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英語名:addiction 独:Sucht 仏:addiction | 英語名:addiction 独:Sucht 仏:addiction | ||
依存症とは、精神に作用する[[wikipedia:JA:化学物質|化学物質]]の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める耐えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行為が優勢となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる、精神的・身体的・行動的状態のことである。依存症は、(1)物質依存、(2)行為・過程依存、(3)ある特定の人物に依存する関係依存、に大別される。物質依存には、[[wikipedia:JA:薬物依存症|薬物依存]]、[[wikipedia:JA:ニコチン依存症|ニコチン依存]] | 依存症とは、精神に作用する[[wikipedia:JA:化学物質|化学物質]]の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める耐えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行為が優勢となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる、精神的・身体的・行動的状態のことである。依存症は、(1)物質依存、(2)行為・過程依存、(3)ある特定の人物に依存する関係依存、に大別される。物質依存には、[[wikipedia:JA:薬物依存症|薬物依存]]、[[wikipedia:JA:ニコチン依存症|ニコチン依存]]、食物依存などがある。行為・過程依存には、[[wikipedia:JA:買い物依存症|買い物依存]]、[[wikipedia:JA:ギャンブル依存症|ギャンブル依存]]、[[wikipedia:JA:性依存症|セックス依存]]、最近では、携帯電話・ゲーム機、インターネット、テレビゲームへの依存などがある。関係依存には、共依存(人に必要とされることに依存)などがある。 | ||
特に物質依存は依存性物質を心身に重大な障害や苦痛を引き起こすほどに使用し、それらの物質に対する耐性や離脱などの問題が生じている精神疾患であり、深刻な社会問題となっている。依存性物質には違法薬物のみでなく[[wikipedia:JA:アルコール|アルコール]]など私たちの日常生活に身近な物質も含まれる。依存性物質の種類としては、中枢神経系抑制薬(アルコール、[[モルヒネ]]、[[睡眠薬]]など)、中枢神経系興奮薬([[メタンフェタミン]]などの[[覚せい剤]]、[[コカイン]]など)あるいは精神異常発現薬([[大麻]]、[[LSD]] など)などがあり、薬理作用の異なる種々の物質が依存を誘発する。 | 特に物質依存は依存性物質を心身に重大な障害や苦痛を引き起こすほどに使用し、それらの物質に対する耐性や離脱などの問題が生じている精神疾患であり、深刻な社会問題となっている。依存性物質には違法薬物のみでなく[[wikipedia:JA:アルコール|アルコール]]など私たちの日常生活に身近な物質も含まれる。依存性物質の種類としては、中枢神経系抑制薬(アルコール、[[モルヒネ]]、[[睡眠薬]]など)、中枢神経系興奮薬([[メタンフェタミン]]などの[[覚せい剤]]、[[コカイン]]など)あるいは精神異常発現薬([[大麻]]、[[LSD]] など)などがあり、薬理作用の異なる種々の物質が依存を誘発する。 | ||
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== 疫学 == | == 疫学 == | ||
平成20年の[[wikipedia:JA:厚生労働省|厚生労働省]] | 平成20年の[[wikipedia:JA:厚生労働省|厚生労働省]]の患者調査によると[[アルコール依存症]]の推計患者数は13100人(総患者数44000人)とされているが、一方で日本の一般人口1億2000万人における調査では約80万人がアルコール依存症であるとされており<ref>'''尾崎米厚、松下幸生、白坂知信、廣 尚典、樋口 進'''<br>わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査<br>''日本アルコール・薬物医学会雑'':2005, 40(5), 455–70</ref>、治療を受けていないアルコール依存症罹患者が多く存在するという点においても大きな問題があると言える。平成19年の[[wikipedia:JA:警察庁|警察庁]]、厚生労働省、[[wikipedia:JA:海上保安庁|海上保安庁]]の調査によると、国内の薬物事犯検挙人数は、覚せい剤12211名、麻薬・抗精神薬(向精神薬でしょうか?)が542名、[[アヘン]]が47名、大麻が2375名と報告されている。 | ||
