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KIF5はKinesin-1ファミリーに属し、kinesin light chains(KLCs)と複合体を形成する。KIF5にはKIF5A、KIF5B、KIF5Cの3つのアイソフォームがあるが、発現場所、発現量はそれぞれ異なる。KIF5Bは全身に発現しているのに対し、KIF5A、KIF5Cは神経特異的に発現している<ref name="ref22"><pubmed>10964943</pubmed></ref>。これらは各々、異なる[[アダプター蛋白質]]や[[足場蛋白質]]を介して様々な膜小胞、[[ | KIF5はKinesin-1ファミリーに属し、kinesin light chains(KLCs)と複合体を形成する。KIF5にはKIF5A、KIF5B、KIF5Cの3つのアイソフォームがあるが、発現場所、発現量はそれぞれ異なる。KIF5Bは全身に発現しているのに対し、KIF5A、KIF5Cは神経特異的に発現している<ref name="ref22"><pubmed>10964943</pubmed></ref>。これらは各々、異なる[[アダプター蛋白質]]や[[足場蛋白質]]を介して様々な膜小胞、[[リソソーム]]、ミトコンドリアなどのカーゴを輸送する<ref name="ref23"><pubmed>9456325</pubmed></ref><ref name="ref24"><pubmed>9657148</pubmed></ref>が、互いに類似の機能も持ち、一部の機能は相補的である。KIF5による輸送の例として、神経軸索では、[[アルツハイマー病]]に関与するアミロイド前駆体タンパク質(APP)の輸送や<ref name="ref25"><pubmed>11740561</pubmed></ref>、シンタブリン(syntabulin)をアダプター蛋白としたシンタキシン(syntaxin) 1の輸送などがある<ref name="ref26"><pubmed>17611281</pubmed></ref>。また、近年、KIF5によるミトコンドリアの輸送にCa<sup>2+</sup>濃度依存的な制御が働いていることが示された<ref name="ref27"><pubmed>19135897</pubmed></ref>。一方、樹状突起では、GRIP1を介したAMPA受容体サブユニットGluR2の輸送や<ref name="ref28"><pubmed>11986669</pubmed></ref>、HAP1(huntingtin-associated protein 1)を介したGABA受容体の輸送<ref name="ref29"><pubmed>20152113</pubmed></ref>、さらにはmRNA・タンパク質複合体(mRNP complex)の輸送<ref name="ref30"><pubmed>15312650</pubmed></ref>を担っている。また、KIF5Aの遺伝子変異は[[遺伝性痙性対麻痺]]を引き起こすことが知られている<ref name="ref31"><pubmed>12355402</pubmed></ref>。 | ||
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