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[[Image:ゲノム図2.png|thumb|right|400px|'''図2. ゲノム編集に用いられる部位特異的ヌクレアーゼの構造'''<br>'''A.''' ZFN<br />'''B.''' TALEN<br />'''C.'''CRISPR/ | [[Image:ゲノム図2.png|thumb|right|400px|'''図2. ゲノム編集に用いられる部位特異的ヌクレアーゼの構造'''<br>'''A.''' ZFN<br />'''B.''' TALEN<br />'''C.''' CRISPR/Cas9]] | ||
ゲノム編集にとって最も重要なステップは、ゲノム上の狙った塩基配列にDNA二本鎖切断を導入することである。そのために、[[zinc-finger nuclease]] ([[ZFN]])、[[transcription activator-like effector nuclease]] ([[TALEN]])、[[clustered regularly interspaced short palindromic repeats]] ([[CRISPR]])/[[CRISPR-associated proteins]] ([[Cas]]) [[CRISPR]]/[[Cas9]]、以下[[CRISPR/Cas]]と略)などの部位特異的[[wj:ヌクレアーゼ|ヌクレアーゼ]]を用いる('''図2''')。 | ゲノム編集にとって最も重要なステップは、ゲノム上の狙った塩基配列にDNA二本鎖切断を導入することである。そのために、[[zinc-finger nuclease]] ([[ZFN]])、[[transcription activator-like effector nuclease]] ([[TALEN]])、[[clustered regularly interspaced short palindromic repeats]] ([[CRISPR]])/[[CRISPR-associated proteins]] ([[Cas]]) [[CRISPR]]/[[Cas9]]、以下[[CRISPR/Cas]]と略)などの部位特異的[[wj:ヌクレアーゼ|ヌクレアーゼ]]を用いる('''図2''')。 | ||
1996年に報告されたZFNと2010年に報告されたTALENは、DNA二本鎖切断活性を持つ[[FokI]]ヌクレアーゼにDNA結合タンパク質のDNA結合ドメインを融合した一対の人工ヌクレアーゼを用い、狙った標的部位にDNA二本鎖切断を導入する。 | 1996年に報告されたZFNと2010年に報告されたTALENは、DNA二本鎖切断活性を持つ[[FokI]]ヌクレアーゼにDNA結合タンパク質のDNA結合ドメインを融合した一対の人工ヌクレアーゼを用い、狙った標的部位にDNA二本鎖切断を導入する。 | ||
==== ZFN ==== | |||
第一世代のZFNは、DNA結合ドメインとしてzinc fingerを持つ人工ヌクレアーゼで、1つのzinc fingerは3塩基を認識するので、3〜6個のzinc fingerを持つZFNは9〜18 base pair (bp)に特異的に結合し、一対で18〜36 bpの特異性でDNA二本鎖切断を導入する。 | 第一世代のZFNは、DNA結合ドメインとしてzinc fingerを持つ人工ヌクレアーゼで、1つのzinc fingerは3塩基を認識するので、3〜6個のzinc fingerを持つZFNは9〜18 base pair (bp)に特異的に結合し、一対で18〜36 bpの特異性でDNA二本鎖切断を導入する。 | ||
==== TALEN ==== | |||
第二世代のTALENは、DNA結合ドメインとして植物病原細菌の[[wj:キサントモナス属|''Xanthomonas''属]]が有するTALEを持つ人工ヌクレアーゼである。TALEのDNA結合ドメインは、1塩基を認識する34個のアミノ酸が一単位となり、それを15〜20単位持つTALENをセンス鎖、アンチセンス鎖それぞれに作製し、狙った標的部位にDNA二本鎖切断を導入する。 | 第二世代のTALENは、DNA結合ドメインとして植物病原細菌の[[wj:キサントモナス属|''Xanthomonas''属]]が有するTALEを持つ人工ヌクレアーゼである。TALEのDNA結合ドメインは、1塩基を認識する34個のアミノ酸が一単位となり、それを15〜20単位持つTALENをセンス鎖、アンチセンス鎖それぞれに作製し、狙った標的部位にDNA二本鎖切断を導入する。 | ||
==== CRISPR/Cas ==== | |||
第三世代のCRISPR/Casは、単独でDNA二本鎖切断活性を持つCasヌクレアーゼと標的配列特異的一本鎖ガイドRNAとの複合体を用い、狙った塩基配列にDNA二本鎖切断を導入する。 | 第三世代のCRISPR/Casは、単独でDNA二本鎖切断活性を持つCasヌクレアーゼと標的配列特異的一本鎖ガイドRNAとの複合体を用い、狙った塩基配列にDNA二本鎖切断を導入する。 | ||