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エストロゲンは雌の性行動にも深く関与する。多くのげっ歯類では、[[生殖行動の神経回路|ロードーシス]]の発現は卵巣から分泌されるエストロゲンにより制御され、通常の性周期では、ロードーシス反射はエストロゲン分泌の高まる排卵前後でのみ起こる。また卵巣を摘出しても、通常のホルモン分泌パターンと類似させ、エストロゲンとプロゲステロンを連続的に投与すると雌はロードーシスを示す。エストロゲン受容体には[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERα]]と[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERβ]]の2種類が存在するが、ロードーシス反射に関与しているのは主にERαだと考えられている。ERα遺伝子を損傷したαERKOマウスの雌は、エストロゲンとプロゲステロンを投与しても全くロードーシスを示さない。一方ERβ遺伝子を欠損したERβKOマウスの雌は通常の性周期を示し、発情期には野生型の雌とほぼ同等のロードーシス反応を示す<ref><pubmed>10536018</pubmed></ref><ref><pubmed>9832446</pubmed></ref> 。<br> | エストロゲンは雌の性行動にも深く関与する。多くのげっ歯類では、[[生殖行動の神経回路|ロードーシス]]の発現は卵巣から分泌されるエストロゲンにより制御され、通常の性周期では、ロードーシス反射はエストロゲン分泌の高まる排卵前後でのみ起こる。また卵巣を摘出しても、通常のホルモン分泌パターンと類似させ、エストロゲンとプロゲステロンを連続的に投与すると雌はロードーシスを示す。エストロゲン受容体には[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERα]]と[[wikipedia:ja:エストロゲン受容体#.E6.A0.B8.E5.86.85.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|ERβ]]の2種類が存在するが、ロードーシス反射に関与しているのは主にERαだと考えられている。ERα遺伝子を損傷したαERKOマウスの雌は、エストロゲンとプロゲステロンを投与しても全くロードーシスを示さない。一方ERβ遺伝子を欠損したERβKOマウスの雌は通常の性周期を示し、発情期には野生型の雌とほぼ同等のロードーシス反応を示す<ref><pubmed>10536018</pubmed></ref><ref><pubmed>9832446</pubmed></ref> 。<br> | ||
==== | ====ニューロステロイド==== | ||
脳で合成されるステロイドをニューロステロイドと呼ぶ。ニューロステロイドの研究は、フランスの内分泌学者Baulieuが1981年にラットの脳にプレグネノロンと[[デヒドロエピアンドロステロン]](DHEA)を見出したことより始まり、現在では、[[wikipedia:ja:脊椎動物|脊椎動物]]のほとんどがニューロステロイドを合成していることが知られる<ref><pubmed>19505496 </pubmed></ref>。 | 脳で合成されるステロイドをニューロステロイドと呼ぶ。ニューロステロイドの研究は、フランスの内分泌学者Baulieuが1981年にラットの脳にプレグネノロンと[[デヒドロエピアンドロステロン]](DHEA)を見出したことより始まり、現在では、[[wikipedia:ja:脊椎動物|脊椎動物]]のほとんどがニューロステロイドを合成していることが知られる<ref><pubmed>19505496 </pubmed></ref>。 |