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シナプス小胞の開口放出 | シナプス小胞の開口放出 | ||
双極細胞からのグルタミン酸放出は、活動電位ではなく緩電位(脱分極)による。P/Q型Ca2+チャネルを発現する多くの中枢神経系の神経細胞と異なり、双極細胞軸索終末にはL型Ca2+ | 双極細胞からのグルタミン酸放出は、活動電位ではなく緩電位(脱分極)による。P/Q型Ca2+チャネルを発現する多くの中枢神経系の神経細胞と異なり、双極細胞軸索終末にはL型Ca2+チャネルが発現する。L型Ca<sup>2+</sup>電流は活性が遅いものの、軸索終末でのCa2+過程は非常に急峻で、その膜電位変化に伴うシナプス遅延はわずか1 ms以下である<ref name=vonGersdorff1998><pubmed>9856472</pubmed></ref> | ||
[18] | [18]。これは一般的な神経筋などの活動電位を伴うシナプス伝達に比肩する。双極細胞の軸索終末は、視細胞終末と同様にシナプスリボン構造をもっており、放出準備にあるシナプス小胞が放出部位に繋留されている。リボン直下にはCa<sup>2+</sup>チャネルが集積しており(アクティブ・ゾーン)、光刺激に対して複数の小胞から同期的に、かつ一過性に開口放出する。一方、リボンから離れた(リボン・フリー)シナプス部位では、放出は非同期的かつ持続的に行われる<ref name=vonGersdorff1998 /><ref name=Sakaba1997><pubmed>9152048</pubmed></ref><ref name=Midorikawa2007><pubmed>17828257</pubmed></ref>[18–20]。これら一過性/持続性放出は、それぞれ異なる情報を処理すると考えられる。例えば、ラット網膜の桿体型双極細胞では、一過性放出が順応コントラストを、持続性放出が平均輝度をそれぞれ符号化する<ref name=Oesch2011><pubmed>22019730</pubmed></ref> | ||
<ref name=Sakaba1997><pubmed>9152048</pubmed></ref> | |||
<ref name=Midorikawa2007><pubmed>17828257</pubmed></ref> | |||
[18–20]。これら一過性/持続性放出は、それぞれ異なる情報を処理すると考えられる。例えば、ラット網膜の桿体型双極細胞では、一過性放出が順応コントラストを、持続性放出が平均輝度をそれぞれ符号化する<ref name=Oesch2011><pubmed>22019730</pubmed></ref> | |||
[21]。 | [21]。 | ||