「アカシジア」の版間の差分

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 薬原性アカシジアの記載はSigwaldら(1947)<ref>'''Sigwald, J. (1947).'''<br>Le traitement de la maladie de Parkinson et des manifestations extrapyramadalles par le diethylaminoethyl n-thiophyenylamine (2987RP) : Resulltants d'une anee d'application. ''Rev Neurol'' 79:683-687</ref>に始まり、1950年代前半に[[抗精神病薬]]が導入されると基礎薬理学的に中枢[[ドパミン]][[遮断作用]]を有する抗精神病薬の服用中にしばしばみられるようになり、薬原性[[錐体外路症状]]の一型として位置づけられるようになった<ref name=八木1991></ref>2)。
 薬原性アカシジアの記載はSigwaldら(1947)<ref>'''Sigwald, J. (1947).'''<br>Le traitement de la maladie de Parkinson et des manifestations extrapyramadalles par le diethylaminoethyl n-thiophyenylamine (2987RP) : Resulltants d'une anee d'application. ''Rev Neurol'' 79:683-687</ref>に始まり、1950年代前半に[[抗精神病薬]]が導入されると基礎薬理学的に中枢[[ドパミン]][[遮断作用]]を有する抗精神病薬の服用中にしばしばみられるようになり、薬原性[[錐体外路症状]]の一型として位置づけられるようになった<ref name=八木1991></ref>2)。


 このように、精神症状の病態像としての記述を語源としてアカシジアという用語が誕生し、その後の報告ではこの病態がさまざまな精神疾患・神経疾患でみられることが報告されてきたが、抗精神病薬の導入後は、薬剤性の錐体外路系副作用として頻繁にみられることから、この用語が広く用いられるようになった。ここでは抗精神病薬で発症する薬原性アカシジアについて述べる('''表1''')。
 このように、精神症状の病態像としての記述を語源としてアカシジアという用語が誕生し、その後の報告ではこの病態がさまざまな精神疾患・神経疾患でみられることが報告されてきたが、抗精神病薬の導入後は、薬剤性の錐体外路系副作用として頻繁にみられることから、この用語が広く用いられるようになった。ここでは抗精神病薬で発症する薬原性アカシジアについて述べる('''表1''')。
 
{| class="wikitable"
| '''神経症性アカシジア: 最初に精神症状として位置づけられる。'''
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| Willis (1685) 座ったままでいられない苦痛な状態を医学の領域で初めて記載。<br>Beard (1880) 上記報告を神経衰弱に位置づける。<br>Haskovec (1901) ヒステリー,神経衰弱の症状としてアカシジアの用語を初めて使用。<br>Raymond & Janet (1904 )  アカシジア症状を精神衰弱と関連づける。
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| '''器質性アカシジア: アカシジアの症状が器質疾患でも報告される。'''
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| Bing & Sicard (1923) 嗜眠性脳炎後にみられた症例を精神症状として報告。<br>Wilson (1940 ) 脳炎後遺症およびパーキンソン病の患者にみられることを報告。
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| '''下肢限局性アカシジア:'''
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| Ekbom (1945)「ムズムズ脚症候群」として, 主に非薬原性の下肢不穏症候群の症例を集積。
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| '''薬原性アカシジア(狭義のアカシジア): 抗精神病薬による錐体外路症状の1型と位置づけられる。'''
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| Steck (1954) 抗精神病薬の投与で頻発する「早発性(急性)アカシジア」を報告。<br>Freyhan (1957) 早発性錐体外路症状の一型と位置づける。 <br>Hodge (1959)  抗精神病薬惹起性の運動症状として記載。<br>Sigwald (1960) 抗精神病薬惹起性の感覚症状として記載。<br>三浦(1964) 抗精神病薬惹起性の精神症状(焦燥症候群)として記載。<br>Simpson (1965 ) 抗精神病薬中止後に発症する「離脱性アカシジア」の報告。<br>Munetz (1982) 自覚症状をかく下肢の落ち着きのない不随意運動を「仮性アカシジア」と報告。<br>Braude (1983) 足踏み・粗大振戦・ミオクローヌス・頻繁な体位変換・歩行症(タシキネジア)の報告。<br>Braude & Weiner (1983) 非可逆性の「遅発性アカシジア」の報告。<br>Barnes (1985)  急性型,仮性型,遅発型,離脱型に加え「慢性アカシジア」を分類に加える。<br>稲田ら (1988)  わが国で最初の「遅発性アカシジアの一症例」の報告。
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== 臨床診断 ==
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