「小胞モノアミントランスポーター」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
2行目: 2行目:


 小胞モノアミントランスポーター(Vesicular monoamine transporter、以下VMAT)は、4種類ある小胞神経伝達物質輸送体タンパク質(トランスポーター)のうちの1つであり、[[モノアミン]]神経終末にある[[シナプス小胞]]や、[[wikipedia:ja:副腎|副腎]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]の[[有芯小胞]]に存在する。合成された[[モノアミン]]を、放出に備えて小胞内に輸送、貯蔵する。VMATは依存性薬物([[精神刺激薬]])の分子標的であり、[[薬物依存]]のメカニズムの中でも特に[[神経細胞]]毒性を研究する上で注目される。
 小胞モノアミントランスポーター(Vesicular monoamine transporter、以下VMAT)は、4種類ある小胞神経伝達物質輸送体タンパク質(トランスポーター)のうちの1つであり、[[モノアミン]]神経終末にある[[シナプス小胞]]や、[[wikipedia:ja:副腎|副腎]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]の[[有芯小胞]]に存在する。合成された[[モノアミン]]を、放出に備えて小胞内に輸送、貯蔵する。VMATは依存性薬物([[精神刺激薬]])の分子標的であり、[[薬物依存]]のメカニズムの中でも特に[[神経細胞]]毒性を研究する上で注目される。


==サブタイプ==
==サブタイプ==
8行目: 9行目:


 VMAT1は、主に[[wikipedia:ja:副腎髄質|副腎髄質]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]や腸管の[[wikipeda:ja:腸クロム親和性細胞|腸クロム親和性細胞]]など、さまざまな神経内分泌細胞の[[有芯小胞]]の膜上に存在する。一方で、VMAT2は、主に[[wikipedia:ja:中枢神経系|中枢神経系]]や[[交感神経系]]の[[モノアミン]]作動性神経終末にある[[シナプス小胞]]の膜上に存在するが、VMAT1と同様に[[wikipedia:ja:副腎髄質|副腎髄質]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]の[[有芯小胞]]にも存在する。    
 VMAT1は、主に[[wikipedia:ja:副腎髄質|副腎髄質]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]や腸管の[[wikipeda:ja:腸クロム親和性細胞|腸クロム親和性細胞]]など、さまざまな神経内分泌細胞の[[有芯小胞]]の膜上に存在する。一方で、VMAT2は、主に[[wikipedia:ja:中枢神経系|中枢神経系]]や[[交感神経系]]の[[モノアミン]]作動性神経終末にある[[シナプス小胞]]の膜上に存在するが、VMAT1と同様に[[wikipedia:ja:副腎髄質|副腎髄質]]の[[wikipedia:ja:クロム親和性細胞|クロム親和性細胞]]の[[有芯小胞]]にも存在する。    


==構造と機能==
==構造と機能==
27行目: 29行目:


 こうしたメカニズムは神経保護作用の点で重要であり、合成された[[モノアミン]]の細胞質への拡散を最小限に抑え、[[モノアミン]]の酸化やそれに伴う[[神経細胞]]毒性発現を抑制すると考えられる。細胞質に[[モノアミン]]が過剰に存在すると、それらは酸化され[[wikipedia:ja:キノン|キノン]]やジヒドロキシ化合物に変化する。これら酸化物が産生する[[wikipedia:ja:活性酸素|活性酸素]]が原因となり、[[神経変性]]が誘導される。こうした[[神経細胞]]毒性発現は、[[精神刺激薬]]である[[wikipedia:ja:メタンフェタミン|メタンフェタミン]]においても見られ、VMAT2ヘテロ欠損マウスでは[[wikipedia:ja:メタンフェタミン|メタンフェタミン]]による[[神経細胞]]毒性の増強が示されており、またMPTPなどの外因性神経毒性物質を小胞内に閉じ込めることにより、[[wikipedia:ja:活性酸素|活性酸素]]による[[神経変性]]に対して抑制作用をもつことも分かっている<ref name=ref1 /><ref><pubmed>17664021</pubmed></ref>。
 こうしたメカニズムは神経保護作用の点で重要であり、合成された[[モノアミン]]の細胞質への拡散を最小限に抑え、[[モノアミン]]の酸化やそれに伴う[[神経細胞]]毒性発現を抑制すると考えられる。細胞質に[[モノアミン]]が過剰に存在すると、それらは酸化され[[wikipedia:ja:キノン|キノン]]やジヒドロキシ化合物に変化する。これら酸化物が産生する[[wikipedia:ja:活性酸素|活性酸素]]が原因となり、[[神経変性]]が誘導される。こうした[[神経細胞]]毒性発現は、[[精神刺激薬]]である[[wikipedia:ja:メタンフェタミン|メタンフェタミン]]においても見られ、VMAT2ヘテロ欠損マウスでは[[wikipedia:ja:メタンフェタミン|メタンフェタミン]]による[[神経細胞]]毒性の増強が示されており、またMPTPなどの外因性神経毒性物質を小胞内に閉じ込めることにより、[[wikipedia:ja:活性酸素|活性酸素]]による[[神経変性]]に対して抑制作用をもつことも分かっている<ref name=ref1 /><ref><pubmed>17664021</pubmed></ref>。


==精神刺激薬とVMAT==
==精神刺激薬とVMAT==
37行目: 40行目:


 上述の[[精神刺激薬]]以外に、VMATに作用する薬剤としてよく知られているものに、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]とテトラベナジンがある。いずれもVMAT阻害作用を有しており、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]はVMATの[[モノアミン]]認識部位に結合し、[[モノアミン]]の小胞内への輸送を阻害する。一方で、テトラベナジンは、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]の作用部位とは異なる部位に結合して阻害作用を発揮すると考えられている<ref><pubmed>17233532</pubmed></ref>。
 上述の[[精神刺激薬]]以外に、VMATに作用する薬剤としてよく知られているものに、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]とテトラベナジンがある。いずれもVMAT阻害作用を有しており、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]はVMATの[[モノアミン]]認識部位に結合し、[[モノアミン]]の小胞内への輸送を阻害する。一方で、テトラベナジンは、[[wikipedia:ja:レセルピン|レセルピン]]の作用部位とは異なる部位に結合して阻害作用を発揮すると考えられている<ref><pubmed>17233532</pubmed></ref>。


==関連項目==
==関連項目==
51行目: 55行目:
*[[覚醒剤]](Wikipedia日本語版の[[wikipedia:ja:覚醒剤|覚醒剤]]の項目)
*[[覚醒剤]](Wikipedia日本語版の[[wikipedia:ja:覚醒剤|覚醒剤]]の項目)
*[[麻薬]](Wikipedia日本語版の[[wikipedia:ja:麻薬|麻薬]]の項目)
*[[麻薬]](Wikipedia日本語版の[[wikipedia:ja:麻薬|麻薬]]の項目)


==参考文献==
==参考文献==
76

回編集

案内メニュー