「オリゴデンドロサイト前駆細胞」の版間の差分

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 牛の[[脳梁]]を抗原として作製されたモノクローナル抗体O4とO1は、しばしばオリゴデンドロサイト系譜細胞の解析に用いられている。このうちO1は、ガラクトセレブロシド(galactocerebroside; GalC)と[[モノガラクトシルジグリセリド]]を認識し、分化したオリゴデンドロサイトのマーカーとして用いられている<ref name=ref20><pubmed>6786942</pubmed></ref>。O4は[[wikipedia:JA:スルファチド|スルファチド]]、[[セミノリピド]]、[[コレステロール]]が抗原として同定されており、これらは比較的分化の進んだオリゴデンドロサイトで発現している。一方。O4はOPCもしくはこれよりやや分化の進んだpro-oligodendroblastも認識するが、OPCで発現しているO4に認識される脂質は同定されていない<ref name=ref21><pubmed>1573402</pubmed></ref>。
 牛の[[脳梁]]を抗原として作製されたモノクローナル抗体O4とO1は、しばしばオリゴデンドロサイト系譜細胞の解析に用いられている。このうちO1は、ガラクトセレブロシドと[[モノガラクトシルジグリセリド]]を認識し、分化したオリゴデンドロサイトのマーカーとして用いられている<ref name=ref20><pubmed>6786942</pubmed></ref>。O4は[[wikipedia:JA:スルファチド|スルファチド]]、[[セミノリピド]]、[[コレステロール]]が抗原として同定されており、これらは比較的分化の進んだオリゴデンドロサイトで発現している。一方。O4はOPCもしくはこれよりやや分化の進んだpro-oligodendroblastも認識するが、OPCで発現しているO4に認識される脂質は同定されていない<ref name=ref21><pubmed>1573402</pubmed></ref>。


 最近では、これらのマーカー分子を用いたgenetic fate mappingにより、それぞれの細胞系譜が詳細に明らかにされるようになってきた。すなわち、系譜マーカーを発現する細胞に[[Creリコンビナーゼ]]を発現させたマウスを作製し、これをレポーターマウスと交配することにより、生体内で細胞系譜を追跡できるようになった。Sox10-Creマウス、PDGFRα-Creマウス、Olig2-CreER マウス、NG2-CreERT2マウスなどが主に使われている。
 最近では、これらのマーカー分子を用いたgenetic fate mappingにより、それぞれの細胞系譜が詳細に明らかにされるようになってきた。すなわち、系譜マーカーを発現する細胞に[[Creリコンビナーゼ]]を発現させたマウスを作製し、これをレポーターマウスと交配することにより、生体内で細胞系譜を追跡できるようになった。Sox10-Creマウス、PDGFRα-Creマウス、Olig2-CreER マウス、NG2-CreERT2マウスなどが主に使われている。


==発生・分化様式とその調節機構 ==
==発生・分化様式とその調節機構 ==

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