「頭痛」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
237 バイト追加 、 2021年6月3日 (木)
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
1行目: 1行目:
<div align="right">   
<div align="right">   
<font size="+1">竹島多賀夫</font><br>
<font size="+1">竹島多賀夫</font><br>
''医療法人寿会 富永病院 神経内科・頭痛センター''<br>
''社会医療法人寿会 富永病院 脳神経内科・頭痛センター''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2015年9月23日 原稿完成日:2015年12月22日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2015年9月23日 原稿完成日:2015年12月22日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真](滋賀医科大学 医学部 脳神経内科)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真](滋賀医科大学 医学部 脳神経内科)<br>
</div>
</div>


英語名:headache、cephalalgia 独:Kopfschmerz 仏:Céphalée、mal de tête  
英語名:headache、cephalalgia 独:Kopfschmerz 仏:céphalée、mal de tête  


{{box|text=
{{box|text=
 頭痛を主症状とする疾病は頭痛性疾患としてまとめられている。他に原因となる疾患が無いものを一次性頭痛、他の疾患によるものを二次性頭痛とする。一次性頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛が代表的である。頭痛診断は、国際頭痛学会から公開されている国際頭痛分類と診断基準(第3版beta版、2013)に従う。一次性頭痛は通常生命を脅かすことはないが、生活に支障をきたし健康寿命を短縮させる疾病であり対策が求められている。片頭痛は閃輝暗点等の前兆の有無により、前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛に大別される。片頭痛発作にはセロトニン作動薬であるトリプタンが奏功する。急性期治療薬のみでは十分な治療効果が得られない場合は片頭痛予防薬を用いる。片頭痛の頻度が増加する慢性片頭痛が注目されている。緊張型頭痛は頭痛の頻度により反復性と慢性に細分類されている。群発頭痛と類縁の頭痛性疾患が三叉神経・自律神経性頭痛としてまとめられ疾患概念が整理されてきた。二次性頭痛には様々な疾患によって引き起こされる頭痛がある。片頭痛など、一次性頭痛が他の疾患により増悪したのか、他の疾患により新たな二次性頭痛が発生したのかは常に考慮が必要である。
 頭痛を主症状とする疾病は頭痛性疾患としてまとめられている。他に原因となる疾患が無いものを一次性頭痛、他の疾患によるものを二次性頭痛とする。一次性頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛が代表的である。頭痛診断は、国際頭痛学会から公開されている国際頭痛分類と診断基準(第3版版、2018)に従う。一次性頭痛は通常生命を脅かすことはないが、生活に支障をきたし健康寿命を短縮させる疾病であり対策が求められている。片頭痛は閃輝暗点等の前兆の有無により、前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛に大別される。片頭痛発作にはセロトニン作動薬であるトリプタンが奏功する。急性期治療薬のみでは十分な治療効果が得られない場合は片頭痛予防薬を用いる。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は片頭痛の病態に深く関与しており、抗CGRP抗体、抗CGRP受容体抗体、CGRP拮抗薬が新規の片頭痛治療薬として開発されている。また、片頭痛の頻度が増加する慢性片頭痛が注目されている。緊張型頭痛は頭痛の頻度により反復性と慢性に細分類されている。群発頭痛と類縁の頭痛性疾患が三叉神経・自律神経性頭痛としてまとめられ疾患概念が整理されてきた。二次性頭痛には様々な疾患によって引き起こされる頭痛がある。片頭痛など、一次性頭痛が他の疾患により増悪したのか、他の疾患により新たな二次性頭痛が発生したのかは常に考慮が必要である。
}}
}}


案内メニュー