== 依存症の脳内メカニズム == | == 依存症の脳内メカニズム == | ||
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=== 依存性物質と報酬系 === | === 依存性物質と報酬系 === | ||
依存性物質は[[シナプス伝達]]に影響を与える特異的な標的、たとえば[[モノアミントランスポーター]]、[[オピオイド受容体]]、[[カンナビノイド受容体]]、[[セロトニン受容体]]、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]、[[GABA受容体]]、[[ニコチン性アセチルコリン受容体]]、[[アデノシン受容体]] | 依存性物質は[[シナプス伝達]]に影響を与える特異的な標的、たとえば[[モノアミントランスポーター]]、[[オピオイド受容体]]、[[カンナビノイド受容体]]、[[セロトニン#.E3.82.BB.E3.83.AD.E3.83.88.E3.83.8B.E3.83.B3.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|セロトニン受容体]]、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]、[[GABA受容体]]、[[ニコチン性アセチルコリン受容体]]、[[アデノシン受容体]]などに作用する(図1)。これらの作用が次の標的分子へ作用するといった連鎖の結果、最終的に快情動([[報酬]]効果)を発現させる。依存性薬物が共通に作用する部位として[[腹側被蓋野]]の[[ドーパミン神経細胞]]から[[辺縁系]]、特に[[側坐核]]に投射する神経回路がある<ref><pubmed>9768834</pubmed></ref><ref><pubmed>11252991</pubmed></ref><ref><pubmed>15102958</pubmed></ref>。快情動を伴う体験をするときに、中脳の腹側被蓋野から前脳の側坐核へむかってのびているドーパミン神経細胞が[[ドーパミン]]を放出し、ドーパミンを受け取った側坐核のニューロンで反応が起きることによって快情動が生じる。通常ドーパミン神経細胞は[[抑制性ニューロン]]によって働きが抑えられているが、依存性物質が抑制性ニューロンの働きを抑えることなどによって、ドーパミン神経細胞からドーパミンが大量に放出される。依存症では、その快情動の再体験を求めて依存性物質の使用と快情動の体験が繰り返されることで、依存性物質の使用が強化される。 | ||
また、側坐核にはモルヒネや[[ヘロイン]]などの麻薬の受容体が存在することから、依存性物質の報酬効果にはドーパミン系に加えて[[オピオイド]]系も重要である<ref><pubmed>1346804</pubmed></ref>。オピオイド受容体以外にも依存性物質の標的分子は側坐核や腹側被蓋野に投射する神経細胞に多数存在する。 | また、側坐核にはモルヒネや[[ヘロイン]]などの麻薬の受容体が存在することから、依存性物質の報酬効果にはドーパミン系に加えて[[オピオイド]]系も重要である<ref><pubmed>1346804</pubmed></ref>。オピオイド受容体以外にも依存性物質の標的分子は側坐核や腹側被蓋野に投射する神経細胞に多数存在する。 | ||
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=== 依存症におけるGIRKチャネルと報酬系の関連 === | === 依存症におけるGIRKチャネルと報酬系の関連 === | ||
