「電流源密度推定法」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
19行目: 19行目:
式(3)  
式(3)  


すなわち、膜電流は膜電位の瞬間的な値(抵抗性成分:右辺第1項)と変化率(容量性成分:右辺第2項)によって決まる。 神経細胞においては、シナプス後電位と活動電位が膜電位変化の主要な原因であるが、 それぞれが生起する膜電位変化のサイズ・変化率は異なるため、それらが式(3)に従って誘起する膜電流の大きさは様々である。 また、実際にLFP信号として測定されるのは電極近傍に存在する多数の神経細胞からの総体的な寄与であるため、各成分の時間的・空間的な配置に従って、それらのLFP信号に対する寄与の強めあい・打ち消しあいが生じうる。 これらの要因を考慮に入れたMitzdorf(1985)による推定では、活動電位に由来する膜電流はLFP信号にほとんど反映されず、また、シナプス後電位に関しては、興奮性・抑制性のシナプスからの寄与の割合はおよそ5:1であるとされている。 このため、LFP信号を用いた電流源密度推定法で推定される電流源分布は、主に興奮性シナプス活動の空間分布を反映していると考えてよい。  
すなわち、膜電流は膜電位の瞬間的な値(抵抗性成分:右辺第1項)と変化率(容量性成分:右辺第2項)によって決まる。 神経細胞においては、シナプス後電位と活動電位が膜電位変化の主要な原因であるが、 それぞれが生起する膜電位変化のサイズ・変化率は異なるため、それらが式(3)に従って誘起する膜電流の大きさは様々である。 また、実際にLFP信号として測定されるのは電極近傍に存在する多数の神経細胞からの総体的な寄与であるため、各成分の時間的・空間的な配置に従って、LFP信号に対するそれらの寄与の強めあい・打ち消しあいが生じうる。 これらの要因を考慮に入れたMitzdorf(1985)による推定では、活動電位に由来する膜電流はLFP信号にほとんど反映されず、また、シナプス後電位に関しては、興奮性・抑制性のシナプスからの寄与の割合はおよそ5:1であるとされている。 このため、LFP信号を用いた電流源密度推定法で推定される電流源分布は、主に興奮性シナプス活動の空間分布を反映していると考えてよい。  


<br> 応用  
<br> 応用  
33

回編集

案内メニュー