16,040
回編集
71行目: | 71行目: | ||
[[Image:辞典07.jpg|thumb|200px|'''図7.小脳のプルキンエ細胞の細胞内コンパートメント特異的な投射'''<br>プルキンエ細胞は様々な介在ニューロンから投射を受けるが、そのシナプスの形成される場所は特異的な細胞内コンパートメントに形成される。バスケット細胞は軸索のイニシャルセグメント(AIS)にシナプスを形成するが、その形成には神経細胞接着因子であるneurofascinのプルキンエ細胞内での濃度勾配様の局在が(neurofascinがイニシャルセグメントのところに集中する)重要であることが明らかになっている。]] | [[Image:辞典07.jpg|thumb|200px|'''図7.小脳のプルキンエ細胞の細胞内コンパートメント特異的な投射'''<br>プルキンエ細胞は様々な介在ニューロンから投射を受けるが、そのシナプスの形成される場所は特異的な細胞内コンパートメントに形成される。バスケット細胞は軸索のイニシャルセグメント(AIS)にシナプスを形成するが、その形成には神経細胞接着因子であるneurofascinのプルキンエ細胞内での濃度勾配様の局在が(neurofascinがイニシャルセグメントのところに集中する)重要であることが明らかになっている。]] | ||
マウスの[[海馬]]では、脳の様々な領域からの入力が錐体細胞の樹状突起の特異的な領域にターゲッティングをすることが知られている。CA3領域の一番外側の層には[[ | マウスの[[海馬]]では、脳の様々な領域からの入力が錐体細胞の樹状突起の特異的な領域にターゲッティングをすることが知られている。CA3領域の一番外側の層には[[内側嗅皮質]]からのtemporoammonic fiber、中間部にはCA3[[錐体細胞]]自身の連合線維、そして一番の近位の層には[[歯状回]]の[[顆粒細胞]]からの苔状線維がシナプスを形成する。この層特異的なターゲッティングには様々なガイダンス分子、例えば、[[ネトリン]]、Eph受容体、セマフォリン、[[スリット]]、[[リーリン]]そして細胞接着因子などが関与している<ref><pubmed>20484647</pubmed></ref>。 | ||
大脳皮質や小脳皮質には様々な[[介在ニューロン]]が存在し、これら多様なもののそれぞれが錐体細胞やプルキンエ細胞の細胞内の特異的なコンパートメントにシナプスを形成することが知られている。例えば[[シャンデリア細胞]]は軸索の起始部に、[[バスケット細胞]]は軸索の起始部や樹状突起側の細胞体のところに、[[マルチノーニ細胞]] | 大脳皮質や小脳皮質には様々な[[介在ニューロン]]が存在し、これら多様なもののそれぞれが錐体細胞やプルキンエ細胞の細胞内の特異的なコンパートメントにシナプスを形成することが知られている。例えば[[シャンデリア細胞]]は軸索の起始部に、[[バスケット細胞]]は軸索の起始部や樹状突起側の細胞体のところに、[[マルチノーニ細胞]](マルチノッチ細胞でしょうか?)は樹状突起の遠位部に、それぞれシナプスを形成する<ref><pubmed>22251963</pubmed></ref>。プルキンエ細胞の場合にはこれは細胞接着因子に依存しておこることが示されている(図7)<ref><pubmed>15479642</pubmed></ref>。 | ||
=== 小脳でのターゲティング=== | === 小脳でのターゲティング=== |