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Akiyoshi Kitaoka (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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立体視の錯視としては、プルフリッヒ効果(Pulfrich effect)や色立体視(chromostereopsis)<ref>黒背景に赤と青のパターンがある場合、赤は青より奥行き的に手前に見える人が多いが、少数の人は青が赤より手前に見える現象。色収差(chromatic aberration)によって生じると考えられる両眼視差(両眼網膜像差)(binocular disparity)による両眼立体視(binocular stereopsis)現象である。</ref><ref>Kitaoka, A. (2016). Chromostereopsis. in Ming Ronnier Luo (Ed.), Encyclopedia of Color Science and Technology, Vol.1, New York; Springer (pp. 114-125).</ref>がある。一般の人には、ステレオグラム(streogram)<ref>両眼視差(両眼網膜像差)を付けた2枚の画像をそれぞれ左右の目に投影することで両眼立体視による奥行き知覚を生成させるための刺激図形。画像が2枚独立ではなく複数の画像が連続しているステレオグラムは、オートステレオグラム(autostereogram)と呼ばれる。</ref>やランダムドットステレオグラム(random dot stereogram)<ref>ステレオグラムがランダムドットになっていて、単眼ではどのような奥行きパターンを埋め込んでいるのかわからない刺激図形。</ref>そのものも錯視の仲間のように認識されることがある。 逆遠近法 望遠レンズで遠景を撮影すると、奥行き方向の傾斜が急に見える現象(図5)<ref>北岡明佳 (2020). 現代がわかる心理学 丸善出版</ref>がある。 | 立体視の錯視としては、プルフリッヒ効果(Pulfrich effect)や色立体視(chromostereopsis)<ref>黒背景に赤と青のパターンがある場合、赤は青より奥行き的に手前に見える人が多いが、少数の人は青が赤より手前に見える現象。色収差(chromatic aberration)によって生じると考えられる両眼視差(両眼網膜像差)(binocular disparity)による両眼立体視(binocular stereopsis)現象である。</ref><ref>Kitaoka, A. (2016). Chromostereopsis. in Ming Ronnier Luo (Ed.), Encyclopedia of Color Science and Technology, Vol.1, New York; Springer (pp. 114-125).</ref>がある。一般の人には、ステレオグラム(streogram)<ref>両眼視差(両眼網膜像差)を付けた2枚の画像をそれぞれ左右の目に投影することで両眼立体視による奥行き知覚を生成させるための刺激図形。画像が2枚独立ではなく複数の画像が連続しているステレオグラムは、オートステレオグラム(autostereogram)と呼ばれる。</ref>やランダムドットステレオグラム(random dot stereogram)<ref>ステレオグラムがランダムドットになっていて、単眼ではどのような奥行きパターンを埋め込んでいるのかわからない刺激図形。</ref>そのものも錯視の仲間のように認識されることがある。 逆遠近法 望遠レンズで遠景を撮影すると、奥行き方向の傾斜が急に見える現象(図5)<ref>北岡明佳 (2020). 現代がわかる心理学 丸善出版</ref>がある。 | ||
顔の錯視の例としては、ウォラストン錯視 サッチャー錯視 ホロウフェース錯視などがある。 | |||
==反転図形== | ==反転図形== | ||
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==動物の錯視== | ==動物の錯視== | ||
ヒト以外の動物にも錯視が見えるという報告がある<ref>Agrillo, C., Parrish, A.E., & Beran, M.J. (2014). Do rhesus monkeys (''Macaca mulatta'') perceive the Zöllner illusion? Psychonomic Bullutin & Review, 21, 986–994.</ref><ref>Bååth, R., Seno, T., & Kitaoka, A. (2014). Cats and illusory motion. Psychology, 5, 1131-1134.</ref><ref>Fujita, K., Blough, D.S., & Blough, P.M. (1991). Pigeons see the Ponzo illusion. Animal Learning & Behavior, 19, 283–293.</ref><ref>Nakamura, N., Watanabe, S., & Fujita, K. (2008). Pigeons perceive the Ebbinghaus-Titchener circles as an assimilation illusion. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 34(3), 375–387.</ref> | ヒト以外の動物にも錯視が見えるという報告がある<ref>Agrillo, C., Parrish, A.E., & Beran, M.J. (2014). Do rhesus monkeys (''Macaca mulatta'') perceive the Zöllner illusion? Psychonomic Bullutin & Review, 21, 986–994.</ref><ref>Bååth, R., Seno, T., & Kitaoka, A. (2014). Cats and illusory motion. Psychology, 5, 1131-1134.