[[ | [[Gタンパク質活性型内向き整流性カリウムチャネル]](G protein-activated inwardly rectifying potassium channel: GIRKチャネル)は依存性物質のシグナル伝達において重要な役割を果たしている。様々な[[Gタンパク質共役型受容体|G<sub>i/o</sub>タンパク質共役型受容体]]に[[神経伝達物質]]が作用することによって[[GTP結合タンパク質|G<sub>i/o</sub>タンパク質]]が活性化され、Gタンパク質αサブユニットから遊離したGタンパク質βγサブユニットがGIRKチャネルを直接開口する<ref><pubmed>10997585</pubmed></ref><ref><pubmed>17168757</pubmed></ref>。また、エタノールはGIRKチャネルを直接開口することも見出されている<ref name="ref8"><pubmed>10570486</pubmed></ref><ref><pubmed>10570485</pubmed></ref>。GIRKチャネルの開口によって細胞膜は[[過分極]]化し、神経細胞の興奮性を調節する。[[wikipedia:JA:哺乳類|哺乳類]]において4つのGIRKチャネルサブユニットが知られている<ref><pubmed>8355805</pubmed></ref><ref><pubmed>7877685</pubmed></ref><ref><pubmed>7499385</pubmed></ref>。GIRK2サブユニットに1つのアミノ酸変異([[wikipedia:JA:カリウム|カリウム]]イオンだけでなく[[wikipedia:JA:ナトリウム|ナトリウム]]イオンも透過させ、Gタンパク質制御も消失している)を持つウィーバーミュータントマウスでは、[[小脳顆粒細胞]]や[[黒質]]ドーパミン神経細胞、[[橋核]]神経細胞における[[神経細胞死]]が生じており、モルヒネおよびエタノールによる鎮痛が減弱している<ref name="ref8" /><ref><pubmed>12354627</pubmed></ref>。したがって、GIRKチャネルがモルヒネやエタノールの鎮痛効果において決定的な役割を果たすと考えられる。さらに、GIRKチャネル欠損マウスでは、コカインの自己投与が消失することも示されている<ref><pubmed>12637950</pubmed></ref>。また、開腹手術の患者を対象にした研究では、GIRK2サブユニットのA1032G多型がA/Aタイプの場合、脳内のGIRK2サブユニットの[[wikipedia:JA:mRNA|mRNA]]mRNA量が減少することによって、GIRKサブユニットタンパク質量も減少して、オピオイド感受性が低下するために、術後の疼痛に対して必要なオピオイド投与回数が増加している可能性が示唆されている<ref><pubmed>19756153</pubmed></ref>。 | ||
=== 各依存性物質の脳神経画像研究 === | === 各依存性物質の脳神経画像研究 === | ||
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==== アルコール ==== | ==== アルコール ==== | ||
オピオイド受容体の[[μサブタイプ]]は、アルコールによる報酬、耐性、離脱に関連している。近年のPET研究によると、アルコール依存症患者の脳内腹側線条体におけるμオピオイド受容体が増加しており、その増加はアルコールの渇望感と関連することが報告されている<ref><pubmed>15630073</pubmed></ref>。また断酒中のアルコール依存症患者における[[前帯状皮質]]のオピオイド受容体と渇望感との相関も認められている<ref><pubmed>19595579</pubmed></ref> | オピオイド受容体の[[μオピオイド受容体|μサブタイプ]]は、アルコールによる報酬、耐性、離脱に関連している。近年のPET研究によると、アルコール依存症患者の脳内腹側線条体におけるμオピオイド受容体が増加しており、その増加はアルコールの渇望感と関連することが報告されている<ref><pubmed>15630073</pubmed></ref>。また断酒中のアルコール依存症患者における[[前帯状皮質]]のオピオイド受容体と渇望感との相関も認められている<ref><pubmed>19595579</pubmed></ref>。断酒中のアルコール依存症患者の線条体におけるドーパミン合成能やドーパミンD<sub>2</sub>・D<sub>3</sub>[[受容体]]結合能とアルコールに対する渇望が相関している<ref><pubmed>16055774</pubmed></ref>。断酒中のアルコール依存患者において腹側線条体の[[セロトニン#5-HT1.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|セロトニン受容体<sub>1B</sub>]]受容体(5-HT<sub>1B</sub>)の結合能が上昇していることも報告されている<ref><pubmed>20172504</pubmed></ref>。 | ||
