「反応時間」の版間の差分

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特に、ヒトが何らかの知覚・認知課題を遂行する際の、随意的行動による反応について言う(例えば、ランプが点灯したらすぐボタンを押す)。
特に、ヒトが何らかの知覚・認知課題を遂行する際の、随意的行動による反応について言う(例えば、ランプが点灯したらすぐボタンを押す)。
類義語に潜時(latency)があるが、これは反応時間より広い概念で、ヒト以外の動物の反応や、
類義語に潜時(latency)があるが、これは反応時間より広い概念で、ヒト以外の動物の反応や、
行動ではなく生理現象として観察される反応についても言う(例えば、視覚刺激提示から視覚[[誘発電位]]が生じるまでの時間)。
行動ではなく生理指標として観察される反応についても言う(例えば、視覚刺激提示から視覚[[誘発電位]]が生じるまでの時間)。
ここでは、ヒトの行動実験における反応時間について概説する。
ここでは、ヒトの行動実験における反応時間について概説する。


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ただし、運動時間も含めて反応時間と呼ぶこともある。]]
ただし、運動時間も含めて反応時間と呼ぶこともある。]]


反応時間測定では、手指ボタン押し反応を用いることが多い。
反応時間測定では、手指ボタン押し反応のほか、
足のペダル押し、発声、[[眼球運動]]なども用いられる<ref>[[眼球運動]]の場合には反応時間ではなく潜時と呼ぶことが多い。</ref>。
足のペダル押し、発声、[[眼球運動]]なども用いられる
<ref>[[眼球運動]]の場合には反応時間ではなく潜時と呼ぶことが多い。</ref>
リーチング
リーチング
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のような動作に比較的時間のかかる反応では、刺激提示から運動開始までを反応時間、
のような動作に比較的時間のかかる反応では、刺激提示から運動開始までを反応時間、
運動開始から終了までを運動時間(movement time, MT)と呼んで区別することもある(図1)。
運動開始から終了までを運動時間(movement time, MT)と呼んで区別することもある(図1)。
短距離走のスタートのような全身の運動による反応については、全身反応時間(whole body reaction time)と呼ぶ。
短距離走のスタートのような全身運動による反応については、全身反応時間(whole body reaction time)と呼ぶ。
例えば、刺激が提示されたらできるだけ速く跳び上がらせ(垂直跳び課題)、刺激提示から両足が地を離れるまでの時間として測定する。
例えば、刺激が提示されたらできるだけ速く跳び上がらせ(垂直跳び課題)、両足が地を離れるまでの時間として測定する。
 
ただし、単純な反応動作でも多数の筋肉が関与するものである。
ただし、単純な反応動作でも多数の筋肉が関与するものである。
[[EMG]]で筋肉の運動潜時を調べると、反応時間と一致するとは限らないし、筋肉によっても差がある
[[EMG]]で筋肉の運動潜時を調べると、反応時間と一致するとは限らないし、筋によっても差がある
<ref name=MorenoEtal2011><pubmed> 21184808 </pubmed></ref>。
<ref name=MorenoEtal2011><pubmed> 21184808 </pubmed></ref>。


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高い精度が求められる実験では、専用の反応装置(図4)と刺激提示装置が用いられる。
高い精度が求められる実験では、専用の反応装置(図4)と刺激提示装置が用いられる。


口頭反応では、音圧が最初のピークか一定の閾値(例えば、ピーク音圧の10%)に達した時を反応とする。
口頭反応では、音圧が最初のピークか一定の閾値(例えば、ピーク音圧の10%や50%)に達した時を反応とする。
垂直跳びによる全身反応時間の測定では、スイッチを踏ませておき、両足がスイッチを離れたことで反応とする。
垂直跳びによる全身反応時間の測定では、スイッチを踏ませておき、両足がスイッチを離れたことで反応とする。
その他の動作による全身反応時間の測定では、モーションキャプチャや高速度ビデオ撮影も有効である。
モーションキャプチャや高速度ビデオ撮影も有効である。


いずれの方法でも、刺激提示装置と反応記録装置の時間的な同期を正確にとることが肝要である
いずれの方法でも、刺激提示装置と反応記録装置の時間的な同期を正確にとることが肝要である
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