFig1.png|200px|サムネイル| '''図1. バレル皮質''' <br>'''A.'''マウスの鼻口部の写真。ヒゲの並び方は統一されており、A-E列と名前が付けられている。<br>'''B.''' バレル皮質をチトクロームオキシダーゼ染色により可視化したもの。鼻口部でのヒゲの並びに対応したパターンが見られる。]] | [[ファイル:ShimogoriFig1.png|200px|サムネイル| '''図1. バレル皮質''' <br>'''A.'''マウスの鼻口部の写真。ヒゲの並び方は統一されており、A-E列と名前が付けられている。<br>'''B.''' バレル皮質をチトクロームオキシダーゼ染色により可視化したもの。鼻口部でのヒゲの並びに対応したパターンが見られる。]] | ||
[[ラット]]や[[マウス]]などの[[齧歯類]]の顔面に生える太いヒゲからの[[体性感覚]]入力は、[[三叉神経]]の[[神経節]]細胞>[[三叉神経核]]>[[視床]]の[[腹後内側核]]>視床の腹後内側核を経て大脳皮質第一次体性感覚野の第IV層に到達する。個々のヒゲの入力は脳内で混在しないように顔のヒゲの分布パターンを維持したまま大脳皮質体性感覚野の第IV層に入力し、1本1本のヒゲ([[洞毛]] | [[ラット]]や[[マウス]]などの[[齧歯類]]の顔面に生える太いヒゲからの[[体性感覚]]入力は、[[三叉神経]]の[[神経節]]細胞>[[三叉神経核]]>[[視床]]の[[腹後内側核]]>視床の腹後内側核を経て大脳皮質第一次体性感覚野の第IV層に到達する。個々のヒゲの入力は脳内で混在しないように顔のヒゲの分布パターンを維持したまま大脳皮質体性感覚野の第IV層に入力し、1本1本のヒゲ([[洞毛]])からの入力を処理するバレル(樽構造、barrel)と呼ばれる単位構造(モジュール構造)を持つ。バレルは細胞密度が高いことなどから簡単な組織学的染色で可視化することができ、顔面のヒゲの分布と同じ空間パターンでバレルが体性感覚野内に分布している領域をバレル皮質 (barrel cortex)と呼ぶ。('''図1''') | ||
== 形態学的特徴 == | == 形態学的特徴 == | ||
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[[ニッスル染色]]などの通常の組織学的手法や様々な組織化学的手法([[チトクローム酸化酵素]] (cytochrome oxidase))、[[コハク酸脱水素酵素]](succinate dehydrogenase)によって、可視化することができる。細胞密度が高いバレルにはヒゲからの入力を担う[[軸索]]が視床の後腹側核から束を作った状態で大脳皮質IV層に終止する。その周りに[[有棘星状細胞]] (spiny stellate 細胞)が主に取り囲むように集まり、視床軸索とできるだけ多くシナプス結合ができるように、バレル内部(hollow, ホロー)に向けて樹状突起を伸ばす。('''図2''')。 | [[ニッスル染色]]などの通常の組織学的手法や様々な組織化学的手法([[チトクローム酸化酵素]] (cytochrome oxidase))、[[コハク酸脱水素酵素]](succinate dehydrogenase)によって、可視化することができる。細胞密度が高いバレルにはヒゲからの入力を担う[[軸索]]が視床の後腹側核から束を作った状態で大脳皮質IV層に終止する。その周りに[[有棘星状細胞]] (spiny stellate 細胞)が主に取り囲むように集まり、視床軸索とできるだけ多くシナプス結合ができるように、バレル内部(hollow, ホロー)に向けて樹状突起を伸ばす。('''図2''')。 | ||
隣あったバレルの間には小さなスペースがあり、セプタと呼ばれる。セプタには[[尖端樹状突起]] (apical dendrite)を持つ[[錐体細胞]]が主に存在し、視床の後腹側核由来の軸索とはシナプス結合しない。 | |||
バレル皮質内にはさらに尖端樹状突起の発達が乏しい星状錐体細胞が存在し、有棘星状細胞: 58%, 星状錐体細胞 (25%), 錐体細胞 (17%)の割合で分布している<ref><pubmed>15054049</pubmed></ref>。 | バレル皮質内にはさらに尖端樹状突起の発達が乏しい星状錐体細胞が存在し、有棘星状細胞: 58%, 星状錐体細胞 (25%), 錐体細胞 (17%)の割合で分布している<ref><pubmed>15054049</pubmed></ref>。 |
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