「グレリン」の版間の差分

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[[ファイル:Kojima Ghrelin Fig3.png|サムネイル|'''図3. 脊椎動物グレリンのアミノ酸配列比較'''<br>グレリンは脊椎動物一般に存在して、N 末端の活性に必要な部分のアミノ酸配列が非常によく保存されている。特に3番目のアミノ酸は両生類を除いてセリン残基であり、この部位が脂肪酸(主としてn-オクタン酸)によって修飾されている。両生類のグレリンは現在2種明らかになっており、3番目のアミノ酸はどちらもトレオニンである。セリンとトレオニンはともに側鎖にOH 基を持つ同族のアミノ酸で、両生類グレリンのトレオニンも脂肪酸によって修飾されている。魚類のグレリンはC 末端がアミド構造になっている。<ref name=Kojima2005><pubmed>15788704</pubmed></ref>より改変。]]
[[ファイル:Kojima Ghrelin Fig3.png|サムネイル|'''図3. 脊椎動物グレリンのアミノ酸配列比較'''<br>グレリンは脊椎動物一般に存在して、N 末端の活性に必要な部分のアミノ酸配列が非常によく保存されている。特に3番目のアミノ酸は両生類を除いてセリン残基であり、この部位が脂肪酸(主としてn-オクタン酸)によって修飾されている。両生類のグレリンは現在2種明らかになっており、3番目のアミノ酸はどちらもトレオニンである。セリンとトレオニンはともに側鎖にOH 基を持つ同族のアミノ酸で、両生類グレリンのトレオニンも脂肪酸によって修飾されている。魚類のグレリンはC 末端がアミド構造になっている。<ref name=Kojima2005><pubmed>15788704</pubmed></ref>より改変。]]
== 構造 ==
== 構造 ==
 グレリンは、主に胃粘膜で合成・分泌される。その構造的特徴は、特定の脂肪酸修飾(アシル化)を受けることにある。本章では、グレリンの一次構造と修飾、異なる分子形態、さらには種間の構造的保存性について述べる。
 グレリンは、主に胃粘膜で合成・分泌される。その構造的特徴は、特定の脂肪酸修飾(アシル化)を受けることにある。
 
===前駆体===
 グレリンはmRNAから、まずプレプログレリン(preproghrelin) と呼ばれる117アミノ酸残基(ヒトの場合)からなる前駆体タンパク質として合成される。そのN末端にはシグナルペプチドが存在する。このシグナルペプチドは、シグナルペプチダーゼにより切断されることで プログレリン(proghrelin, 94残基) が生成される。プログレリンはさらに酵素的切断を受け、グレリンとなる。


=== 一次構造と脂肪酸修飾 ===
=== 一次構造と脂肪酸修飾 ===

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