==== 覚せい剤 ==== | ==== 覚せい剤 ==== | ||
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覚せい剤は主に脳内ドーパミン神経終末に作用し、シナプス間隙におけるドーパミン量を増加させることによって薬理作用を出現させる。覚せい剤の使用は長期にわたり脳内ドーパミン神経終末に障害を及ぼすことが脳神経画像研究から明らかになっている。たとえば、覚せい剤乱用者では、大脳基底核におけるドーパミンD<sub>2</sub>受容体が減少しており、ドーパミンD<sub>2</sub>受容体と[[眼窩前頭皮質]]における局所糖代謝率が関連して<ref><pubmed>11729018</pubmed></ref>、薬物依存症患者の線条体におけるドーパミンD<sub>2</sub>・D<sub>3</sub>受容体利用率が健常者より低下しており、この低下が患者の衝動性と負の相関関係にあることが報告されている<ref><pubmed>19940168</pubmed></ref> | 覚せい剤は主に脳内ドーパミン神経終末に作用し、シナプス間隙におけるドーパミン量を増加させることによって薬理作用を出現させる。覚せい剤の使用は長期にわたり脳内ドーパミン神経終末に障害を及ぼすことが脳神経画像研究から明らかになっている。たとえば、覚せい剤乱用者では、大脳基底核におけるドーパミンD<sub>2</sub>受容体が減少しており、ドーパミンD<sub>2</sub>受容体と[[眼窩前頭皮質]]における局所糖代謝率が関連して<ref><pubmed>11729018</pubmed></ref>、薬物依存症患者の線条体におけるドーパミンD<sub>2</sub>・D<sub>3</sub>受容体利用率が健常者より低下しており、この低下が患者の衝動性と負の相関関係にあることが報告されている<ref><pubmed>19940168</pubmed></ref> | ||
また、覚せい剤はセロトニン神経系にも作用する。PET研究により、覚せい剤使用経験者の脳内[[セロトニントランスポーター]](5-hydroxytryptamine transporter: 5-HTT)の密度が健常者よりも低下していること、その低下が彼らの攻撃性の強さと相関していることが報告されている<ref><pubmed>16389202</pubmed></ref>。 | また、覚せい剤はセロトニン神経系にも作用する。PET研究により、覚せい剤使用経験者の脳内[[セロトニン#.E3.82.BB.E3.83.AD.E3.83.88.E3.83.8B.E3.83.B3.E3.83.88.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.82.B9.E3.83.9D.E3.83.BC.E3.82.BF.E3.83.BC|セロトニントランスポーター]](5-hydroxytryptamine transporter: 5-HTT)の密度が健常者よりも低下していること、その低下が彼らの攻撃性の強さと相関していることが報告されている<ref><pubmed>16389202</pubmed></ref>。 | ||
また断薬後も数年の間は脳内活性型[[ミクログリア]]の密度が健常者よりも上昇しており、このことが神経障害の継続に関連している可能性も示されている<ref><pubmed>18509037</pubmed></ref>。 | また断薬後も数年の間は脳内活性型[[ミクログリア]]の密度が健常者よりも上昇しており、このことが神経障害の継続に関連している可能性も示されている<ref><pubmed>18509037</pubmed></ref>。 | ||
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==== 合成麻薬MDMA ==== | ==== 合成麻薬MDMA ==== | ||
脳画像研究では、[[ | 脳画像研究では、[[メチレンジオキシメタンフェタミン]]MDMAを使用した者において脳の多くの領域で5-HTTの減少が認められ、断薬によってその減少は回復すると報告されている<ref><pubmed>16847678</pubmed></ref>。 | ||
