「Fused in sarcoma」の版間の差分

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 FUSの全身[[ノックアウトマウス]]は背景により異なったフェノタイプを示す。[[C57/B6]]の[[近交系]]では[[免疫系]]の異常により出生してすぐに死に至る一方で、非近交系では[[精子]]形成異常以外はほぼ正常に生育することが報告されている<ref name=Hicks2000><pubmed>10655065</pubmed></ref><ref name=Kuroda2000><pubmed>10654943</pubmed></ref>。
 FUSの全身[[ノックアウトマウス]]は背景により異なったフェノタイプを示す。[[C57/B6]]の[[近交系]]では[[免疫系]]の異常により出生してすぐに死に至る一方で、非近交系では[[精子]]形成異常以外はほぼ正常に生育することが報告されている<ref name=Hicks2000><pubmed>10655065</pubmed></ref><ref name=Kuroda2000><pubmed>10654943</pubmed></ref>。
[[ファイル:Ishigaki_FUS_Fig4.png|300px|サムネイル|'''図4. XXXX'''<br>XXXX basophilic inclusion body disease (BIBD)]]
<!-- [[ファイル:Ishigaki_FUS_Fig4.png|300px|サムネイル|'''図4. XXXX'''<br>XXXX basophilic inclusion body disease (BIBD)]] -->
== 疾患との関わり ==
== 疾患との関わり ==
 FUSは家族性ALS([[ALS6]])の原因遺伝子であり、家族性ALS の原因遺伝子として、わが国ではSOD1に次いで頻度が高い遺伝子と考えられており家族性ALSのうち4-9%を占める。ほとんどの症例は優性遺伝(顕性遺伝)形式である。変異はC末側に多く認められほとんどがpoint mutationである('''図1''')<ref>'''青木正志 (2013).'''<br>FUS変異によるALS臨床病理と病態, 臨床神経 53:1080-1083 [https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/053111080.pdf [PDF]]</ref>。病理学的にはFUSが核内から細胞質に局在が変化して[[ユビキチン]]陽性の[[細胞質封入体]]として神経細胞内に認められることが特徴である。FUSに変異が存在しない孤発性のALSにおいても、このようなFUSの病理所見が陽性の症例が存在し、塩基性封入体が特徴であることから[[basophilic inclusion body disease]] (BIBD)と呼ばれる。ALSは[[認知症]]の1つであるFTLDと臨床的、病理学的、遺伝学的に同一の疾患スペクトラムを形成すると考えられ、FTLD症例にもFUS陽性の病理像を示すグループが存在し、[[FTLD-FUS]]と称される。
 FUSは家族性ALS([[ALS6]])の原因遺伝子であり、家族性ALS の原因遺伝子として、わが国ではSOD1に次いで頻度が高い遺伝子と考えられており家族性ALSのうち4-9%を占める。ほとんどの症例は優性遺伝(顕性遺伝)形式である。変異はC末側に多く認められほとんどがpoint mutationである('''図1''')<ref>'''青木正志 (2013).'''<br>FUS変異によるALS臨床病理と病態, 臨床神経 53:1080-1083 [https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/053111080.pdf [PDF]]</ref>。病理学的にはFUSが核内から細胞質に局在が変化して[[ユビキチン]]陽性の[[細胞質封入体]]として神経細胞内に認められることが特徴である。FUSに変異が存在しない孤発性のALSにおいても、このようなFUSの病理所見が陽性の症例が存在し、塩基性封入体が特徴であることから[[basophilic inclusion body disease]] (BIBD)と呼ばれる。ALSは[[認知症]]の1つであるFTLDと臨床的、病理学的、遺伝学的に同一の疾患スペクトラムを形成すると考えられ、FTLD症例にもFUS陽性の病理像を示すグループが存在し、[[FTLD-FUS]]と称される。

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