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遺伝子はDSCAMとDSCAML1は2つで、いずれもショウジョウバエDSCAM1のように多様な選択的スプライシングは観察されていないので、分子種としては2種類となり多様性がない。マウス網膜の研究から、脊椎動物のDSCAMは網膜神経節細胞およびアマクリン細胞の、ファミリー分子DSCAML1は桿体細胞の樹状突起の自己回避に関わる。DSCAMおよびDSCAML1は、直接反発作用を生むのではなく、カドへリンなどの他の分子を介した細胞接着を阻害することで神経突起の過度の接触を防いでいると考えられる<ref><pubmed>19945391</pubmed></ref>[28]<ref><pubmed>30297418</pubmed></ref>[29]。 | 遺伝子はDSCAMとDSCAML1は2つで、いずれもショウジョウバエDSCAM1のように多様な選択的スプライシングは観察されていないので、分子種としては2種類となり多様性がない。マウス網膜の研究から、脊椎動物のDSCAMは網膜神経節細胞およびアマクリン細胞の、ファミリー分子DSCAML1は桿体細胞の樹状突起の自己回避に関わる。DSCAMおよびDSCAML1は、直接反発作用を生むのではなく、カドへリンなどの他の分子を介した細胞接着を阻害することで神経突起の過度の接触を防いでいると考えられる<ref><pubmed>19945391</pubmed></ref>[28]<ref><pubmed>30297418</pubmed></ref>[29]。 | ||
==== クラスター型プロトカドヘリン ==== | ==== クラスター型プロトカドヘリン ==== | ||
ショウジョウバエDSCAM1と同じく、アイソフォーム特異的に同種親和性結合能をもつ細胞接着分子である<ref><pubmed>20679223</pubmed></ref> | ショウジョウバエDSCAM1と同じく、アイソフォーム特異的に同種親和性結合能をもつ細胞接着分子である<ref><pubmed>20679223</pubmed></ref>[30]。マウスでは、プロトカドヘリン(Pcdh)α、Pcdhβ、Pcdhγの3つのプロトカドへリンクラスターがあり、プロモーター選択に基づいてそれぞれの遺伝子座から14、22、22種類のアイソフォームが産生されるため、合計で58種類のバリアントが存在する('''図3''')。Pcdhγクラスターをすべて欠失させたノックアウトマウスでは網膜スターバーストアマクリン細胞や小脳プルキンエ細胞で樹状突起の自己回避に著しい異常が生じる<ref><pubmed>22842903</pubmed></ref> [31]('''図2''')。クラスター型プロトカドへリンによる樹状突起自己回避は、ショウジョウバエDSCAM1と同じく、自己の細胞で発現する同一アイソフォームどうしの結合で生じる反発作用によって起こる。 | ||
==== Slit-Robo2 ==== | ==== Slit-Robo2 ==== |