「In situハイブリダイゼーション法」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
The LinkTitles extension automatically added links to existing pages (https://github.com/bovender/LinkTitles).
(The LinkTitles extension automatically added links to existing pages (https://github.com/bovender/LinkTitles).)
1行目: 1行目:
<div align="right">   
<div align="right">   
<font size="+1">[http://researchmap.jp/ohuchihideyo 大内 淑代]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/ohuchihideyo 大内 淑代]</font><[[br]]>
''岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科細胞組織学分野''<br>
''岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科細胞組織学分野''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年7月12日 原稿完成日:2013年3月25日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年7月12日 原稿完成日:2013年3月25日<br>
28行目: 28行目:
=== 組織の固定 ===
=== 組織の固定 ===


 ISH法では細胞が死んだ状態でmRNAを検出する。細胞が死んでしまうと、mRNAは急速に分解され消滅してしまう。そのため、''in situ''ハイブリダイゼーション法を用いる場合は、細胞内のmRNAの分解を防ぎ、できるだけ生きていた状態を維持しておく必要がある。細胞や組織などをなるべく自然の状態に保存することを[[wikipedia:ja:固定|固定]]とよんでいるが、''in situ''ハイブリダイゼーション法の場合はmRNAの固定が非常に重要である。''In situ''ハイブリダイゼーション法では、用時調製した4%[[wikipedia:ja:パラホルムアルデヒド|パラホルムアルデヒド]]液を用いて[[wikipedia:ja:還流固定|還流固定]]し、[[wikipedia:ja:臓器|臓器]]等を取り出して短時間、低温でさらに[[wikipedia:ja:浸漬固定|浸漬固定]]することが多い。新鮮迅速凍結切片を用いてISHを行うこともある。組織切片はスライドガラスに貼付けたもの、あるいは浮遊切片<ref><pubmed> 21037591</pubmed></ref>を用いる。
 ISH法では細胞が死んだ状態でmRNAを検出する。細胞が死んでしまうと、mRNAは急速に分解され消滅してしまう。そのため、''in situ''ハイブリダイゼーション法を用いる場合は、細胞内のmRNAの分解を防ぎ、できるだけ生きていた状態を維持しておく必要がある。細胞や組織などをなるべく自然の状態に保存することを[[wikipedia:ja:固定|固定]]とよんでいるが、''in situ''ハイブリダイゼーション法の場合はmRNAの固定が非常に重要である。''In situ''ハイブリダイゼーション法では、用時調製した4%[[wikipedia:ja:パラホルムアルデヒド|パラホルムアルデヒド]]液を用いて[[wikipedia:ja:還流固定|還流固定]]し、[[wikipedia:ja:臓器|臓器]]等を取り出して短時間、低温でさらに[[wikipedia:ja:浸漬固定|浸漬固定]]することが多い。新鮮迅速凍結切片を用いてISHを行うこともある。組織切片はスライドガラスに貼付けたもの、あるいは浮遊[[切片]]<ref><[[pubmed]]> 21037591</pubmed></ref>を用いる。


=== 前処理 ===
=== 前処理 ===
90行目: 90行目:
== ISHデータベース ==
== ISHデータベース ==


 Allen Brain Atlasは、[[wikipedia:ja:マイクロソフト社|マイクロソフト社]]創設者の一人である[[wikipedia:Paul G. Allen|Paul G. Allen]]の出資によって2003年に設立された[[wikipedia:ja:Allen Institute for Brain Science|Allen Institute for Brain Science]]のISHデータベースである。2006年12月発表のNature の記事によると、まず約2万の遺伝子のマウス成体脳における組織切片ISHのデータが公開された<ref><pubmed>    17151600</pubmed></ref>。現在、[[マウス]][[脳]]に加えて、[[wikipedia:ja:ヒト脳|ヒト脳]]、発生期マウス脳、発生期ヒト脳、マウス脳神経回路、ヒト以外の[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]脳、マウス[[脊髄]]、ヒト[[神経膠芽腫]]に関するISHデータベースが公開されている。
 Allen Brain Atlasは、[[wikipedia:ja:マイクロソフト社|マイクロソフト社]]創設者の一人である[[wikipedia:Paul G. Allen|Paul G. Allen]]の出資によって2003年に設立された[[wikipedia:ja:Allen Institute for Brain Science|Allen Institute for Brain Science]]のISHデータベースである。2006年12月発表のNature の記事によると、まず約2万の遺伝子のマウス成体脳における組織切片ISHのデータが公開された<ref><pubmed>    17151600</pubmed></ref>。現在、[[マウス]][[脳]]に加えて、[[wikipedia:ja:ヒト脳|ヒト脳]]、発生期マウス脳、発生期ヒト脳、マウス脳神経回路、ヒト以外の[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]脳、マウス[[脊髄]]、[[ヒト]][[神経膠芽腫]]に関するISHデータベースが公開されている。


==関連項目==
==関連項目==

案内メニュー