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[[Image:辞典08.jpg|thumb|200px|'''図8 小脳への下オリーブ核からの投射'''<br>延髄の下オリーブ核(右側)にはSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性のところ(黒色)と陰性のところがある。これらSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性の領域の神経細胞はSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性のプルキンエ細胞の存在する小脳皮質領域(左側、黒色)に投射する。SC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性の領域は小脳皮質においては矢状断面に沿ったストライプ状に配列している。]] | [[Image:辞典08.jpg|thumb|200px|'''図8 小脳への下オリーブ核からの投射'''<br>延髄の下オリーブ核(右側)にはSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性のところ(黒色)と陰性のところがある。これらSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性の領域の神経細胞はSC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性のプルキンエ細胞の存在する小脳皮質領域(左側、黒色)に投射する。SC1/DM-GRASP/BEN/ALCAM陽性の領域は小脳皮質においては矢状断面に沿ったストライプ状に配列している。]] | ||
小脳の回路については昔から精力的に研究が行われてきた。小脳に入ってくる2つの主な入力は延髄の下オリーブ核からの登上線維と橋の橋核からの苔状線維であるが、この2つは前者がプルキンエ細胞、後者が顆粒細胞とそれぞれターゲットが異なる。これらの線維が小脳皮質の発達に伴ってどうやって小脳皮質まできて、どういう発達過程を示すかについては詳細な記載がされているが(例えばConstantino SoteloやCarol Masonら) | 小脳の回路については昔から精力的に研究が行われてきた。小脳に入ってくる2つの主な入力は延髄の下オリーブ核からの登上線維と橋の橋核からの苔状線維であるが、この2つは前者がプルキンエ細胞、後者が顆粒細胞とそれぞれターゲットが異なる。これらの線維が小脳皮質の発達に伴ってどうやって小脳皮質まできて、どういう発達過程を示すかについては詳細な記載がされているが(例えばConstantino SoteloやCarol Masonら)、これらのターゲッティングが分子レベルでどうなっているかについてはまだ明らかになっていない(一つの登上線維が一つのプルキンエ細胞とシナプスを作るようになるリファイメントの過程については日本の狩野らの仕事により分子メカニズムが明らかにされてきている)。 | ||
Constantine Soteloは登上線維のプルキンエ細胞ヘのターゲティングに関わる分子に非常に興味を持っていて、彼は小脳のプルキンエ細胞は矢状断面でグループを作り、それに下オリーブ核からの登上線維がトポグラフィックにターゲティングすることに注目、小脳で矢状断面に沿ったストライプ状に発現する細胞接着因子を探した。そのうちの一つが細胞接着因子の[[Activated leukocyte cell adhesion molecule]] (ALCAMあるいはSC1/DM-GRASP/BEN)である。しかしながら、この分子が登上線維とプルキンエ細胞のマッチングに関与しているかどうかの検証はなされていない(図8)<ref><pubmed>8627367</pubmed></ref>。 | |||
=== 脊髄内外における運動神経を中心としたターゲッティング(Tom Jessellら)=== | === 脊髄内外における運動神経を中心としたターゲッティング(Tom Jessellら)=== |