「受容野」の版間の差分

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 この手法では、インターバルを挟みながら1回ごとに異なる位置に刺激を呈示するため、計測位置の数が多くなるにつれて、膨大な計測時間が必要となる。この問題を解決し、比較的短時間で受容野構造を詳細に計測する方法が逆相関法である。この方法では、先の方法のように刺激位置ごとに試行を分けるのではなく、10ミリ秒程度のフラッシュ光がさまざまな位置にランダムに連続呈示し、この期間のスパイク活動を連続計測する。受容野構造を求めるには、刺激位置ごとにカウンターを設けておき、各スパイクが生じた一定時間前(この時間のことを遅延時間とよぶ)に呈示されていた刺激位置のカウンターを1増やすという操作を行う。得られた全スパイクについてこの操作を行ったのちに得られるカウンターの空間マップは、細胞がどの空間位置の刺激にたいして発火しやすいのかを表す受容野構造そのものとなっている(図1)。現在この方法は最も精度の高い古典的受容野計測法として広く用いられている。
 この手法では、インターバルを挟みながら1回ごとに異なる位置に刺激を呈示するため、計測位置の数が多くなるにつれて、膨大な計測時間が必要となる。この問題を解決し、比較的短時間で受容野構造を詳細に計測する方法が逆相関法である。この方法では、先の方法のように刺激位置ごとに試行を分けるのではなく、10ミリ秒程度のフラッシュ光がさまざまな位置にランダムに連続呈示し、この期間のスパイク活動を連続計測する。受容野構造を求めるには、刺激位置ごとにカウンターを設けておき、各スパイクが生じた一定時間前(この時間のことを遅延時間とよぶ)に呈示されていた刺激位置のカウンターを1増やすという操作を行う。得られた全スパイクについてこの操作を行ったのちに得られるカウンターの空間マップは、細胞がどの空間位置の刺激にたいして発火しやすいのかを表す受容野構造そのものとなっている(図1)。現在この方法は最も精度の高い古典的受容野計測法として広く用いられている。
===時空間受容野と逆相関法===
 細胞は、空間的に外界の信号を加算して信号を瞬時に出力するわけでなく、過去一定時間内の入力信号を加算して出力する。細胞の現在の出力が、過去に呈示された信号にどのように依存するのかを表した時間特性を時間受容野とよぶ。空間受容野と時間受容野を合わせて時空間受容野と呼んでいる(後図5参照)。
  時間受容野は、別の見方をすれば、外界刺激の呈示後、どのようなタイミングで細胞が発火しやすいのかという応答の時間特性を表していると捉えることもできる。  
 逆相関法において遅延時間を変えることで得られる、細胞がスパイクを発する直前の空間受容野の時系列が時空間受容野そのものになる。このように効率よく時空間受容野を求めることができることは逆相関法の大きな利点である。この構造は空間2次元+時間1次元の合計3次元の構造となるので紙面等で表すのは不便である。このため時空間受容野を表すときは、ある軸に沿って空間受容野を積分して2次元で表す場合が多い(後図5参照)。
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