16,040
回編集
細編集の要約なし |
細 (→皮質性ミオクローヌス) |
||
48行目: | 48行目: | ||
=== 皮質性ミオクローヌス === | === 皮質性ミオクローヌス === | ||
大脳皮質一次感覚運動野の神経細胞の異常により生じる。非常に持続時間の短い不規則な筋収縮で、姿勢時や運動時に出現しやすく,しばしば刺激過敏性を認める。“てんかん性ミオクローヌス”と病態生理的に考えられ、てんかん発作をともなうものも多い。 | |||
皮質性ミオクローヌスはさらに3種類の亜型に分類される。刺激過敏性があり、体性感覚、聴覚、視覚刺激などで誘発される場合は皮質反射性ミオクローヌス、刺激に無関係に自発的に生じているものを自発性皮質性ミオクローヌス、自発性であっても身体の一部に限局し、持続性にミオクローヌスが生じている場合には持続性部分てんかんと分類している。皮質性ミオクローヌスをきたす疾患としては、進行性ミオクローヌスてんかん、BAFME、Creutzfeldt-Jakob病、無酸素脳症後のミオクローヌス(Lance-Adams症候群)、皮質基底核変性症などの各種変性疾患、各種代謝性脳症などがある('''表2''')。このうちCreutzfeldt-Jakob病、Lance-Adams症候群などでは皮質下性ミオクローヌスも呈する。 | |||
{| class="wikitable" | |||
|+表2. ミオクローヌスの原因(文献10から改変引用) | |||
|- | |||
! 病型 !! 原因 | |||
|- | |||
| '''1:生理的ミオクローヌス''' || 睡眠時ミオクローヌス、不安誘発性ミオクローヌス、運動誘発性ミオクローヌス、吃逆 | |||
|- | |||
| '''2:本態性ミオクローヌス''' || 家族性本態性ミオクローヌス、孤発性本態性ミオクローヌス | |||
|- | |||
| '''3:てんかんに合併するミオクローヌス''' || | |||
|- | |||
| てんかん発作の部分症状|| 孤発性のてんかん性ミオクローヌス、持続性部分てんかん、光過敏性ミオクローヌス、特発性刺激過敏性ミオクローヌス、ミオクローヌス性欠神発作 | |||
|- | |||
| 小児発症のミオクロニーてんかん|| 点頭てんかん、レノックス・ガストー症候群、小発作、若年ミオクロニーてんかん | |||
|- | |||
| 進行性ミオクローヌスてんかん(蓄積症を除く)|| ウンフェルリヒト・ルンドボルグ病、ミトコンドリア脳筋症、良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん | |||
|- | |||
| '''4:症候性ミオクローヌス''' || | |||
|- | |||
| 各種蓄積症に伴うミオクローヌス||ラフォラ病、リピドーシス、セロイドリポフスチノーシス、シアリドーシス || | |||
|- | |||
| 小脳失調に伴うミオクローヌス|| フリードライヒ運動失調症、ルイ・バー症候群、脊髄小脳変性症 | |||
|- | |||
| 基底核変性に伴うミオクローヌス|| ウィルソン病、捻転ジストニア、Pantothenate-kinase-associated neurodegeneration (PKAN)、進行性核上性麻痺、ハンチントン病、 皮質基底核変性症 | |||
|- | |||
| 認知症に伴うミオクローヌス|| クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー型認知症 | |||
|- | |||
| 脳炎・脳症に伴うミオクローヌス|| 亜急性硬化性全脳炎、嗜眠性脳炎、アルボウィルス脳炎、単純ヘルペス性脳炎、HIV脳症、感染後脳症、ウィップル病、ランス・アダムス症候群 | |||
|- | |||
| 代謝性疾患・全身疾患に伴うミオクローヌス|| 肝不全、腎不全、透析症候群、低ナトリウム血症、低血糖、非ケトン性高血糖、熱射病、感電、潜水病 | |||
|- | |||
| 薬剤性・中毒性脳症に伴うミオクローヌス|| 中毒性物質、精神科用薬、抗菌薬・抗ウィルス薬、麻薬、抗けいれん薬、麻酔薬、造影剤、循環器病薬, | |||
|- | |||
| 傍悪性腫瘍症候群に伴うミオクローヌス|| オプソクローヌス多発ミオクローヌス症候群 | |||
|- | |||
| 局所性中枢神経障害に伴うミオクローヌス|| 脳血管障害、腫瘍、外傷、脊髄外傷 | |||
|} | |||
=== 皮質下性ミオクローヌス === | === 皮質下性ミオクローヌス === |