「分離脳」の版間の差分

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== 脳梁離断術 ==
== 脳梁離断術 ==
=== 初期の研究 ===
=== 初期の研究 ===
てんかん患者に対する脳梁離断術は,片側で生じた異常放電が対側に伝播することを防ぐことで症状を軽減することを意図したもので,1930年代後半にヴァン・ウァーグネン(Van Wagenen, W. P.)によって20名以上に実施された。これらの患者に一連の検査を行った神経科医アケライティス(Akelaitis, A. J.)によれば,手術直後には,一部の患者で右手がドアを開けると,左手が閉める,右手が服を着ようとすると左手が脱ごうとするなどの異常(拮抗失行)が認められたが,その後消失した。その他の知覚機能や運動機能には特に問題はなく脳梁には特別な機能はないと結論された<ref name= Akelaitis1944>Akelaitis, A. J. (1944). <br>Study on gnosis, praxis, and language following section of corpus callosum and anterior commissure. Journal of Neurosurgery, 1(2), 94–102. [PubMed] [WorldCat] [DOI: 10.3171/jns.1944.1.2.0094]</ref>
 てんかん患者に対する脳梁離断術は,片側で生じた異常放電が対側に伝播することを防ぐことで症状を軽減することを意図したもので,1930年代後半にヴァン・ウァーグネン(Van Wagenen, W. P.)によって20名以上に実施された。これらの患者に一連の検査を行った神経科医アケライティス(Akelaitis, A. J.)によれば,手術直後には,一部の患者で右手がドアを開けると,左手が閉める,右手が服を着ようとすると左手が脱ごうとするなどの異常(拮抗失行)が認められたが,その後消失した。その他の知覚機能や運動機能には特に問題はなく脳梁には特別な機能はないと結論された<ref name= Akelaitis1944>Akelaitis, A. J. (1944). <br>Study on gnosis, praxis, and language following section of corpus callosum and anterior commissure. Journal of Neurosurgery, 1(2), 94–102.[DOI: 10.3171/jns.1944.1.2.0094]</ref><ref name=Zaidel2004>Zaidel, E., Iacoboni, M., Zaidel, D., & Bogen, J. (2003).<br>The callosal syndromes. In K. M. Heilman & E. Valenstein (Eds.), Clinical neuropsychology (pp. 347–403). New York: Oxford University Press. </ref>[4][5]。
<ref Zaidel2004>Zaidel, E., Iacoboni, M., Zaidel, D., & Bogen, J. (2003).<br>The callosal syndromes. In K. M. Heilman & E. Valenstein (Eds.), Clinical neuropsychology (pp. 347–403). New York: Oxford University Press. </ref>[4][5]。


=== スペリーとガザニガの研究 ===
=== スペリーとガザニガの研究 ===

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