「進行性核上性麻痺」の版間の差分

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英略称:PSP
英略称:PSP
{{box|text= 進行性核上性麻痺 は、パーキンソニズムを呈する神経変性疾患で非定型パーキンソニズムに位置付けられる。病理学的には、基底核や脳幹部被蓋、小脳、前頭葉などの神経細胞内やグリア細胞内に異常リン酸化タウタンパク質が蓄積し、タウオパチーに分類される。臨床像は垂直性核上性注視麻痺、早期からの姿勢保持障害を主徴とするリチャードソン症候群のほか、近年多様な臨床病型が示されている。パーキンソニズムを呈するが、パーキンソン病よりも進行が速く、対症療法やリハビリ・ケアが治療の中心である。 近年病態抑止療法が開発されつつあり、早期に正しく診断するため、診断に有用なバイオマーカーの開発が求められる。}}
{{box|text= 進行性核上性麻痺 は、パーキンソニズムを呈する神経変性疾患で非定型パーキンソニズムに位置付けられる。病理学的には、基底核や脳幹部被蓋、小脳、前頭葉などの神経細胞内やグリア細胞内に異常リン酸化タウタンパク質が蓄積し、タウオパチーに分類される。臨床像は垂直性核上性注視麻痺、早期からの姿勢保持障害を主徴とするリチャードソン症候群のほか、近年多様な臨床病型が示されている。パーキンソニズムを呈するが、パーキンソン病よりも進行が速く、対症療法やリハビリ・ケアが治療の中心である。 近年病態抑止療法が開発されつつあり、早期に正しく診断するため、診断に有用なバイオマーカーの開発が求められる。}}
 
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== 歴史 ==
== 歴史 ==
 進行性核上性麻痺は、Richardsonらが1963年にアメリカ神経学会において6例の臨床病理学的所見を報告し、翌1964年Annals of Neurology誌に9例をまとめ、報告した<ref name=Steele1964><pubmed>14107684</pubmed></ref> 。1996年にthe National Institute of Neurological Disorders and Stroke and the Society for PSP (NINDS-SPSP)による国際的な臨床診断基準が発表され<ref name=Litvan8710059><pubmed>8710059</pubmed></ref> 、その臨床的特徴は[[垂直性注視麻痺]]および発症早期の転倒を伴う[[姿勢保持障害]]とされ、現在では[[リチャードソン症候群]]と呼ばれる。2005年にPSP第2の臨床病型として[[PSP-parkinsonism]]<ref name=Williams2005><pubmed>15788542</pubmed></ref> が、また2007年に[[pure akinesia with gait freezing]]<ref name=Williams2007><pubmed>17712855</pubmed></ref> が報告された後も多様な臨床病型の報告が相次ぎ、2017年に発表されたMovement disorder societyによる診断基準(以下MDS基準と略す)では、リチャードソン症候群以外に7つの臨床病型が提唱されている<ref name=Höglinger2017><pubmed>28467028</pubmed></ref> 。  
 進行性核上性麻痺は、Richardsonらが1963年にアメリカ神経学会において6例の臨床病理学的所見を報告し、翌1964年Annals of Neurology誌に9例をまとめ、報告した<ref name=Steele1964><pubmed>14107684</pubmed></ref> 。1996年にthe National Institute of Neurological Disorders and Stroke and the Society for PSP (NINDS-SPSP)による国際的な臨床診断基準が発表され<ref name=Litvan8710059><pubmed>8710059</pubmed></ref> 、その臨床的特徴は[[垂直性注視麻痺]]および発症早期の転倒を伴う[[姿勢保持障害]]とされ、現在では[[リチャードソン症候群]]と呼ばれる。2005年にPSP第2の臨床病型として[[PSP-parkinsonism]]<ref name=Williams2005><pubmed>15788542</pubmed></ref> が、また2007年に[[pure akinesia with gait freezing]]<ref name=Williams2007><pubmed>17712855</pubmed></ref> が報告された後も多様な臨床病型の報告が相次ぎ、2017年に発表されたMovement disorder societyによる診断基準(以下MDS基準と略す)では、リチャードソン症候群以外に7つの臨床病型が提唱されている<ref name=Höglinger2017><pubmed>28467028</pubmed></ref> 。  

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