「電流源密度推定法」の版間の差分

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== 定義 ==
定義


電流源密度推定法とは、脳内の多点から細胞外記録された局所場電位(local field potential, LFP)信号を用いて、脳内の電流源の分布を推定する手法である。
電流源密度推定法とは、脳内の多点から細胞外記録された局所場電位(local field potential, LFP)信号を用いて、脳内の電流源の分布を推定する手法である。
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==原理==
原理


まず、細胞外記録により測定される電位がどのようにして生じるのかを考察する。
まず、細胞外記録により測定される電位がどのようにして生じるのかを考察する。
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== 応用 ==
応用


LFP信号の3次元空間分布を測定することは実験的に困難であるため、実際の応用では、1次元(線上)もしくは2次元(平面上)のLFP信号分布を用いて電流源を推定することがほとんどである。
LFP信号の3次元空間分布を測定することは実験的に困難であるため、実際の応用では、1次元(線上)もしくは2次元(平面上)のLFP信号分布を用いて電流源を推定することがほとんどである。
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== 発展 ==
発展


電流源密度推定の数学的手法としては、長らく式(2)に基づくLFP信号の空間二階微分が用いられてきたが、2006年、Pettersenらが第2の手法として、式(1)を離散化した線型方程式系を逆行列を用いて解くという、Inverse CSD法を提唱した。この手法では、電流源の分布に関する仮定をパラメータとして明示的に指定することにより、より精度の高い電流源密度推定が可能になっている。Potworowskiらはこれをさらに拡張し、LFP信号の測定点の制限(従来の手法では等間隔グリッド上でのLFP測定が要請される)や、電流源分布の仮定に関してより自由度の高いKernal CSD法を提案している。
電流源密度推定の数学的手法としては、長らく式(2)に基づくLFP信号の空間二階微分が用いられてきたが、2006年、Pettersenらが第2の手法として、式(1)を離散化した線型方程式系を逆行列を用いて解くという、Inverse CSD法を提唱した。この手法では、電流源の分布に関する仮定をパラメータとして明示的に指定することにより、より精度の高い電流源密度推定が可能になっている。Potworowskiらはこれをさらに拡張し、LFP信号の測定点の制限(従来の手法では等間隔グリッド上でのLFP測定が要請される)や電流源分布の仮定に関して、より自由度の高いKernal CSD法を提案している。




== 参考文献 ==
参考文献


*Mitzdorf (1985) Physiological Reviews 65(10):37-100
*Mitzdorf (1985) Physiological Reviews 65(10):37-100
*Pettersen (2006) Journal of Neuroscience Methods 154(1-2):116-33
*Pettersen (2006) Journal of Neuroscience Methods 154(1-2):116-33
*Potworowski (2012) Neural Computation 24(2):541-75
*Potworowski (2012) Neural Computation 24(2):541-75
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