「意味性認知症」の版間の差分

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SDは初期から意味記憶障害以外に前頭葉機能障害による軽度の行動異常を呈する例がしばしばある。このため意味記憶障害や言語の問題の存在を見落とすと行動異常型前頭側頭型認知症(behavioral variant frontotemporal dementia: bvFTD)と診断されうる。
SDは初期から意味記憶障害以外に前頭葉機能障害による軽度の行動異常を呈する例がしばしばある。このため意味記憶障害や言語の問題の存在を見落とすと行動異常型前頭側頭型認知症(behavioral variant frontotemporal dementia: bvFTD)と診断されうる。


bvFTDの最大50%はその診断の前に自閉症スペクトラム症、あるいは躁うつ病、統合失調症、強迫性疾患、嗜癖などの精神疾患と誤診されているが<ref name=Ducharme2020><pubmed>32129844</pubmed></ref>[29]、svPPAでも精神疾患と診断されている例が20%あるとの報告がある<ref name=Miller2014 />[11]。このようにFTLDは精神疾患と誤診されやすい。精神疾患とbvFTDの鑑別には、神経心理学的評価、MRIによる脳萎縮の評価(特に定量的統計解析)、18F-fluorodeoxyglucose PET、髄液中のニューロフィラメント軽鎖濃度が鑑別に有用で、C9orf72遺伝子におけるGGGGCCリピートの異常伸長の検索も重要と考えられているが<ref name=Ducharme2020 />[29]、SDと精神疾患の鑑別でも同様であると考えられる。
bvFTDの最大50%はその診断の前に自閉症スペクトラム症、あるいは躁うつ病、統合失調症、強迫性疾患、嗜癖などの精神疾患と誤診されているが<ref name=Ducharme2020><pubmed>32129844</pubmed></ref>[29]、svPPAでも精神疾患と診断されている例が20%あるとの報告がある<ref name=Miller2014></ref>[11]。このようにFTLDは精神疾患と誤診されやすい。精神疾患とbvFTDの鑑別には、神経心理学的評価、MRIによる脳萎縮の評価(特に定量的統計解析)、18F-fluorodeoxyglucose PET、髄液中のニューロフィラメント軽鎖濃度が鑑別に有用で、C9orf72遺伝子におけるGGGGCCリピートの異常伸長の検索も重要と考えられているが<ref name=Ducharme2020 />[29]、SDと精神疾患の鑑別でも同様であると考えられる。


== 病因・病態 ==
== 病因・病態 ==

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