「到達運動」の版間の差分

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大脳基底核の障害は、筋緊張の異常をもたらし、さまざまな不随意運動を誘発する。神経生理学的な研究と合わせて、大脳基底核は、抑制・脱抑制のメカニズムによって、必要な運動と不必要な運動を切り分け、運動発現のタイミングの制御に関わっていると考えられている。大脳基底核は強化学習に関与することも明らかになっている。到達運動のプリズム適応や学習には、小脳の教師あり学習だけでなく、強化学習を組み込んだモデルも考えられている(Sakaguchi et al., 2001)(Izawa et al., 2004)。
大脳基底核の障害は、筋緊張の異常をもたらし、さまざまな不随意運動を誘発する。神経生理学的な研究と合わせて、大脳基底核は、抑制・脱抑制のメカニズムによって、必要な運動と不必要な運動を切り分け、運動発現のタイミングの制御に関わっていると考えられている。大脳基底核は強化学習に関与することも明らかになっている。到達運動のプリズム適応や学習には、小脳の教師あり学習だけでなく、強化学習を組み込んだモデルも考えられている(Sakaguchi et al., 2001)(Izawa et al., 2004)。


==脳損傷による到達運動の障害==
===脳損傷による到達運動の障害===
===[[視覚性運動失調]](Optic ataxia)===
====[[視覚性運動失調]](Optic ataxia)====
注視下の物体へうまく手を到達させることができないoptiche Ataxiaと、周辺視野への到達障害であるataxie optiqueがある。いずれも上頭頂小葉の損傷で起こると考えられている
注視下の物体へうまく手を到達させることができないoptiche Ataxiaと、周辺視野への到達障害であるataxie optiqueがある。いずれも上頭頂小葉の損傷で起こると考えられている


===[[小脳|推尺異常(dysmetria)]]===
====[[小脳|推尺異常(dysmetria)]]====
到達運動の際に、目標点に達しないhypometriaと通り過ぎてしまうhypermetriaがある。
到達運動の際に、目標点に達しないhypometriaと通り過ぎてしまうhypermetriaがある。


===[[小脳|企図振戦(intention tremor)]]===
====[[小脳|企図振戦(intention tremor)]]====
到達運動など、随意的に運動している場合に軌道に震えが生じる。目標点に近づくにしたがって著明になる。
到達運動など、随意的に運動している場合に軌道に震えが生じる。目標点に近づくにしたがって著明になる。


測定障害も企図振戦も小脳の障害で起こる。
測定障害も企図振戦も小脳の障害で起こる。
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