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隔離膜の伸長には, 2つの[[ユビキチン]]様結合システムが必要である。1つは、[[wikipedia:Atg12|Atg12]]とAtg5が共有結合するAtg12-Atg5システムである。もう1つは、[[wikipedia:Atg8|Atg8]] (哺乳類ではLC3) と[[wikipedia:JA:リン脂質|リン脂質]]である[[wikipedia:JA:ホスファチジルエタノールアミン|ホスファチジルエタノールアミン]] (PE) が共有結合するLC3-PEシステムである。 | 隔離膜の伸長には, 2つの[[ユビキチン]]様結合システムが必要である。1つは、[[wikipedia:Atg12|Atg12]]とAtg5が共有結合するAtg12-Atg5システムである。もう1つは、[[wikipedia:Atg8|Atg8]] (哺乳類ではLC3) と[[wikipedia:JA:リン脂質|リン脂質]]である[[wikipedia:JA:ホスファチジルエタノールアミン|ホスファチジルエタノールアミン]] (PE) が共有結合するLC3-PEシステムである。 | ||
Atg12は[[wikipedia:JA: | Atg12は[[wikipedia:JA:ユビキチン#.E3.83.A6.E3.83.93.E3.82.AD.E3.83.81.E3.83.B3.E3.82.B7.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.A0|E1酵素]][[wikipedia:Atg7|Atg7]]、[[wikipedia:JA:ユビキチン#.E3.83.A6.E3.83.93.E3.82.AD.E3.83.81.E3.83.B3.E3.82.B7.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.A0|E2酵素]][[wikipedia:Atg10|Atg10]]を介して、Atg5と共有結合しAtg12-Atg5を形成する。その後、Atg12-Atg5結合体は[[wikipedia:JA:Atg16L1|Atg16L1]]と大きな複合体を形成し、隔離膜の外側に局在する。隔離膜が閉じてオートファゴソームになるとき、Atg12-Atg5-Atg16L1は膜から離脱する。 | ||
一方、LC3はホスファチジルエタノールアミン化されることにより、膜に局在化するようになる。前駆体LC3は合成後、まず、[[wikipedia:JA:システインプロテアーゼ|システインプロテアーゼ]]である[[wikipedia | 一方、LC3はホスファチジルエタノールアミン化されることにより、膜に局在化するようになる。前駆体LC3は合成後、まず、[[wikipedia:JA:システインプロテアーゼ|システインプロテアーゼ]]である[[wikipedia:Atg4|Atg4]](A-Dの4種類存在する)によりC末端が切断され、[[wikipedia:JA:グリシン|グリシン]]残基を露出したLC3-I formになる。LC3-IはE1酵素Atg7、E2酵素[[wikipedia:Atg3|Atg3]]を介して、最終的にはPEと共有結合し、LC3-PE(LC3-II form)になる。このとき、Atg12-Atg5はE3様の働きをして、LC3-PE形成に必須な役割を果たしている。 | ||
LC3-PE は、隔離膜の伸長および閉じる過程に必須の役割を果たしており、隔離膜だけでなく、オートファゴソーム膜にも局在する。そのため、オートファゴソームマーカーとして頻用されている。オートファジーが誘導される条件下では細胞質中におけるLC3を含む小構造体の増加が観察される。しかし、オートファゴソームの蓄積はリソソームの阻害によっても引き起こされるため、オートファジー誘導とリソソーム阻害のどちらに起因するのかを区別する必要がある。 | LC3-PE は、隔離膜の伸長および閉じる過程に必須の役割を果たしており、隔離膜だけでなく、オートファゴソーム膜にも局在する。そのため、オートファゴソームマーカーとして頻用されている。オートファジーが誘導される条件下では細胞質中におけるLC3を含む小構造体の増加が観察される。しかし、オートファゴソームの蓄積はリソソームの阻害によっても引き起こされるため、オートファジー誘導とリソソーム阻害のどちらに起因するのかを区別する必要がある。 |