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Yasushikobayashi (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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哺乳類以外の脊椎動物ではPPNはドーパミン作動性ニューロンを含み、線条体へ投射するということなどから、PPNが黒質の進化的祖先であるとする見方がある。哺乳類においても黒質はドーパミン作動性、PPNはアセチルコリン作動性という大きな違いはあるが、解剖学的な構築が類似しているとする見方がある。 | 哺乳類以外の脊椎動物ではPPNはドーパミン作動性ニューロンを含み、線条体へ投射するということなどから、PPNが黒質の進化的祖先であるとする見方がある。哺乳類においても黒質はドーパミン作動性、PPNはアセチルコリン作動性という大きな違いはあるが、解剖学的な構築が類似しているとする見方がある。 | ||
PPNは中脳網様体の尾外側部を形成するが、PPNには小型のニューロンが疎に集合する前部分と大型のニューロンが密に集合する後部分がある。PPN前部はpars dissipata、後部はpars compactaと命名されており、前部にはアセチルコリン、非アセチルコリン作動性ニューロンが混在し、後部は主にアセチルコリン作動性ニューロンが多く存在する。PPNではアセチルコリンとグルタミン酸の双方が同一ニューロンの中に混在することなども明らかにされている<ref name=ref4><pubmed> 7915726 </pubmed></ref>。 | PPNは中脳網様体の尾外側部を形成するが、PPNには小型のニューロンが疎に集合する前部分と大型のニューロンが密に集合する後部分がある。PPN前部はpars dissipata、後部はpars compactaと命名されており、前部にはアセチルコリン、非アセチルコリン作動性ニューロンが混在し、後部は主にアセチルコリン作動性ニューロンが多く存在する。PPNではアセチルコリンとグルタミン酸の双方が同一ニューロンの中に混在することなども明らかにされている<ref name=ref4><pubmed> 7915726 </pubmed></ref>。 | ||
PPNへの線維入力は、主に大脳皮質、扁桃体、黒質網様部、淡蒼球、視床下核などが由来である。なお、PPNはこれら大脳基底核群と双方性結合をもっている<ref name=ref12><pubmed> , <ref name=ref13><pubmed> 15374668 </pubmed></ref>。この大脳基底核群との密接な結合関係から、最近ではPPNが大脳基底核群の一部として議論されることもある <ref name=ref13><pubmed> 15374668 </pubmed></ref>。さらに、PPNは脳幹のカテコールアミンシステム(青班核:ノルアドレナリン作動性、 縫線核:セロトニン作動性)とも双方的に結合がある<ref name=ref14><pubmed> 8232901 </pubmed></ref>。 この、「大脳基底核-PPN-カテコールアミンシステム複合体」が随意運動や、様々な選択的注意に関係した行動をトリガーしていると考えられている<ref name=ref15><pubmed> 1887068 </pubmed></ref>。これらに限らず、PPNニューロンは非常に広範な投射を示す。その投射先は、黒質緻密部、腹側被蓋野、視床下核など大脳基底核の構成要素や、視床、上丘、脊髄、橋、脳幹網様体、運動性三叉神経核、前脳基底部、などである<ref name=ref3><pubmed> 6646427 </pubmed></ref>, <ref name=ref5><pubmed> 3251602 </pubmed></ref>, <ref name=ref16><pubmed> 2176719 </pubmed></ref>, name=ref17><pubmed> 2388079 </pubmed></ref>, name=ref18><pubmed> 8842892 </pubmed></ref>, <ref name=ref19><pubmed> 3362403 </pubmed></ref>。 | PPNへの線維入力は、主に大脳皮質、扁桃体、黒質網様部、淡蒼球、視床下核などが由来である。なお、PPNはこれら大脳基底核群と双方性結合をもっている<ref name=ref12><pubmed> , <ref name=ref13><pubmed> 15374668 </pubmed></ref>。この大脳基底核群との密接な結合関係から、最近ではPPNが大脳基底核群の一部として議論されることもある <ref name=ref13><pubmed> 15374668 </pubmed></ref>。さらに、PPNは脳幹のカテコールアミンシステム(青班核:ノルアドレナリン作動性、 縫線核:セロトニン作動性)とも双方的に結合がある<ref name=ref14><pubmed> 8232901 </pubmed></ref>。 この、「大脳基底核-PPN-カテコールアミンシステム複合体」が随意運動や、様々な選択的注意に関係した行動をトリガーしていると考えられている<ref name=ref15><pubmed> 1887068 </pubmed></ref>。これらに限らず、PPNニューロンは非常に広範な投射を示す。その投射先は、黒質緻密部、腹側被蓋野、視床下核など大脳基底核の構成要素や、視床、上丘、脊髄、橋、脳幹網様体、運動性三叉神経核、前脳基底部、などである<ref name=ref3><pubmed> 6646427 </pubmed></ref>, <ref name=ref5><pubmed> 3251602 </pubmed></ref>, <ref name=ref16><pubmed> 2176719 </pubmed></ref>, <ref name=ref17><pubmed> 2388079 </pubmed></ref>, <ref name=ref18><pubmed> 8842892 </pubmed></ref>, <ref name=ref19><pubmed> 3362403 </pubmed></ref>。 | ||
PPNニューロンの発火特性 | PPNニューロンの発火特性 |
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