「脂肪酸結合タンパク質7型」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
15行目: 15行目:


 FABP7は様々な神経精神疾患、特に[[統合失調症]]の病態との関連が示唆されている。統合失調症患者群において、FABP7の2番目のエクソンに存在する[[一塩基多型]](SNP)で有意な相関が認められ、FABP7mRNAレベルが統合失調症患者の死後脳で非患者と比較して有意に上昇していることも明らかにされている。FABP7欠損マウスでは統合失調症の[[エンドフェノタイプ]]のひとつとされる[[プレパルスインヒビション]](PPI)が障害されている。PPIの機能障害は他の神経[[精神疾患]]([[アルツハイマー病]]、[[自閉症障害]]、[[双極性障害]]など)にも見られることから、これらの疾患にもFABP7が関与していると考えられている <ref name=ref7 /><ref name=ref9><pubmed> 18001149 </pubmed></ref>。また、FABP7は[[ダウン症]]患者の脳に過剰に発現している<ref name=ref3 />。
 FABP7は様々な神経精神疾患、特に[[統合失調症]]の病態との関連が示唆されている。統合失調症患者群において、FABP7の2番目のエクソンに存在する[[一塩基多型]](SNP)で有意な相関が認められ、FABP7mRNAレベルが統合失調症患者の死後脳で非患者と比較して有意に上昇していることも明らかにされている。FABP7欠損マウスでは統合失調症の[[エンドフェノタイプ]]のひとつとされる[[プレパルスインヒビション]](PPI)が障害されている。PPIの機能障害は他の神経[[精神疾患]]([[アルツハイマー病]]、[[自閉症障害]]、[[双極性障害]]など)にも見られることから、これらの疾患にもFABP7が関与していると考えられている <ref name=ref7 /><ref name=ref9><pubmed> 18001149 </pubmed></ref>。また、FABP7は[[ダウン症]]患者の脳に過剰に発現している<ref name=ref3 />。
 さらにFABP7はヒト悪性[[wikipedia:ja:膠芽腫|膠芽腫]]に発現し、FABP7の発現と生存率の間には有意の相関がある。ヒト悪性膠芽腫の浸潤と進行にFABP7は重要な役割を担っており、有効な予後マーカーになりうると考えられている<ref name=ref3 /><ref name=ref5 />。
 さらにFABP7はヒト悪性[[wikipedia:ja:膠芽腫|膠芽腫]]に発現し、FABP7の発現と生存率の間には有意の相関がある。ヒト悪性膠芽腫の浸潤と進行にFABP7は重要な役割を担っており、有効な予後マーカーになりうると考えられている<ref name=ref5 />。


==神経系以外での局在と機能==
==神経系以外での局在と機能==
80

回編集

案内メニュー