「SYNGAP1関連知的障害」の版間の差分

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 根本的な治療のために、さまざまなアプローチが検討されている。
 根本的な治療のために、さまざまなアプローチが検討されている。


 対処療法として、てんかんのコントロールには、抗けいれん薬でカンナビジオールであるエピディオレクスが良いとされているが、本邦では未承認である<ref group=脚注>現状では、大麻取締法第4条第1項が、何人にも「大麻」から製造された医薬品の使用、施用を禁じている。ただし、同法のもとで使用を規定される「大麻研究者」である医師のもと、厚生労働大臣の許可を受けて輸入したエピディオレクスを治験の対象とされる薬物として、国内の患者に用いるということは可能である(治験は適切な実施計画に基づき、その計画で定められた対象の患者に限って実施されるということ、また実施計画が届けられた際には内容をしっかり確認する必要がある)との厚生労働省見解がある( [http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/198/0020/19803190020003.pdf, PDF ページ10, 2-3段目])。</ref>。
 対処療法として、てんかんのコントロールには、抗けいれん薬でカンナビジオールであるエピディオレクスが良いとされているが、本邦では未承認である<ref group=脚注>現状では、大麻取締法第4条第1項が、何人にも「大麻」から製造された医薬品の使用、施用を禁じている。ただし、同法のもとで使用を規定される「大麻研究者」である医師のもと、厚生労働大臣の許可を受けて輸入したエピディオレクスを治験の対象とされる薬物として、国内の患者に用いるということは可能である(治験は適切な実施計画に基づき、その計画で定められた対象の患者に限って実施されるということ、また実施計画が届けられた際には内容をしっかり確認する必要がある)との厚生労働省見解がある( [http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/198/0020/19803190020003.pdf PDF ページ10, 2-3段目])。</ref>。


 他の抗けいれん薬である(欠神発作、強直性間代発作両方に有用な)ラモトリギン、バルプロ酸ナトリウム、クロバザム、クロナゼパムなどの投与でコントロールできる症例も多い(約50%)とされている<ref group=脚注>MRD5へのAED使用のガイドラインは未確立であり、基本的にはてんかんの型に応じたAEDを投与する。</ref>。残りは、薬剤抵抗性とされる。エトスクシミド、ペランパネルは症例数が少なく結論は出ていないが、単剤投与では無効例が多い<ref name=Jimenez-Gomez2019><pubmed>31395010</pubmed></ref> 。知的障害の予後は、てんかんがコントロールできなかった期間に反比例することが多いとされていることからも<ref name=Liu2003><pubmed>12601699</pubmed></ref> 、早期に有用な抗けいれん薬の承認が期待される。
 他の抗けいれん薬である(欠神発作、強直性間代発作両方に有用な)ラモトリギン、バルプロ酸ナトリウム、クロバザム、クロナゼパムなどの投与でコントロールできる症例も多い(約50%)とされている<ref group=脚注>MRD5へのAED使用のガイドラインは未確立であり、基本的にはてんかんの型に応じたAEDを投与する。</ref>。残りは、薬剤抵抗性とされる。エトスクシミド、ペランパネルは症例数が少なく結論は出ていないが、単剤投与では無効例が多い<ref name=Jimenez-Gomez2019><pubmed>31395010</pubmed></ref> 。知的障害の予後は、てんかんがコントロールできなかった期間に反比例することが多いとされていることからも<ref name=Liu2003><pubmed>12601699</pubmed></ref> 、早期に有用な抗けいれん薬の承認が期待される。

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