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[[Image:高次運動関連領野図1.jpg|thumb|300px|'''図1. Brodmann <ref name=ref1>'''Brodmann K'''<br>Vergleichende Lokalisationslehre der Grosshirnrinde, in ihren Prinzipien dargestellt auf Grund des Zellenbaues. <br>Barth, Leipzig, 1909</ref>, およびVogt and Vogt <ref name=ref2>'''Vogt C, Vogt O'''<br>Allgemeinere Ergebnisse unserer Hirnforschung.<br>''J Psychol Neurol.: 1919, 25:277-462</ref>( によるサル脳の細胞構築による分類''']] | [[Image:高次運動関連領野図1.jpg|thumb|300px|'''図1. Brodmann <ref name=ref1>'''Brodmann K'''<br>Vergleichende Lokalisationslehre der Grosshirnrinde, in ihren Prinzipien dargestellt auf Grund des Zellenbaues. <br>Barth, Leipzig, 1909</ref>, およびVogt and Vogt <ref name=ref2>'''Vogt C, Vogt O'''<br>Allgemeinere Ergebnisse unserer Hirnforschung.<br>''J Psychol Neurol.: 1919, 25:277-462</ref>( によるサル脳の細胞構築による分類''']] | ||
[[Image:高次運動関連領野図2.jpg|thumb|300px|'''図2. サル皮質運動関連領野の区分 ( | [[Image:高次運動関連領野図2.jpg|thumb|300px|'''図2. サル皮質運動関連領野の区分 (Takadaらの論文<ref name=ref3><pubmed>15217388</pubmed></ref>から)''']] | ||
[[Image:高次運動関連領野図3.jpg|thumb|300px|'''図3. Rizzolatti のF-命名法による運動関連領野の分類''']] | [[Image:高次運動関連領野図3.jpg|thumb|300px|'''図3. Rizzolatti のF-命名法による運動関連領野の分類''']] | ||
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[[wikipedia:JA:霊長類|霊長類]]動物([[wikipedia:JA:サル|サル]])では、古典的には [[wikipedia:Korbinian Brodmann|Brodmann]] <ref name=ref1>'''Brodmann K'''<br>Vergleichende Lokalisationslehre der Grosshirnrinde, in ihren Prinzipien dargestellt auf Grund des Zellenbaues. <br>Barth, Leipzig, 1909</ref>, およびVogt and Vogt <ref name=ref2>'''Vogt C, Vogt O'''<br>Allgemeinere Ergebnisse unserer Hirnforschung.<br>''J Psychol Neurol.: 1919, 25:277-462</ref>(図1)が細胞構築から、現在の運動関連領野区分けの原形となる優れた分類を行っている。少し古い脳生理・解剖学の教科書、あるいは専門書の記述では、皮質[[前頭葉]]の[[一次運動野]](M1)は、[[中心溝]]のすぐ前方に位置しており、M1の前方の外側面には[[運動前野]](PM) が、内側面には[[補足運動野]](SMA)が記載されている。 | [[wikipedia:JA:霊長類|霊長類]]動物([[wikipedia:JA:サル|サル]])では、古典的には [[wikipedia:Korbinian Brodmann|Brodmann]] <ref name=ref1>'''Brodmann K'''<br>Vergleichende Lokalisationslehre der Grosshirnrinde, in ihren Prinzipien dargestellt auf Grund des Zellenbaues. <br>Barth, Leipzig, 1909</ref>, およびVogt and Vogt <ref name=ref2>'''Vogt C, Vogt O'''<br>Allgemeinere Ergebnisse unserer Hirnforschung.<br>''J Psychol Neurol.: 1919, 25:277-462</ref>(図1)が細胞構築から、現在の運動関連領野区分けの原形となる優れた分類を行っている。少し古い脳生理・解剖学の教科書、あるいは専門書の記述では、皮質[[前頭葉]]の[[一次運動野]](M1)は、[[中心溝]]のすぐ前方に位置しており、M1の前方の外側面には[[運動前野]](PM) が、内側面には[[補足運動野]](SMA)が記載されている。 | ||
