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'''図4. 様々なユビキチン鎖に基づく多様な機能'''<br> | '''図4. 様々なユビキチン鎖に基づく多様な機能'''<br> | ||
各ユビキチン鎖に対して特異的に結合するユビキチンレセプターの存在により,各ユビキチン鎖に応じた特定の機能を果たすことが可能となる。]] | 各ユビキチン鎖に対して特異的に結合するユビキチンレセプターの存在により,各ユビキチン鎖に応じた特定の機能を果たすことが可能となる。]] | ||
ユビキチン修飾系は、標的タンパク質にユビキチンを結合させる修飾酵素、ユビキチン修飾を認識する[[ユビキチンレセプター]]、ユビキチン修飾を終焉させる[[ | ユビキチン修飾系は、標的タンパク質にユビキチンを結合させる修飾酵素、ユビキチン修飾を認識する[[ユビキチンレセプター]]、ユビキチン修飾を終焉させる[[脱ユビキチン化酵素]]から構成される<ref name=Oh2018><pubmed>30110556</pubmed></ref><ref name=Oikawa2020><pubmed>32403254</pubmed></ref> 。 | ||
=== 修飾酵素 === | === 修飾酵素 === | ||
ユビキチンは標的タンパク質の[[リジン]]残基に結合する<ref name=Hershko1998><pubmed>9759494</pubmed></ref><ref name=Kornitzer2000><pubmed>10567911</pubmed></ref><ref name=Komander2012><pubmed>22524316</pubmed></ref> 。この時、標的タンパク質にユビキチンを結合させる酵素群として[[ユビキチン活性化酵素]](E1)、[[ユビキチン結合酵素]](E2)、[[ユビキチンリガーゼ]](E3)の3種類が連続的に機能する('''図1''')。ヒトにはE1が2種類、E2は30種類以上、E3は600種類以上存在すると考えられている。 | ユビキチンは標的タンパク質の[[リジン]]残基に結合する<ref name=Hershko1998><pubmed>9759494</pubmed></ref><ref name=Kornitzer2000><pubmed>10567911</pubmed></ref><ref name=Komander2012><pubmed>22524316</pubmed></ref> 。この時、標的タンパク質にユビキチンを結合させる酵素群として[[ユビキチン活性化酵素]](E1)、[[ユビキチン結合酵素]](E2)、[[ユビキチンリガーゼ]](E3)の3種類が連続的に機能する('''図1''')。ヒトにはE1が2種類、E2は30種類以上、E3は600種類以上存在すると考えられている。 | ||
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2011年に、もやもや病の疾患感受性遺伝子として[[RNF213]]遺伝子(別名:[[ミステリン]])が同定された<ref name=Kamada2011><pubmed>21048783</pubmed></ref><ref name=Liu2011><pubmed>21799892</pubmed></ref> 。RNF213は2つのAAA+ ATPaseドメインと一つのRING型ユビキチンリガーゼドメインを持ち、知られている中では唯一のATPaseとユビキチンリガーゼのハイブリッド酵素である<ref name=森戸2019>'''森戸大介 (2019).<br>'''もやもや病遺伝子の代謝制御機能. 生化学. 91:815-819.</ref> 。現在50以上ものRNF213遺伝子多型変異が同定されているが、その中でもp.R4810Kが最も疾患との関連の深い変異と考えられている。p.R4810Kは、日本人患者の80~90%が保因しているが、日本人健常者の1~2%も同様に保因していることがわかっている。つまり大部分のp.R4810K保因者はもやもや病を発症しておらず、他の遺伝あるいは環境要因が関与する多因子疾患と考えられる。 | 2011年に、もやもや病の疾患感受性遺伝子として[[RNF213]]遺伝子(別名:[[ミステリン]])が同定された<ref name=Kamada2011><pubmed>21048783</pubmed></ref><ref name=Liu2011><pubmed>21799892</pubmed></ref> 。RNF213は2つのAAA+ ATPaseドメインと一つのRING型ユビキチンリガーゼドメインを持ち、知られている中では唯一のATPaseとユビキチンリガーゼのハイブリッド酵素である<ref name=森戸2019>'''森戸大介 (2019).<br>'''もやもや病遺伝子の代謝制御機能. 生化学. 91:815-819.</ref> 。現在50以上ものRNF213遺伝子多型変異が同定されているが、その中でもp.R4810Kが最も疾患との関連の深い変異と考えられている。p.R4810Kは、日本人患者の80~90%が保因しているが、日本人健常者の1~2%も同様に保因していることがわかっている。つまり大部分のp.R4810K保因者はもやもや病を発症しておらず、他の遺伝あるいは環境要因が関与する多因子疾患と考えられる。 | ||
また、同遺伝子多型p.R4810Kは[[動脈硬化性頭蓋内動脈狭窄症]]にも一定数認められることが知られており、頭蓋内血管狭窄を来す共通した素因であることが示唆されている<ref name=森戸2019 | また、同遺伝子多型p.R4810Kは[[動脈硬化性頭蓋内動脈狭窄症]]にも一定数認められることが知られており、頭蓋内血管狭窄を来す共通した素因であることが示唆されている<ref name=森戸2019></ref> 。 | ||
===アンジェルマン症候群=== | ===アンジェルマン症候群=== | ||
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*[[プロテアソーム]] | *[[プロテアソーム]] | ||
*[[Parkin]] | *[[Parkin]] | ||
*[[ | *[[Pink1]] | ||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> |