</ref><ref>Fujita, K., Blough, D.S., & Blough, P.M. (1991). Pigeons see the Ponzo illusion. Animal Learning & Behavior, 19, 283–293.</ref><ref>Nakamura, N., Watanabe, S., & Fujita, K. (2008). Pigeons perceive the Ebbinghaus-Titchener circles as an assimilation illusion. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 34(3), 375–387.</ref>。それによって、ヒトが錯視図形を見て知覚するような「知覚の歪み」が動物にもあることがわかる。ヒトは錯視をおもしろがるが、動物は特段錯視をおもしろがるようには見えないという違いはある<ref>繁桝算男・北岡明佳 (2018). 連載 人生の智慧のための心理学 第4回 錯覚から世界を考える? 書斎の窓(有斐閣), 655(2018年1月号), 44-48.</ref>。 | ||
[[ファイル:Veincolorillusion04L.jpg|サムネイル|図4 静脈の錯視。静脈は青く(あるいは緑っぽく)見えるが、1点を見れば彩度の低い(灰色に近い)黄色から赤の色相の色である。]] | [[ファイル:Veincolorillusion04L.jpg|サムネイル|図4 静脈の錯視。静脈は青く(あるいは緑っぽく)見えるが、1点を見れば彩度の低い(灰色に近い)黄色から赤の色相の色である。]] | ||
==錯覚の参考文献== | ==錯覚の参考文献== | ||
"The Oxford compendium of visual illusions" (2017)<ref>Shapiro, A. G. & Todorović, D. (Eds.) (2017). The Oxford compendium of visual illusions. Oxford University Press.</ref>、"The psychology of visual illusion" (1972)<ref>Robinson, J. O. (1972/1998). The psychology of visual illusion. Mineola, NY: Dover.</ref> | "The Oxford compendium of visual illusions" (2017)<ref>Shapiro, A. G. & Todorović, D. (Eds.) (2017). The Oxford compendium of visual illusions. Oxford University Press.</ref>、"Eye and brain" (1998)<sup>[2]</sup>、"The psychology of visual illusion" (1972)<ref>Robinson, J. O. (1972/1998). The psychology of visual illusion. Mineola, NY: Dover.</ref>、「錯視入門」(2010)<ref>北岡明佳 (2010). 錯視入門 朝倉書店</ref>、「錯視の科学ハンドブック」(2005)<ref>後藤倬男・田中平八(編) (2005). 錯視の科学ハンドブック 東京大学出版会</ref>、「錯覚の科学」(2020)<sup>[2]</sup>、"The invisible gorilla" (2010)<ref>Chabris, C. F. & Simons, D. J. (2010). The invisible gorilla: And other ways our intuitions deceive us. HarperCollins. (日本語訳: クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ(著)、木村博江(訳) (2011). 錯覚の科学 文藝春秋)</ref>、「からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界」(2023)<sup>[39]</sup>などがある。 | ||
[[ファイル:ベタ踏み坂.jpg|サムネイル|図5 通称「ベタ踏み坂」。島根県と鳥取県の県境にかかる江島大橋の島根県側部分である。この坂道を、中海に浮かぶ大根島から、中海越しに望遠レンズで撮影すると、垂直に近い急坂に見える。しかし、物理的には、6.1% (3.49゜) の勾配である。]] | [[ファイル:ベタ踏み坂.jpg|サムネイル|図5 通称「ベタ踏み坂」。島根県と鳥取県の県境にかかる江島大橋の島根県側部分である。この坂道を、中海に浮かぶ大根島から、中海越しに望遠レンズで撮影すると、垂直に近い急坂に見える。しかし、物理的には、6.1% (3.49゜) の勾配である。]] | ||
[[ファイル:NinioextinctionillusionL.jpg|サムネイル|図1 ニニオ・スティーブンスの消失錯視(Ninio-Stevens' extinction illusion)<ref>Ninio, J. & Stevens, K. A. (2000). Variations on the Hermann grid: an extnction illusion. Perception, 29, 1209-1217.</ref>。垂直線・水平線の交点12箇所に黒いドットが描かれているが、周辺視では消えて見える。]] | [[ファイル:NinioextinctionillusionL.jpg|サムネイル|図1 ニニオ・スティーブンスの消失錯視(Ninio-Stevens' extinction illusion)<ref>Ninio, J. & Stevens, K. A. (2000). Variations on the Hermann grid: an extnction illusion. Perception, 29, 1209-1217.</ref>。垂直線・水平線の交点12箇所に黒いドットが描かれているが、周辺視では消えて見える。]] |
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