その後の研究により、大脳皮質外側面の運動関連領野の分類に関して、主に3つの運動野、すなわちM1,[[PMd]],および[[PMc]]に区分される時期が続いた。しかし、最近の研究により、より細分されることが明らかになり、PMdとPMcは、それぞれ前後方向に2つの領域、[[PMdr]]と[[PMdc]]、および[[PMvr]]と[[PMvc]]に区分されることが多く、外側面全体では5つの運動野に区分けされるようになっている<ref><pubmed>15217388</pubmed></ref>(図2)。Rizzolatti のグループによる類似の区分け(F命名法)を図3に示す<ref><pubmed>11580891</pubmed></ref>。一方、Barbas、Pandya<ref><pubmed>3558879</pubmed></ref>、Morecraft<ref><pubmed>14689472</pubmed></ref>はPMv を前後方向ではなく、上・下方向(6Vaと6Vb)に細分しているが、現在までの生理学的知見では前後方向に区分するのが適当であるように思われる。 | その後の研究により、大脳皮質外側面の運動関連領野の分類に関して、主に3つの運動野、すなわちM1,[[PMd]],および[[PMc]]に区分される時期が続いた。しかし、最近の研究により、より細分されることが明らかになり、PMdとPMcは、それぞれ前後方向に2つの領域、[[PMdr]]と[[PMdc]]、および[[PMvr]]と[[PMvc]]に区分されることが多く、外側面全体では5つの運動野に区分けされるようになっている<ref name=ref3><pubmed>15217388</pubmed></ref>(図2)。Rizzolatti のグループによる類似の区分け(F命名法)を図3に示す<ref><pubmed>11580891</pubmed></ref>。一方、Barbas、Pandya<ref><pubmed>3558879</pubmed></ref>、Morecraft<ref><pubmed>14689472</pubmed></ref>はPMv を前後方向ではなく、上・下方向(6Vaと6Vb)に細分しているが、現在までの生理学的知見では前後方向に区分するのが適当であるように思われる。 | ||
上記の外側面に存在する5つの運動関連領野に加えて、大脳半球内側面にも、大まかに区分して3つの運動関連領野、すなわち補足運動野(SMA),[[前補足運動野]](Pre-SMA)、および[[帯状皮質運動野]]が存在する。帯状皮質運動野は正確には[[吻側帯状皮質運動野]](CMAr)と、2つの[[尾側帯状皮質運動野]](CMAdとCMAv)に区分されるので、正確には大脳内側面には5つの運動関連領野が存在すると言える<ref><pubmed>1705965</pubmed></ref><ref>'''Dum RP, Strick PL'''<br>Motor areas in the frontal lobe of the primate. <br>''Physiol Behav'':2002, 77: 677- 682, </ref><ref><pubmed>7538558</pubmed></ref><ref><pubmed>8670662</pubmed></ref>(図4)。まとめると、サルの大脳皮質には、M1を含め、合計10個の運動関連領野が存在する([[眼球運動]]関連領野を除く)。 | 上記の外側面に存在する5つの運動関連領野に加えて、大脳半球内側面にも、大まかに区分して3つの運動関連領野、すなわち補足運動野(SMA),[[前補足運動野]](Pre-SMA)、および[[帯状皮質運動野]]が存在する。帯状皮質運動野は正確には[[吻側帯状皮質運動野]](CMAr)と、2つの[[尾側帯状皮質運動野]](CMAdとCMAv)に区分されるので、正確には大脳内側面には5つの運動関連領野が存在すると言える<ref><pubmed>1705965</pubmed></ref><ref>'''Dum RP, Strick PL'''<br>Motor areas in the frontal lobe of the primate. <br>''Physiol Behav'':2002, 77: 677- 682, </ref><ref><pubmed>7538558</pubmed></ref><ref><pubmed>8670662</pubmed></ref>(図4)。まとめると、サルの大脳皮質には、M1を含め、合計10個の運動関連領野が存在する([[眼球運動]]関連領野を除く)。 |