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=====''[[腹側運動前野|F5]]と[[空間知覚|AIP]]''===== | =====''[[腹側運動前野|F5]]と[[空間知覚|AIP]]''===== | ||
F5とAIPではこれまで把持運動の物体の形やそれを把持するときの手の形に選択性を持つニューロンが見つかっており、主に把持運動の制御に関わる。近年、それらのニューロンの中に注視点の位置やターゲットの視線をもとにした位置に影響を受けるニューロンが見つかっている(Lehmann & Scherberger, 2013)。また、AIPでは物体内のターゲットの相対位置によって(例えば物体の中のスイッチの位置)、反応が異なるニューロンも見つかっていて、物体中心座標系おけるターゲットの位置の情報も持っている(Murata et al., 2016)。 | F5とAIPではこれまで把持運動の物体の形やそれを把持するときの手の形に選択性を持つニューロンが見つかっており、主に把持運動の制御に関わる。近年、それらのニューロンの中に注視点の位置やターゲットの視線をもとにした位置に影響を受けるニューロンが見つかっている(Lehmann & Scherberger, 2013)。また、AIPでは物体内のターゲットの相対位置によって(例えば物体の中のスイッチの位置)、反応が異なるニューロンも見つかっていて、物体中心座標系おけるターゲットの位置の情報も持っている(Murata et al., 2016)。 | ||
====[[一次運動野]]==== | |||
到達運動に関して一次運動野のニューロン活動は、力(Evarts, 1968)、運動や力の方向(Schwartz et al., 1988)(Taira et al., 1996)、速度(Moran & Schwartz, 1999)、空間座標内での関節の動きの方向(Kakei et al., 2011)など、いくつかの運動のパラメーターに相関を持つことが複数の研究で示されている。 | |||
一方で、体性感覚刺激に対しても反応することがわかっており、単関節あるいは複数の関節の受動的な動きに時反応する(Pruszynski et al., 2011)。特に遠位の手では、関節の受動的な動きとともに、皮膚に対する触覚刺激にも反応することが知られている。これらの反応潜時は、一次体性感覚野よりもわずかに遅い程度であり(Wolpaw, 2017)、Scottらは、一次運動野が体性感覚情報に基づくオンラインの運動制御に関わっており、最適フィードバック制御モデルを適応できると考えている(Scott, 2004)。 | |||
===[[小脳]]=== | |||
小脳は、運動学習に重要な役割をする。到達運動のプリズム適応は、小脳に障害があると適応が起こらない。Kitazawa らは、プリズムをかけて到達運動をした結果生じた目標との誤差の情報が、登上線維によるプルキンエ細胞に発生する複雑スパイクに表現されていることを明らかにした。つまり、運動の結果のエラーが登上線維によって、小脳皮質に入力されることを示した。一方、平行線維による単純スパイクは運動制御の信号が表現されている。眼球運動においては、小脳の単純スパイクが、逆モデルとしての小脳の役割を反映していると考えられている(Kawato, M., 1999)が、上肢運動においては順モデルとしての役割を反映しているという考えもある(Ishikawa et al., 2016)。 |
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