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==== 大麻 ==== | ==== 大麻 ==== | ||
[[fMRI]]を用いた研究<ref><pubmed>19656642</pubmed></ref> | [[fMRI]]を用いた研究<ref><pubmed>19656642</pubmed></ref>では、慢性的で重度の大麻使用者は、感情を表す顔(幸せあるいは恐怖)をマスクした状態で提示した場合でも[[前頭葉]]や[[辺縁系]]の反応が変化していた。この結果は、大麻使用者は、提示される刺激が意識的な処理の閾値下にある時でさえ、[[情動]]処理が異なっており、感情に関する情報処理が異なる可能性が強調されている。 | ||
==== ギャンブル ==== | ==== ギャンブル ==== | ||
ギャンブル依存ではセロトニンの機能異常、尿中、血中、[[髄液]]中の[[ノルアドレナリン]]代謝産物レベルが上昇していることや[[αアドレナリン受容体]][[拮抗薬]]に対する[[成長ホルモン]] | ギャンブル依存ではセロトニンの機能異常、尿中、血中、[[髄液]]中の[[ノルアドレナリン]]代謝産物レベルが上昇していることや[[αアドレナリン受容体]][[拮抗薬]]に対する[[成長ホルモン]]反応が増大していることからノルアドレナリン機能異常が存在すると推定され、髄液中のドーパミンレベルの低下およびドーパミン代謝産物レベルの上昇が見られることからドーパミンの代謝回転が上昇していると考えられる<ref><pubmed>12635538</pubmed></ref>。 | ||
ギャンブルに関する刺激と感情(悲しみ、幸福感)に関する刺激を提示してfMRIによる脳神経画像をギャンブル依存者と健常人を比較すると、ギャンブル依存の人は情動・モチベーションに反応が生じる際の脳活動と情動やモチベーションの自己報告との相関の強さがより顕著であり、ギャンブルへの衝動性の主観的評価と[[内側前頭前野皮質]]の活動との負の相関、[[中側頭回]]および[[側頭極]]の活動との正の相関を示した<ref><pubmed>21811809</pubmed></ref>。 | ギャンブルに関する刺激と感情(悲しみ、幸福感)に関する刺激を提示してfMRIによる脳神経画像をギャンブル依存者と健常人を比較すると、ギャンブル依存の人は情動・モチベーションに反応が生じる際の脳活動と情動やモチベーションの自己報告との相関の強さがより顕著であり、ギャンブルへの衝動性の主観的評価と[[内側前頭前野皮質]]の活動との負の相関、[[中側頭回]]および[[側頭極]]の活動との正の相関を示した<ref><pubmed>21811809</pubmed></ref>。 | ||
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==== 大麻 ==== | ==== 大麻 ==== | ||
特異的な薬物療法はなく、急性期の精神病症状は薬物治療なしで経過観察が基本であるが、強い[[恐怖感]]、[[wikipedia:JA:発汗|発汗]]、[[wikipedia:JA:動悸|動悸]]などの顕著な[[自律神経症状]] | 特異的な薬物療法はなく、急性期の精神病症状は薬物治療なしで経過観察が基本であるが、強い[[恐怖感]]、[[wikipedia:JA:発汗|発汗]]、[[wikipedia:JA:動悸|動悸]]などの顕著な[[自律神経症状]]が認められる場合は、ジアゼパムなどの抗不安薬を投与する。[[誇大妄想]]などの[[幻覚]]・[[妄想]]や[[躁性]]の興奮を伴うときはハロペリドールなどの抗精神病薬を投与する。精神病症状が遷延化する場合は抗精神病薬の少量長期(1年以上)投与が有効である。 | ||
==== ギャンブル ==== | ==== ギャンブル ==== | ||
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#動機づけ面接<br> 「底つき」(依存症に対して自分が無力で、自分の力ではどうにもならない状況となっ<br>ていることを認めている状態)を待たず、依存症者それぞれの動機づけのレベルに合わせ、共感的な対話を通じて動機を強化し、行動変容を促す技法である<ref>'''GJ Connors, DM Donovan, CC DiClemente'''<br>Substance Abuse Treatment and the Stages of Change: Selecting and Planning Interventions.<br>''Guilford Press, New York'', 2001</ref><ref>'''WR Miller, SP Rollnick'''<br>Motivational Interviewing. Preparing People for Change, 2nd ed<br>''Guilford Press, New York'', 2002</ref>。 | #動機づけ面接<br> 「底つき」(依存症に対して自分が無力で、自分の力ではどうにもならない状況となっ<br>ていることを認めている状態)を待たず、依存症者それぞれの動機づけのレベルに合わせ、共感的な対話を通じて動機を強化し、行動変容を促す技法である<ref>'''GJ Connors, DM Donovan, CC DiClemente'''<br>Substance Abuse Treatment and the Stages of Change: Selecting and Planning Interventions.<br>''Guilford Press, New York'', 2001</ref><ref>'''WR Miller, SP Rollnick'''<br>Motivational Interviewing. Preparing People for Change, 2nd ed<br>''Guilford Press, New York'', 2002</ref>。 | ||
#随伴性マネージメント<br>[[オペラント条件付け]](ある環境下における行動がもたらす結果に基づいて、行動が再強化され、維持されること)の手法を用いて、薬物を再使用すれば罰則を受けることおよび断薬や治療遵守ができていれば[[報酬]]を得られることを明確に示す枠づけをおこない、行動変容を促す方法である。 | #随伴性マネージメント<br>[[オペラント条件付け]](ある環境下における行動がもたらす結果に基づいて、行動が再強化され、維持されること)の手法を用いて、薬物を再使用すれば罰則を受けることおよび断薬や治療遵守ができていれば[[報酬]]を得られることを明確に示す枠づけをおこない、行動変容を促す方法である。 | ||
# | #コミュニティ強化法<br> 随伴性マネージメントの方法を地域社会サービスに結び付けたもの。たとえば、報酬として家族や仲間との社会活動や娯楽活動、職探し訓練を提示する。 | ||
==== 自助グループ ==== | ==== 自助グループ ==== |