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== 疫学 == | == 疫学 == | ||
臨床診断SD100例の検討では、男女比は6:4、平均発症年齢が60.3±7.01歳、平均診断時年齢が64.24±7.1歳、平均施設入所時年齢が66.9±6.5歳であったとの報告がある<ref name=Hodges2010></ref> [35]。発症年齢については46%が65歳以上で診断され、7例は75歳以上で診断されていたとされる<ref name=Hodges2010></ref>[35]。ただし、SDの代表的な病理であるFTLD-TDPの本邦の剖検シリーズの検討では、88.9%が65歳未満で発症しているため<ref name=Yokota2009><pubmed>19194716</pubmed></ref>[26]、高齢発症のSDではFTLD-TDP以外の病理背景の頻度が高い可能性がある。萎縮の左右差がSDでは認められやすく、左優位萎縮例:右優位萎縮例が70:24であったとの報告があるが<ref name=Hodges2010></ref>[35]、右優位例が多いシリーズの報告もある<ref name=Miki2016><pubmed>26969837</pubmed></ref>[45]。左優位萎縮例では失語を呈しやすいので脳神経内科を受診しやすく、右優位例は精神症状や行動異常が目立つ傾向があるため<ref name=Hodges2010></ref>[35]、精神科を受診しやすいといった施設バイアスが生じやすいと推測され、左右差のデータの解釈には注意を要する<ref name=Miller2014> | 臨床診断SD100例の検討では、男女比は6:4、平均発症年齢が60.3±7.01歳、平均診断時年齢が64.24±7.1歳、平均施設入所時年齢が66.9±6.5歳であったとの報告がある<ref name=Hodges2010></ref> [35]。発症年齢については46%が65歳以上で診断され、7例は75歳以上で診断されていたとされる<ref name=Hodges2010></ref>[35]。ただし、SDの代表的な病理であるFTLD-TDPの本邦の剖検シリーズの検討では、88.9%が65歳未満で発症しているため<ref name=Yokota2009><pubmed>19194716</pubmed></ref>[26]、高齢発症のSDではFTLD-TDP以外の病理背景の頻度が高い可能性がある。萎縮の左右差がSDでは認められやすく、左優位萎縮例:右優位萎縮例が70:24であったとの報告があるが<ref name=Hodges2010></ref>[35]、右優位例が多いシリーズの報告もある<ref name=Miki2016><pubmed>26969837</pubmed></ref>[45]。左優位萎縮例では失語を呈しやすいので脳神経内科を受診しやすく、右優位例は精神症状や行動異常が目立つ傾向があるため<ref name=Hodges2010></ref>[35]、精神科を受診しやすいといった施設バイアスが生じやすいと推測され、左右差のデータの解釈には注意を要する<ref name=Miller2014></ref>[11]。 | ||
欧米ではFTLDについて家族歴ある例が多く10~60%と高い頻度が報告される<ref name=Snowden2002><pubmed>11823324</pubmed></ref>[46]。SD100連続例において2~7%の家族歴が推定されている<ref name=Hodges2010></ref>[35]。一方、日本ではFTLDの家族例は極めて稀である<ref name=Ikeda2004><pubmed>15178933</pubmed></ref>[47]。 | 欧米ではFTLDについて家族歴ある例が多く10~60%と高い頻度が報告される<ref name=Snowden2002><pubmed>11823324</pubmed></ref>[46]。SD100連続例において2~7%の家族歴が推定されている<ref name=Hodges2010></ref>[35]。一方、日本ではFTLDの家族例は極めて稀である<ref name=Ikeda2004><pubmed>15178933</pubmed></ref>[47]。 |