「筋強直性ジストロフィー」の版間の差分

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 上述のRNA異常症という病態機序に基づいた核酸治療が、治験段階まで進んだ。DMPKのmRNAの低下を目指したもので、米国のIONIS社により2014年から第I/IIa相治験が行われたが、骨格筋への薬剤の移行が不十分なため、治験をさらに進めることが断念された。現在、複数の企業が、組織移行性を高めた核酸医薬の検討を進めている。また、低分子化合物による、MBNLの共凝集抑制をめざした薬剤の開発研究も進んでいる。
 上述のRNA異常症という病態機序に基づいた核酸治療が、治験段階まで進んだ。DMPKのmRNAの低下を目指したもので、米国のIONIS社により2014年から第I/IIa相治験が行われたが、骨格筋への薬剤の移行が不十分なため、治験をさらに進めることが断念された。現在、複数の企業が、組織移行性を高めた核酸医薬の検討を進めている。また、低分子化合物による、MBNLの共凝集抑制をめざした薬剤の開発研究も進んでいる。


 いっぽう、先天型・小児型筋強直性ジストロフィーを対象とした、glycogen synthase kinase 3 (GSK3)阻害剤(tideglusib)の第3相治験を、英国のAMO pharmaが行っている。これはもともと認知症や注意欠如多動性障害治療薬として開発が進められていた薬剤であり、筋強直性ジストロフィーの病態にGSK3が関与することが示されたことから本症に対しても治験が開始された。
 いっぽう、先天型・小児型筋強直性ジストロフィーを対象とした、glycogen synthase kinase 3β (GSK3β)阻害剤(tideglusib)の第3相治験を、英国のAMO pharmaが行っている。これはもともと認知症や注意欠如多動性障害治療薬として開発が進められていた薬剤であり、筋強直性ジストロフィーの病態にGSK3βが関与することが示されたことから本症に対しても治験が開始された。


== そのほか ==
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