16,040
回編集
細 (→精巣ホルモン) |
細 (→卵巣ホルモン ) |
||
51行目: | 51行目: | ||
卵巣から分泌される女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)と[[プロゲステロン]](黄体ホルモン)である。エストロゲンには、[[エストラジオール]]、[[エストロン]]、[[エストリオール]]の3種類が存在し、最も活性が高いのはエストラジオールである。<br> | 卵巣から分泌される女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)と[[プロゲステロン]](黄体ホルモン)である。エストロゲンには、[[エストラジオール]]、[[エストロン]]、[[エストリオール]]の3種類が存在し、最も活性が高いのはエストラジオールである。<br> | ||
エストロゲンとプロゲステロンは、共同して[[wikipedia:ja: | エストロゲンとプロゲステロンは、共同して[[wikipedia:ja:子宮|子宮]]に[[wikipedia:ja:月経周期|月経周期]]をもたらすと共に、[[wikipedia:ja:思春期|思春期]]における二次性徴の発現に関与する。エストロゲンは、[[wikipedia:ja:卵胞期|卵胞期]]の[[wikipedia:ja:子宮内膜|子宮内膜]]を増殖や卵胞の成長を促進する。妊娠中は子宮筋を肥大させ、子宮筋の興奮性を高める。思春期には[[wikipedia:ja:乳腺|乳腺]]の[[wikipedia:ja:乳管|乳管]]の成長を促進して乳房を大きくするとともに、[[wikipedia:ja:皮下脂肪|皮下脂肪]]の蓄積・[[wikipedia:ja:生殖器|生殖器]]の発育など、一次性徴と二次性徴を発現させて女性らしい体型にする。さらに[[wikipedia:ja:骨端|骨端]]の閉鎖をおこさせ、思春期以後の身長の伸びを抑制する。また、女性の性欲を亢進させ、[[生殖行動の神経回路|発情行動]]を引き起こす。プロゲステロンは、[[wikipedia:ja:排卵|排卵]]後に形成される[[wikipedia:ja:黄体|黄体]]から分泌される。妊娠中は[[wikipedia:ja:胎盤|胎盤]]からも分泌される。プロゲステロンの効果はエストロゲンがあらかいじめ作用している状態で発揮されることが多く、子宮では、子宮内膜を分泌期にして受精卵が着床しやすい状態にする。妊娠中は子宮筋の興奮性を抑え、妊娠を継続させるように作用する。乳房に対しては、乳腺の腺房の発達を刺激する。体温上昇作用があり、排卵後の基礎体温を上昇させる<ref name="ref1" />。 | ||
エストロゲンは雌の性行動にも深く関与する。多くのげっ歯類では、[[ロードーシス]]の発現は卵巣から分泌されるエストロゲンにより制御され、通常の性周期では、ロードーシス反射はエストロゲン分泌の高まる排卵前後でのみ起こる。また卵巣を摘出しても、通常のホルモン分泌パターンと類似させ、エストロゲンとプロゲステロンを連続的に投与すると雌はロードーシスを示す。エストロゲン受容体には[[wikipedia:ja: | エストロゲンは雌の性行動にも深く関与する。多くのげっ歯類では、[[生殖行動の神経回路|ロードーシス]]の発現は卵巣から分泌されるエストロゲンにより制御され、通常の性周期では、ロードーシス反射はエストロゲン分泌の高まる排卵前後でのみ起こる。また卵巣を摘出しても、通常のホルモン分泌パターンと類似させ、エストロゲンとプロゲステロンを連続的に投与すると雌はロードーシスを示す。エストロゲン受容体には[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERα]]と[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERβ]]の2種類が存在するが、ロードーシス反射に関与しているのは主にERαだと考えられている。ERα遺伝子を損傷したαERKOマウスの雌は、エストロゲンとプロゲステロンを投与しても全くロードーシスを示さない。一方ERβ遺伝子を欠損したERβKOマウスの雌は通常の性周期を示し、発情期には野生型の雌とほぼ同等のロードーシス反応を示す<ref><pubmed>10536018</pubmed></ref><ref><pubmed>9832446</pubmed></ref> 。<br> | ||
==== ニューロステロイド ==== | ==== ニューロステロイド ==== |