==== ニコチン ==== | ==== ニコチン ==== | ||
PET研究によると、喫煙によって脳内線条体におけるドーパミン放出が増加することがニコチン依存の形成にかかわると考えられている<ref><pubmed>15979645</pubmed></ref>。喫煙依存者で喫煙による側坐核におけるドーパミン放出が[[ドーパミントランスポーター]](DAT)、[[ドーパミンD<sub>4</sub>受容体]] | PET研究によると、喫煙によって脳内線条体におけるドーパミン放出が増加することがニコチン依存の形成にかかわると考えられている<ref><pubmed>15979645</pubmed></ref>。喫煙依存者で喫煙による側坐核におけるドーパミン放出が[[ドーパミントランスポーター]](DAT)、[[ドーパミンD4受容体|ドーパミンD<sub>4</sub>受容体]]、[[カテコールO-メチル基転移酵素]](catechol O-methyl transferase, COMT)と関連することも報告されている<ref><pubmed>16818870</pubmed></ref>。 | ||
==== ヘロイン ==== | ==== ヘロイン ==== | ||
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==== 大麻 ==== | ==== 大麻 ==== | ||
[[fMRI]]を用いた研究<ref><pubmed>19656642</pubmed></ref> | [[fMRI]]を用いた研究<ref><pubmed>19656642</pubmed></ref>では、慢性的で重度の大麻使用者は感情を表す顔(幸せあるいは恐怖)をマスクした状況でも[[前頭葉]]や[[辺縁系]]が変化していた。この結果は、大麻使用者は提示される刺激が意識処理より下の段階にある時でさえ、[[情動]]処理が異なっており、感情に関する情報処理が異なる可能性が強調されている。 | ||
==== ギャンブル ==== | ==== ギャンブル ==== | ||
ギャンブル依存ではセロトニンの機能異常、尿中、血中、[[髄液]]中の[[ノルアドレナリン]]代謝産物レベルが上昇していることや[[αアドレナリン受容体]][[拮抗薬]]に対する[[成長ホルモン]]反応が増大していることからノルアドレナリン機能異常、髄液中のドーパミンレベルの低下およびドーパミン代謝産物レベルの上昇が見られることからドーパミンの代謝回転の上昇が報告されている<ref><pubmed>12635538</pubmed></ref>。 | |||
ギャンブルに関する刺激と感情(悲しみ、幸福感)に関する刺激を提示してfMRIによる脳神経画像をギャンブル依存者と健常人を比較すると、ギャンブル依存の人は情動・モチベーションに反応が生じる際の脳活動と情動やモチベーションの自己報告との相関の強さがより顕著であり、ギャンブルへの衝動性の主観的評価と[[内側前頭前野皮質]]の活動との負の相関、[[中側頭回]]および[[側頭極]]の活動との正の相関を示した<ref><pubmed>21811809</pubmed></ref>。 | ギャンブルに関する刺激と感情(悲しみ、幸福感)に関する刺激を提示してfMRIによる脳神経画像をギャンブル依存者と健常人を比較すると、ギャンブル依存の人は情動・モチベーションに反応が生じる際の脳活動と情動やモチベーションの自己報告との相関の強さがより顕著であり、ギャンブルへの衝動性の主観的評価と[[内側前頭前野皮質]]の活動との負の相関、[[中側頭回]]および[[側頭極]]の活動との正の相関を示した<ref><pubmed>21811809</pubmed></ref>。 | ||
102行目: | 102行目: | ||
==== ベンゾジアゼピン系薬物 ==== | ==== ベンゾジアゼピン系薬物 ==== | ||
[[γ-アミノ酪酸]](γ-aminobutyric acid: | [[GABA|γ-アミノ酪酸]](γ-aminobutyric acid: GABA)受容体を活性化する[[ベンゾジアゼピン]]系薬物の場合、急性期解毒に対しては拮抗薬が用いられ、離脱期には主として長期作用型のベンゾジアゼピン系薬物が用いられる<ref>'''鈴木勇一、井澤志名野、村崎光邦(著)、和田 清(編)'''<br>ベンゾジアゼピン系薬物の臨床用量依存について(精神医学レビュー34、薬物依存)<br>''ライフ・サイエンス''、2000;74–79</ref>。 | ||
==== オピオイド ==== | ==== オピオイド ==== |