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マクロオートファジー(macroautophagy)は、細胞質成分([[wikipedia:JA:細胞質基質|サイトゾル]]、細胞小器官、[[wikipedia:JA:偏性細胞内寄生体|細胞内病原体]]など)をオートファゴソーム(autophagosome)と呼ばれる二重膜で囲い込み、リソソームへ輸送する。この過程では、まず隔離膜(isolation membrane/phagophore)が細胞質成分を取り囲み、最終的に隔離膜の端が閉じてオートファゴソーム(autophagosome)が形成される。リソソームと融合すると、オートファゴソームの内膜と細胞質成分は分解され、一重膜のオートリソソームとなる。これらの分解は原則として非選択的(バルク分解)であるが、選択的オートファジーも存在し、選択的基質としては可溶性タンパク質([[wikipedia:SQSTM1|p62]]など)、[[ミトコンドリア]](mitophagy)、[[ペルオキシソーム]](pexophagy)、細胞内病原体(xenophagy)、凝集体(aggrephagy)、[[wikipedia:JA:リボソーム|リボソーム]](ribophagy)などがある。 | マクロオートファジー(macroautophagy)は、細胞質成分([[wikipedia:JA:細胞質基質|サイトゾル]]、細胞小器官、[[wikipedia:JA:偏性細胞内寄生体|細胞内病原体]]など)をオートファゴソーム(autophagosome)と呼ばれる二重膜で囲い込み、リソソームへ輸送する。この過程では、まず隔離膜(isolation membrane/phagophore)が細胞質成分を取り囲み、最終的に隔離膜の端が閉じてオートファゴソーム(autophagosome)が形成される。リソソームと融合すると、オートファゴソームの内膜と細胞質成分は分解され、一重膜のオートリソソームとなる。これらの分解は原則として非選択的(バルク分解)であるが、選択的オートファジーも存在し、選択的基質としては可溶性タンパク質([[wikipedia:SQSTM1|p62]]など)、[[ミトコンドリア]](mitophagy)、[[ペルオキシソーム]](pexophagy)、細胞内病原体(xenophagy)、凝集体(aggrephagy)、[[wikipedia:JA:リボソーム|リボソーム]](ribophagy)などがある。 | ||
シャペロン介在性オートファジー(chaperon-mediated autophagy)は、可溶性サイトゾルタンパク質がリソソーム膜を直接透過して内腔へ輸送される経路であり、哺乳類細胞で報告されている。この経路では、KFEQRモチーフを持つ基質タンパク質([[wikipedia:GAPDH|GAPDH]]など)が細胞質に局在する[[wikipedia:JA:シャペロン|シャペロン]]([[ | シャペロン介在性オートファジー(chaperon-mediated autophagy)は、可溶性サイトゾルタンパク質がリソソーム膜を直接透過して内腔へ輸送される経路であり、哺乳類細胞で報告されている。この経路では、KFEQRモチーフを持つ基質タンパク質([[wikipedia:GAPDH|GAPDH]]など)が細胞質に局在する[[wikipedia:JA:シャペロン|シャペロン]]([[熱ショック蛋白質|Hsc70]]など)によって特異的に認識され、LAMP-2A([[wikipedia:LAMP2|LAMP-2]]の[[wikipedia:JA:選択的スプライシング|スプライシングバリアント]]の一つ)を介してリソソーム内腔へ輸送される。 | ||
ミクロオートファジー(microautophagy)は、リソソーム(酵母では液胞)の膜が内側に陥入して分離することで細胞質成分をリソソーム内腔へ輸送する経路である。酵母以外の生物種ではあまり報告されていないが、哺乳類細胞では後期エンドソームの[[エンドソーム|多胞体]](multivesicular body)との類似点が指摘されている。 | ミクロオートファジー(microautophagy)は、リソソーム(酵母では液胞)の膜が内側に陥入して分離することで細胞質成分をリソソーム内腔へ輸送する経路である。酵母以外の生物種ではあまり報告されていないが、哺乳類細胞では後期エンドソームの[[エンドソーム|多胞体]](multivesicular body)との類似点が指摘されている。 |