「Nk2ホメオボックスファミリー」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
(WikiSysop がページ「NK2ホメオボックスファミリー」を「Nk2ホメオボックスファミリー」に移動しました)
編集の要約なし
11行目: 11行目:
[[ファイル:Goto NK2homeobox Fig.png|サムネイル|'''図1. Nkx2-2のドメイン構造'''<br>TN:Tinmanドメイン、HD:ホメオボックスドメイン、SD:Nk2 specificドメイン、TAD:Transactivation ドメイン]]
[[ファイル:Goto NK2homeobox Fig.png|サムネイル|'''図1. Nkx2-2のドメイン構造'''<br>TN:Tinmanドメイン、HD:ホメオボックスドメイン、SD:Nk2 specificドメイン、TAD:Transactivation ドメイン]]
== 分子構造 ==
== 分子構造 ==
 Nk2ファミリー転写因子の遺伝子産物は、ファミリー間で保存されたドメイン構造を持っている。典型的な例として、Nkx2-2のドメイン構造を図1に示す。N末端側には[[Tinmanドメイン]](TN)、中央には[[ホメオボックスドメイン]](HD;[[ホメオドメイン]]とも呼ばれる)、C末端側に存在する[[Nk2特異的ドメイン]] (SD)およびト[[ランスアクティベーションドメイン]] (TADドメイン)である。ホメオボックスドメインはNk2ファミリーの機能において最も重要な構造であると考えられるが、他のドメインも転写調節に関与することが報告されている。TNドメインは、[[Engrailed1]]転写因子の一部に相同性の高い10アミノ酸程度の配列であり、Nkx2-2では他の転写抑制因子と相互作用することが報告されている<ref name=Evans1995><pubmed>8582297</pubmed></ref>。また、Nkx2-2ではC末端側のSDドメインが転写活性の調節に関与することが報告されている<ref name=Watada2000><pubmed>10944215</pubmed></ref>。
 Nk2ファミリー転写因子の遺伝子産物は、ファミリー間で保存されたドメイン構造を持っている。典型的な例として、Nkx2-2のドメイン構造を図1に示す。N末端側には[[Tinmanドメイン]](TN)、中央には[[ホメオボックスドメイン]](HD;[[ホメオドメイン]]とも呼ばれる)、C末端側に存在する[[Nk2特異的ドメイン]] (SD)およびト[[ランスアクティベーションドメイン]] (TADドメイン)である。ホメオボックスドメインはNk2ファミリーの機能において最も重要な構造であると考えられるが、他のドメインも転写調節に関与することが報告されている。TNドメインは、[[Engrailed1]]転写因子の一部に相同性の高い10アミノ酸程度の配列であり、[[Nkx2-2]]では他の転写抑制因子と相互作用することが報告されている<ref name=Evans1995><pubmed>8582297</pubmed></ref>。また、Nkx2-2ではC末端側のSDドメインが転写活性の調節に関与することが報告されている<ref name=Watada2000><pubmed>10944215</pubmed></ref>。
== サブファミリー ==
== サブファミリー ==
 Nk2ファミリー遺伝子は、遺伝子間の相同性や機能的類似性からNkx2-1サブファミリ―とNkx2-2サブファミリーに分類され、それぞれ異なる機能を有していると考えられる<ref name=Kouwenhoven2021><pubmed>34884468</pubmed></ref><ref name=Mio2023><pubmed>37492711</pubmed></ref>。
 Nk2ファミリー遺伝子は、遺伝子間の相同性や機能的類似性からNkx2-1サブファミリ―とNkx2-2サブファミリーに分類され、それぞれ異なる機能を有していると考えられる<ref name=Kouwenhoven2021><pubmed>34884468</pubmed></ref><ref name=Mio2023><pubmed>37492711</pubmed></ref>。
22行目: 22行目:


== 発現パターンと発現制御 ==
== 発現パターンと発現制御 ==
 マウスでのNk2ファミリーの発現する組織および細胞を'''表'''に示す。Nk2ファミリーのうち、Nkx2-1, Nkx2-2, Nkx2-9といった転写因子は、主に胚の腹側構造に発現しており、その発現は胚の形態形成において重要な[[ソニック・ヘッジホッグ]] ([[sonic hedgehog]]; [[Shh]])シグナルによって制御されている。一方で、Nkx2-3、Nkx2-5、Nkx2-6の発現制御はShhシグナル非依存的であることが知られている<ref name=Pabst2000><pubmed>10603087</pubmed></ref>。
 マウスでのNk2ファミリーの発現する組織および細胞を'''表'''に示す。Nk2ファミリーのうち、Nkx2-1、Nkx2-2、Nkx2-9といった転写因子は、主に胚の腹側構造に発現しており、その発現は胚の形態形成において重要な[[ソニック・ヘッジホッグ]] ([[sonic hedgehog]]; [[Shh]])シグナルによって制御されている。一方で、Nkx2-3、Nkx2-5、Nkx2-6の発現制御はShhシグナル非依存的であることが知られている<ref name=Pabst2000><pubmed>10603087</pubmed></ref>。
{| class="wikitable"
{| class="wikitable"
! Nk2ファミリー分子名 !! 発現している主な組織、細胞 !! 参考文献
! Nk2ファミリー分子名 !! 発現している主な組織、細胞 !! 参考文献

ナビゲーション メニュー