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タグ: 巻き戻し |
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<font size="+1">[http://researchmap.jp/yutakahata 畑 裕]</font>< | <font size="+1">[http://researchmap.jp/yutakahata 畑 裕]</font><br> | ||
''東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科''<br> | ''東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年2月15日 原稿完成日:2012年2月19日<br> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年2月15日 原稿完成日:2012年2月19日<br> | ||
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== 名称 == | == 名称 == | ||
GKAPあるいはSAPAPともよばれる。GKAPという名称はguanylate kinase-associated proteinに由来する<ref>< | GKAPあるいはSAPAPともよばれる。GKAPという名称はguanylate kinase-associated proteinに由来する<ref><pubmed>9024696</pubmed></ref>。[[興奮性シナプス]]の裏打ちタンパク質[[PSD-95]]の[[グアニル酸キナーゼ]]領域に結合するタンパク質として[[ラット]]と[[ヒト]]のタンパク質が最初に報告された。なおcGMP-dependent protein kinase-anchoring proteinとglucokinase-associated phosphataseもGKAPと表記されるので、注意が必要である。 | ||
PSD-95は別名でsynapse-associated protein 90 (SAP90)ともよばれるが、GKAPの報告とほぼ同時期に、SAP90に結合するタンパク質として、4種類のラットSAP-associated protein (SAPAP)アイソフォームがSAPAP1、-2、-3、-4として報告された<ref><pubmed>9115257</pubmed></ref>。ラットGKAPは666アミノ酸からなり、992アミノ酸からなるラットSAPAP1のN末端を欠損するalternative splicing variantにあたる。 | |||
PSD-95と同じMAGUKファミリータンパク質のひとつ[[Dlg1]]([[SAP97]]とも呼ばれ、神経細胞以外にも発現し、[[wj:細胞極性|細胞極性]]に関係する)に結合するタンパク質として、やはりほぼ同時期に報告されたDLG-associated protein (DAP)-1はヒトのSAPAP1に相当する<ref><pubmed>9286858</pubmed></ref>。SAPAP1はGKAP/SAPAP1/DAP-1と、それ以外のアイソフォームは、SAPAP2、-3、-4と表記されることが多い。 | PSD-95と同じMAGUKファミリータンパク質のひとつ[[Dlg1]]([[SAP97]]とも呼ばれ、神経細胞以外にも発現し、[[wj:細胞極性|細胞極性]]に関係する)に結合するタンパク質として、やはりほぼ同時期に報告されたDLG-associated protein (DAP)-1はヒトのSAPAP1に相当する<ref><pubmed>9286858</pubmed></ref>。SAPAP1はGKAP/SAPAP1/DAP-1と、それ以外のアイソフォームは、SAPAP2、-3、-4と表記されることが多い。 | ||
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== ヒト疾病との関係 == | == ヒト疾病との関係 == | ||
DLGAP3ノックアウトマウスは、ヒトにおける[[強迫症]] ([[obsessive compulsive disorder]], [[OCD]])を連想させる行動異常を示す<ref name="ref2"><pubmed>17713528</pubmed></ref>。この観察から、DLGAP3遺伝子は、ヒトの強迫症、及び、強迫症に関連する[[grooming disorder]]や[[トゥレット症候群]] ( | DLGAP3ノックアウトマウスは、ヒトにおける[[強迫症]] ([[obsessive compulsive disorder]], [[OCD]])を連想させる行動異常を示す<ref name="ref2"><pubmed>17713528</pubmed></ref>。この観察から、DLGAP3遺伝子は、ヒトの強迫症、及び、強迫症に関連する[[grooming disorder]]や[[トゥレット症候群]] (Tourette syndrome)の原因遺伝子であるという仮説が立てられ解析がなされている。しかし、現時点では、機能的な候補遺伝子の一つという評価に止まり、決定的な連関は示されていない<ref><pubmed>19051237</pubmed></ref><ref><pubmed>21184590</pubmed></ref>。 | ||
このほか、[[統合失調症]]患者において、DLGAP1の発現が高まっているという報告もある<ref><pubmed>12950712</pubmed></ref>。 | このほか、[[統合失調症]]患者において、DLGAP1の発現が高まっているという報告もある<ref><pubmed>12950712</pubmed></ref>。 |