「中心体」の版間の差分

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===一次繊毛の形成===
===一次繊毛の形成===
神経幹細胞を含む多くの細胞は一次繊毛と呼ばれる微小管束によって膜が突出したアンテナ状構造を持つ。一次繊毛はhedgehogシグナルなどの細胞外シグナル分子に対するセンサーとして働く。間期の細胞において中心体は基底小体となって一次繊毛の基部に存在しその形成に関与する。一次繊毛の欠失は脳の発生において左右差の形成不全やhedgehogシグナル依存的な細胞増殖の不全などを引き起こす。
神経幹細胞を含む多くの細胞は一次繊毛と呼ばれる微小管束によって膜が突出したアンテナ状構造を持つ。一次繊毛はhedgehogシグナルなどの細胞外シグナル分子に対するセンサーとして働く。間期の細胞において中心体は基底小体となって一次繊毛の基部に存在しその形成に関与する。一次繊毛の欠失は脳の発生において左右差の形成不全やhedgehogシグナル依存的な細胞増殖の不全などを引き起こす。
中心体関連タンパク質と神経疾患
==中心体関連タンパク質と神経疾患==
これまで脳の形成不全に関与する分子として多くの中心体関連タンパク質が同定されている。小頭症ではその原因遺伝子として7つの中心体関連遺伝子が同定されている。小頭症では大脳皮質の神経細胞数が著しく減少していることから、細胞分裂または対称・非対称分裂の制御に異常があることが示唆される。その一方、皮質の層構造などには異常が見られないことから神経細胞移動の関与は少ないと考えられる。Ⅰ型滑脳症では大脳皮質の層構造に異常が見られることから神経細胞移動の異常が関与すると考えられる。Ⅰ型滑脳症の原因遺伝子としてLis1、Doublecortinなど微小管関連分子が同定されているがこれらの分子もまた中心体に局在することが報告されている。
これまで脳の形成不全に関与する分子として多くの中心体関連タンパク質が同定されている。小頭症ではその原因遺伝子として7つの中心体関連遺伝子が同定されている。小頭症では大脳皮質の神経細胞数が著しく減少していることから、細胞分裂または対称・非対称分裂の制御に異常があることが示唆される。その一方、皮質の層構造などには異常が見られないことから神経細胞移動の関与は少ないと考えられる。Ⅰ型滑脳症では大脳皮質の層構造に異常が見られることから神経細胞移動の異常が関与すると考えられる。Ⅰ型滑脳症の原因遺伝子としてLis1、Doublecortinなど微小管関連分子が同定されているがこれらの分子もまた中心体に局在することが報告されている。
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