16,040
回編集
細編集の要約なし |
細 (→受容野の網膜部位対応細胞配列) |
||
25行目: | 25行目: | ||
上述のように各層の中継細胞は反対側或いは同側の網膜から入力を受けるので、どちらかの目に入った光刺激にのみ反応するという単眼反応性を示す。この反応を惹起する部位は視野の特定の部位に限局しており受容野と呼ばれる。この受容野は、ネコLGNd中継細胞ではオン中心オフ周辺或いはオフ中心オン周辺の対立する同心円状の中心周辺拮抗型の構造を示す。他の動物種ではそれ以外の受容野構造の存在も報告されているが、基本的には視覚入力を受けるそれぞれの網膜神経節細胞の受容野とほぼ同じ構造である。 | 上述のように各層の中継細胞は反対側或いは同側の網膜から入力を受けるので、どちらかの目に入った光刺激にのみ反応するという単眼反応性を示す。この反応を惹起する部位は視野の特定の部位に限局しており受容野と呼ばれる。この受容野は、ネコLGNd中継細胞ではオン中心オフ周辺或いはオフ中心オン周辺の対立する同心円状の中心周辺拮抗型の構造を示す。他の動物種ではそれ以外の受容野構造の存在も報告されているが、基本的には視覚入力を受けるそれぞれの網膜神経節細胞の受容野とほぼ同じ構造である。 | ||
中継細胞のLGNd各層における配列は、その受容野の視野における位置に応じた順序だった配列(網膜部位対応配置と呼ばれる)をしている。例えば、ネコLGNdにおける配置の場合は、A層鼻側(内側)には対側網膜からくる中心視部分に受容野をもつ細胞が位置し、その真下のA1層には同側網膜の同じ視野部分に受容野をもつ細胞が位置する。各層の耳側(外側)に行くにしたがって対応する受容野は視野の周辺に移る。これら視野の対応する部位に受容野をもつA層とA1層の中継細胞は大脳皮質第一次視覚野の同一細胞に投射することから大脳皮質細胞の両眼反応性が成立する。ただ、最も周辺で対側眼だけで対象物を見る単眼視部分からの情報を中継する細胞は最外側に張り出しA1層を伴わないA層最外側部に位置する('''図1''')。ラット、マウスのような齧歯目では、両眼が顔面の外側に位置し、対象を両眼で見る両眼視野が約30度しかないので同側眼からの視野情報を中継する細胞は対応する対側眼からの視野情報を中継する細胞の近傍に細く線状の配列を示す。 | |||
=== 機能分化した背側核(LNGd)細胞の並列的視覚情報中継機能 === | === 機能分化した背側核(LNGd)細胞の並列的視覚情報中継機能 === |